ホレス・マッコイのレビュー一覧

  • 彼らは廃馬を撃つ

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     1935年に書かれ、1970年と1988年に出版されてはいずれも廃版となっては、三度の光を浴びて復刊したのが本書である。しかしこれもまた再版とはならず現在は廃版の状態である。「廃版」とタイトルにある「廃馬」に重なるイメージがあるのだが、本も馬も人もいつかは廃棄される運命にあり、撃たれる運命にあるのかもしれない。

     先日読んだばかりの『屍衣にポケットはない』で独特な感性とタフでぶれない軸を持った作家ホレス・マッコイの名を知り、二つの世界大戦の合間に展開するアメリカという社会の、大戦間ならではの独特な歪みをさらに検証することができるのが本書であると言っていいだろう。

     『屍衣にポケットはない

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    2024年03月17日
  • 彼らは廃馬を撃つ

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    映画『ひとりぼっちの青春』の原作。1935年にアメリカの作家ホレス・マッコイによって書かれた、マラソン・ダンス大会を題材にした小説。

    マラソン・ダンス大会とは、最後まで踊っていた男女ペアが優勝する、ダンスの耐久コンテストのこと。1時間50分踊っては10分間の休憩の繰り返しで、その10分間に睡眠や食事、風呂に入ったりと必要なことを済ませるという、なんともクレイジーなコンテスト。小説はフィクションでも、こんな狂騒的な催しが実際に行われていたのは驚きでした。

    あらすじ:
    ときは、大恐慌後の不況下のアメリカ。映画監督を目指すロバートが、エキストラで生計を立てる女優志望のグロリアと街で偶然出会います

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    2025年04月09日
  • 彼らは廃馬を撃つ

    Posted by ブクログ

    良い本面白い本というような次元でなく、独り手にてパワーを持っている本があり、そういう本かと。ハリウッドの海岸沿いに耐久マラソンダンス大会が開催される。なんて楽しそうな粗筋なんでしょう。「ひとりぼっちの青春」という映画が作られたそうで、ジェーン・フォンダ役の女子の鬱が周りを疲労させるタイプで、パートナーの、ハリウッドで監督を夢見る主人公は関係者の目に留まるように粛々と行程を全うする。主催者の空気読まない表面だけの明るさ。対照的に何やっても気に入らない鬱。主人公にじわじわ神経の磨耗がすり寄る。

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    2019年04月09日