追分日出子のレビュー一覧
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小田さんの2022-2023のツアー同行記事を軸に、幼年時代から現在までを網羅。
家族や友人、音楽関係者から多くのインテビューを基に、楽曲の解析ではなく、感情を主体に書かれている。その時々で製作された楽曲の詩が数多く収録されているので、つい音源を探して流しながらよんでしまう。
5人オフコースから4人、そしてソロへの事情が丹念に書かれていて、その当時の疑問がようやく解けた。自分の中では 小田和正 = オフコース だったが解散してはや36年、ソロになってからの日本版グラミー賞や映画製作等、ヒット曲の陰での試行錯誤の舞台裏が見えるのも貴重。
自分のオフコースの出合いであったNHH教育TVの番組が -
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ファン歴40年ですが4人時代否定主義者ではありません。すべての時代のオフコース&小田和正を肯定する立場での感想。
今まで読んだオフコース&小田和正関連本の中で群を抜いて濃厚で満足度の高い本だった。著者が客観性を重視しながらも愛情を持って丁寧にまとめあげたことが伝わってくる。資料としてもバイブルとしても圧倒的な価値のある小田本だと思う。
家族や親戚や旧友の証言を取りまとめて、出生〜3人のオフコース時代を非常に詳しく書いてあるのも素晴らしく、戦後のフォーク史も並行してわかるように丁寧に説明されている。
2人から5人になった時の話はだいたいこれまでも聞いたことのある話だったが丁寧 -
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600ページもあるのに、4日で読み終えた。特に、オフコースの時代の章は、早く次を読みたいと思った。
オフコースには、コーラスの美しさにひかれた。そして、曲作りが緻密だとも思った。この本にも、3枚目のアルバムのレコーディングに500時間をかけたことや、専属のPAをツアーに同行させたり、トラックダウンを海外のエンジニアに依頼したのは、オフコースが初めてだったことが書かれている。
オフコースに力強さを求めて改造計画を進めたのは、3枚目のアルバムからディレクターを担当した武藤敏史だった。武藤は、「ザ・ジャネット」のメンバーだった大間ジローと松尾一彦に声をかけ、同じ事務所に所属していた「ザ・バッド・ -
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ネタバレ中学生の時からの筋金入りのファンである。5人時代の最後のコンサートにも行けたし、4人になってからのオフコースも大好きだった。だが、ソロになってからの小田さんには違和感を覚えていた。「クリスマスの約束」を見て、その神歌声に感嘆しつつも、なぜか昔ほど心が震えなかった。あれほどこだわっていた“オフコース”を簡単に捨て去ったように思えた。
この本ほど、小田和正の人生を掘り下げているものはなく、これ以上のものはまたとは出ないだろう。長年のファンなので、知っているエピソードも多かったが、家系も含めここまで生い立ちを綴らせるとは。
だが、私がこの本を購入した理由はただ一つ。
4人時代のオフコースが解散し -
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オフコースのいや、小田和正の集大成の書。
何年もの月日をかけてあらゆる人のインタビューも紹介されていて小田さんファンには嬉しい一冊。
中でも、大間ジロー、清水仁、松尾一彦のインタヴューとヤッサンも今も現役で活動していると知って嬉しかったし、初期のメンバーの地主氏も建築家として事務所を構えてるとか(共に75歳!)
解散に至った経緯とかやっさんの気持ちもなんとなく理解できた。けど、やっさんとも3人とも解散後、一回も会ってないってのがすこし淋しいね。決して円満な解散ではなかった。音楽性の違い。当時の社長が変わってシステムががらりと変わり小田さんはあまり事務所に来なくなり(当時の社長に自分がいたらやり -
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小田和正は好きなアーティストなのだが、オフコース時代は知らないので、そこに興味があって読んだ。(オフコース時代の曲をセルフカバーしたアルバム『LOOKING BACK』と『〜2』をよく聞いていたので。)
個人的に興味深かったのは、オフコース時代の異色曲『君が、嘘を、ついた』が発表されるまでの経緯。(個人的には好きな曲だが、他の曲とあまりにも雰囲気が違う) 本書では、『君が〜』はオフコースの初期メンバー鈴木康博の脱退直後に作られたことが描かれる。脱退直前(脱退が決まってから、実際に脱退するまでの間)に作られた『言葉にできない』からの落差で、当時の小田の心情が察せられる。
とはいえ、小田最大の -
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私は世代じゃないのでオフコース時代の曲は『さよなら』くらいしか知らず
でもソロになってから一度ライブに行ったらその圧倒的な歌唱力と、ほかのアーティストでは見られないような観客の皆さんとの一体感に圧倒されてちょくちょく行くようになった
そして、ソロの曲だと思っていた曲が、実はオフコース時代の曲だったことにもびっくり。
恐らく周りのファンの人より一歩引いて読めたからか、知らないことだらけだったので、これで人となりが分かって良かった。
当初、思春期というのか、時代背景もあっただろうか、あまりに暗くて笑ってしまうくらいだったけど…。
色んな人と関わり合って明るくなってくれて良かった(笑)。
今まで色 -
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【孤独な祝祭 佐々木忠次】
追分日出子著、文芸春秋社、2016年
全く知らなかった。こういう人がいることを。
強烈な個性の持ち主で、世界の一流を巻き込む圧倒的な構想力、展開力、実行力で、戦後の日本に本物のバレエとオペラを持ってくる。
そして、東京バレエ団(正式名称 チャイコフスキー記念東京バレエ団)を本場ロシア、フランスのバレエ通も唸らせるバレエ団に仕立て上げてしまう手腕。
「チャイコフスキー記念」が冠される理由には東西冷戦構造が影響していたり、ヨーロッパ各地で東京バレエ団が公演する際の現地日本大使館の無理解、そして、新国立劇場とバレエ団ができる時の政治的思惑など、日本に芸術文化が根