ピーター トライアスのレビュー一覧

  • ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン 下

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    久しぶりに一気読み。すごく面白かった。

    どこか本心を常に隠している電卓のプロフェッショナル、ベン。強い愛国心のあまりキレると自制心が効かない特高の昭子。2人の主人公それぞれに背負った秘密がわかったときの切なさ。

    歴史改変SFなんてジャンルには収めたくない、生き方や国、アイデンティティ、宗教、色んなことを考えさせてくれる小説だった。
    何より、日本に対する造詣の深さと、この「イフ」の世界観をここまでリアルに描ける筆力はすごいと思う。

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    2021年05月22日
  • ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン 上

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    国立大学物理学研究室の元助手という経歴を持つ編集者が米国の原著を読み、売れると直感し日本語版を編集したという新聞記事を読んで興味が沸いて読み始めた。
    この編集者の慧眼通りの本だった。

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    2021年04月06日
  • サイバー・ショーグン・レボリューション 下

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    3部作完結編。最後までテンション落とさずに走り切った。恋愛関係にない、所属の違う男女バディものという点は第一作の「ユナイテッドステイツオブジャパン」に共通するか、むしろ2作目の「メカサムライエンパイア」がちょっと雰囲気違うのか、あれだけ青春してるし。メカメカしさでは三部作の中でも一番濃いかな、そこが良い。
    K、実写化するなら誰かと考えてる。関西弁、割とピュアなオタク、ひねくれ。とろサーモン久保田やと悪意が前に出過ぎ、かまいたち山内やとひねくれが足りない、関西弁を何とかできればタイムマシーン3号関かな。

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    2020年10月13日
  • ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン 上

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    もしも日本・ドイツの枢軸国側が戦争に勝っていたらというIfの話を元にした話。この本の歴史では、日本は最初にドイツとソ連を攻めアメリカの対日参戦を遅らせ日本が先にアメリカに核を落とすという話だ。この日本は戦時中のように特別警察隊や秘密警察などが暗躍していたり、天皇が絶対視されるなどの戦前・戦中の日本がモデルとされている。憲兵だったベンの愛人?セフレ?友人?はこの後出てくるのか、ジョージ・ワシントン団に拷問され手足を失った特高の女の人はこの後出てくるのか、六浦出元将軍が反日ゲームを流行らせる理由は何なのか。楽しみで下が早く読みたい。

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    2020年05月06日
  • メカ・サムライ・エンパイア 下

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    前作よりメカの戦いが表に出てきた。続けて読むとむしろ前作は本作の舞台設定のために書かれてるような気がしてくる。いや「ユナイテッドステイツオブジャパン」も十分オモロいねんけど、あっちの方が何となくスピンオフっぽいというか、こっちの方が直球な印象。あと、意外と女性キャラ多いというか、いや、男性主人公のSFだからって女性が出て来ないことはないねんけど、これだけ多彩な女性キャラ出して来る(それが本線ではなく)SFって何か珍しい気がする。偏見のような気もするけど。

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    2018年09月22日
  • メカ・サムライ・エンパイア 下

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     敵がナチスなら軍国日本はまだましってことか、とくに皇国の正義のためにつくそうとする誠の目からすると、USJの体制がいかに抑圧的かはところどころに垣間見えるだけである。
     誠の同級生で優等生のお嬢様、しかしものすごく腕のいいパイロット橘範子が「ですわ」で喋り、誠と警備会社の厳しい訓練を耐え抜く烈女パイロット千衛子(苗字はないみたい)は男っぱくまくし立て、前作で登場した天才的女性パイロット久地樂(くじら)の息子・同名の久地樂は母と同様、のらくらと関西弁。見事にアニメ風の登場人物であるし、翻訳もその辺はあざとく訳している。ドイツからの交換留学生で誠が思いを寄せるグリゼルダがこの体制に疑問を差し挟ま

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    2018年07月30日
  • メカ・サムライ・エンパイア 上

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     『ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン』の続編。続編といっても直接話が繋がるというのではなく、同じ世界設定のもとでの、数年後の別の話である。それにしてもこのあまりにキッチュなタイトル。
     第二次世界大戦で日独が勝った世界、アメリカは東側がナチスに支配され、西側が大日本帝国の領地となっており、日本合衆国(USJ)と呼ばれている。日本とナチスは一応は同盟国ながら、いまや世界を二分する敵対勢力であり、一触即発の様相を帯びている。さらにUSJではアメリカ人レジスタンスがナチスと手を組みつつテロ活動をしている。世界の主たる兵器はメカ。二足歩行の巨大ロボットである。そんな1994年。
     一人称で語られ

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    2018年07月30日
  • ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン 下

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     陸軍検閲局大尉・石村紅功,通称ベンと特高課員・槻野昭子(作者的にはこっちが主人公らしい)は憲兵に追われる身となる。非合法ゲーム『USA』を制作し、アメリカ人レジスタンスの手助けをしているらしい六浦賀将軍の首級を挙げてこの窮地を脱することを目指す。向かう先はレジスタンスと激しい戦闘がなされ壊滅状態にあるサンディエゴ。
     片腕マシンガンガール、命がけのゲーム対戦、巨大ロボ「メカ」戦、キッチュな展開が実に大まじめに進むところがすごい。
     大日本帝国治下のアメリカはディストピアには違いなく、ところどころで滅びてしまったアメリカの「自由」の理念が語られるが、そのアメリカも日系人を強制収容所で人権蹂躙し

