平金魚のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
彼らはどこにでもあるごく普通の家族だったはずなのだ。いいや、でも思い返せばとっくの昔に破綻していたのかも。全ての始まりは、いつからなんだろうか。 家族が崩壊していく様を、様々な視点、感情を伴って紐解いていく……。 ホラー?イヤミス?幽霊とか呪いとかの要素ががあるから一応多分ホラーなんだけど、人間が怖いホラー。物語の全てがある家族の崩壊をさまざまな人物の視点で見ていく。一番最初の「不幸大王がやってくる」からもうかなり読むのしんどかった。何がしんどかったって、出てくる父親がどうしようもないクソ男だった。ただひたすらに偉そうで、理想ばかりで。妻と娘を言葉で押さえつけて最悪だった。しかもこの男が浮気し
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Posted by ブクログ
ネタバレダ・ヴィンチ「幽」が主催する怪談文学賞の
短編部門大賞受賞作品。
女性特有の人間...とりわけ女性の持つ何とも言えない
黒く重たい沈殿した感情がジンワリと浸食して
くるような怖さはあります。怪談というよりは
やはりホラー作品なんでしょう。
どこにでもありそうな家庭がジワジワと壊れて
いく様を、様々な視点と時間軸による短編連作スタイルで
描かれています。
そうする事によって次第に明かされていく、真実は
読み進めるうちに興味深く惹き付けられます。
とは言え驚嘆するような怖さや新しさという
感じでもなく、正直、湊さんが描く黒さや
沼田さんのドス黒さに比べるとまだまだ、
可愛いもんで感情に爪を立てる