中野和朗のレビュー一覧

  • 史上最高に面白いファウスト

    Posted by ブクログ

    これはよくできた本。タイトルのポップさを鵜呑みにせず、最後まで通読すると得られるものが大きい。

    抄録に解説が適宜織り交ぜられ、最後にこの作品の本質を著者なりの解釈で解き明かす。抄録の部分も舞台感がリズミカルにうまく表現されている。

    はじめて『ファウスト』が分かった。どんな形でも、これまで『ファウスト』は分からなかったのに。

    0
    2021年08月25日
  • 史上最高に面白いファウスト

    Posted by ブクログ

    「まんがで読破 ファウスト」と「手塚治虫ファウスト」という、マンガ2冊に続いての、活字の入門本へのステップアップとして購入しました。
    ===
    著者は、ゲーテひと筋60年という教授の先生。
    高尚な人格者による、ものすごく難解な大長編の文学作品という、誤ったイメージがあるけど、そうじゃない。
    退屈で苦しいだけの日々に忙殺されている庶民に、笑い転げたり、怒ったり、泣いたり、心の底から楽しんでもらいたいという一心で、ゲーテが生涯をかけて取り組んだエンターテイメント作品。
    もっとガードを下げて、1人でも多くの人に気軽に楽しんでほしい。
    この点を、この本の中で何回も強調しています。
    ===
    例えば……

    0
    2020年01月22日
  • 史上最高に面白いファウスト

    Posted by ブクログ

    新潮文庫の「ファウスト」(高橋義孝訳)と並行して読んだ。
    とてもわかりやすくて入門にはよかったが、これだけだとちょっと味気ない。並行読みオススメです。

    0
    2019年10月14日
  • 史上最高に面白いファウスト

    Posted by ブクログ

    多くの人が難解としてなかなか手が出せないだろうファウストを、分かりやすく噛み砕いて紹介している。言葉も現代の表現にされており、非常に読みやすい。
    情景描写が分かりやすく、頭の中で舞台上の演者や観客を想像しながら楽しく読めた。
    こうして世界の名著に親しめることを嬉しく思う。
    これは確かに、「史上最高に面白いファウスト」かもしれない。

    0
    2017年01月25日
  • 史上最高に面白いファウスト

    Posted by ブクログ

    久々に☆5つ!
    とっても面白かった!

    <本から>

    神秘な合唱

     移ろいゆくものは、すべて
     影にすぎない。
     我欲のために悪にまみれた
     迷える魂もここでは赦され
     永久の営みに組み込まれる。
     ここに軌跡が起こる。
     命を生み育む慈愛、
     この永遠にして女性的なるものが
     わたくしたちを滅びから救うことができる。
     母たちよ
     栄光の聖母よ
     至福の光で
     この世を永久にご照覧あれ!

    0
    2017年01月07日
  • 史上最高に面白いファウスト

    Posted by ブクログ

    ファウストは、哲学や進学に打ち込んだ堅物のファウストに対して、神と悪魔(メフィスト)が彼を堕落させられるか否かをテーマに賭けをして、賭けに勝つためにメフィストがあの手この手でファウストの希望を叶えながら進んでいく物語。

    恋多き作者ゲーテの個人の記憶も投影しながらも、人間のどうしようもなさ、一方で意思に導かれる部分を描き、また絶妙な神学批判も織り交ぜながら、神学やギリシャ神話にも言及して進む物語。

    元々劇の台本の様な形式で書かれた作品のため、作者の構成の仕方は非常に分かりやすく、初めてであっても入り込むことができた。

    0
    2025年04月28日
  • 史上最高に面白いファウスト

    Posted by ブクログ

    ファウストが史上最高に面白いのか・ファウストをこう解釈すると面白いのか~1部:魔女の薬で20歳の若者になったファウストは14歳のマルガレーテ(グレートヒェン)に一目惚れし,眠り薬を母親に仕込んで思いを遂げるが,妊娠を兄に責められ,ファウストは逃亡し,マルガレーテは嬰児殺しの罪を負い,ファウストも救えなかった。2部:皇帝の側近になったファウストは皇帝の命で呼び出したヘレナに惚れ込み,人造人間ホムンクルムと古代ギリシアの世界に,スパルタに戻って殺されそうな所をゲルマンの騎士になりきって攫う。男児が飛び降り自殺をしてヘレナも消え,現代に戻ったファウストは戦争に荷担して海沿いの領土を得,理想郷を作って

    0
    2017年02月06日
  • 史上最高に面白いファウスト

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    【人生を賭けるファウストと悪魔の劇作品】
    ゲーテの「ファウスト」は、とても分厚く読みにくい印象があって、読んだことがないのですが、
    この本で、ざっと設定やあらすじを楽しむことができたと思います。
    ファウストは、小説ではなく、劇作なのですね、そんな形式では普段にも読んだことがないので、
    この本では、そんな環境設定にも触れつつ、とても分かりやすく、それぞれのシーンを思い浮かべやすく、とても分かりやすい解説が簡潔に加えられていて、助かりました。

    ・・・
    ファウスト、という主人公と、メフィスト、という悪魔の間の「賭け」のお話。

    本来、キリスト教だと契約、日本・仏教的だと絆や信頼、輪廻?みたいなとこ

    0
    2024年06月10日
  • 史上最高に面白いファウスト

    Posted by ブクログ

    時代背景やゲーテの意図しようとしてたものが解説付きで物語が進んでいくので大変にわかりやすかった。

    現代一般人の自分にとって、原作を読んでも本当の面白さはこれっぽっちも理解できないだろうし、理解するだけの知識を得る時間もそんなにない。

    ファウストの物語自体が色々な含みを持っているようなので、今回はこの作者に依存した理解、これまでの手塚治虫に依存した理解でいったんファウストは読み納めてもいいかな。

    今回読むことでだいぶファウストの印象は変わった。それだけ手塚治虫のファウストは脚色もしっかりされていたし、それなりに面白かった。

    いつかは原文をゆっくりと紐解いていくか?いや多分時間も、紐解いて

    0
    2019年06月05日