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    2016年11月29日
  • ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン 上

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     第二次世界大戦で日独が勝った世界。ディックの『高い城の男』の設定を頂いて、新たな物語を紡ぐ。作者は日本文化びいきの韓国系アメリカ人。ティエリャスと読みたくなる名前だが、本人がトライアスといっているようだ。

     アメリカは東側がドイツに支配され、西側が大日本帝国の領地となっている。それは『高い城の男』と同様だが、本書ではこれがユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパンと呼ばれている。略してUSJ、ええと大阪にそのようなものがなかったっけか。
     日本がアメリカに勝つためには戦前の天皇制にかこつけた無責任体制がどうにか変わっていなければ無理じゃないかと思うのだが、この世界の日本はむやみと戦端を拡大せず

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    2016年10月27日
  • ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン 下

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    アメリカから見た戦時中の日本って、こういう怖さがあったのかと客観視できた気がします。
    日本が戦争に勝った世界線で、アメリカが勝利する設定のコンテンツがあるという設定が面白いです。

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    2022年09月15日
  • ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン 上

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    第二次世界大戦で枢軸国側が勝ち、アメリカ西海岸が日本統治下にあるという「歴史改変SF小説」。
    作者がアメリカ人であることを忘れそうになるくらい、日本に詳しい。面白い。

    日本がアメリカに原爆を落とした世界線。真珠湾攻撃を仕掛けなかった世界線。「軍国主義的、かつ日本的」価値観がまだ当然生きていて、まさに勝てば官軍負ければ賊軍。
    ストーリーは石村という帝国陸軍検閲局任務の隊員を主軸に進む。ハッカー?のようなすごい技術を持ちながら、不思議な価値観、数奇な人生を送る石村に目が離せない。

    早く下巻読みたい。

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    2021年05月21日
  • サイバー・ショーグン・レボリューション 下

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    大西ってメカ・サムライ・エンパイアだと誰だっけ
    後半ページ数少ないのにどうまとめるかと思ったけれど、特にまとめる風でなく

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    2021年03月05日
  • サイバー・ショーグン・レボリューション 上

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    読み終わってみると、ロボットの戦闘場面はあまりなかった。けれどすんなり読み進めることができた。前の事前知識があるからか?逆に世界観の説明か少なかったかもしれない。
    人物の漢字の名前が難しいのがあって覚えられない。

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    2021年02月28日
  • サイバー・ショーグン・レボリューション 下

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    歴史改変SFシリーズ3部作完結篇。
    テンポの良さと読者を惹きつける描写は健在。ラストはこういう感じなのかーと言うのか正直な感想。

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    2020年11月11日
  • メカ・サムライ・エンパイア 上

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    歴史改変×巨大ロボットSF「ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン」の続編となる本作は、前作とは異なりメカ(巨大ロボット)の活躍がメインとなっている。

    メカのパイロットを目指す主人公の少年の成長が描かれており、ディストピア感の強かった前作に比べると、「機動戦士ガンダム」のようなイメージに近い。

    ストーリー展開もテンポが良くスルスルと読むことができる。

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    2020年09月27日
  • ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン 上

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    フィリップ・K・ディックの「高い城の男」を下敷きに、スマホのようなコンピュータ(作中では電卓と呼ばれる)や、巨大人型兵器などの現代ジャパニーズカルチャーを取り込んだ作品。

    表紙のイラストから巨大ロボットが活躍するイメージがあるが、巨大ロボットはあまり登場しない(ただし作中では重要なキーを握っている)。

    訳も分かりやすくて一気に読み終えることができる。

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    2020年09月21日
  • ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン 下

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    "本の帯にもあるように、話の流れはフィリップ・K・ディックさんの「高い城の男」を思い出さずにはいられない。どちらも、第二次世界大戦で枢軸国(日独伊)が勝った世界に住む人の物語だ。どちらも、あまり自由はなく統制された社会を描いている。その世界の中で、高い城の男では、もしも連合国が勝ったであればという内容の発禁本が登場する。
    本作品では、USJという日本がアメリカを統治した国が舞台で、USAというゲームが登場する。もしも、アメリカ合衆国が戦争に勝っていたらというゲームが。
    本書のユニークなところは、USJでは巨大なロボットが戦う道具として存在しており、その戦闘シーンも見せ場のひとつになっ

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    2018年11月24日
  • メカ・サムライ・エンパイア 下

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    歴史改変SFの第2弾。前作よりももっとロボロボしてるので、爽快。
    設定が同じだけなのであえて前作を読まなくても楽しめる。

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    2018年07月14日
  • メカ・サムライ・エンパイア 下

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    前作は日独勝利下のアメリカ市民視点だったのが、その後に日本合衆国で育った若者達の生活が気色悪い…orz
    戦時下にテクノロジーが異常に発達するのはよくある設定だが、読み慣れた荒巻や佐藤の架空戦記のエンタメ感と違うなぁー

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    2018年04月29日
  • ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン 下

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    エグイ話にえげつない話の連続(ほめ言葉)

    一度決定すると引き返しができないという本質を、露骨に描いていて、ただのオマージュでは終わらない内容。

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    2017年04月04日