中野和朗のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「まんがで読破 ファウスト」と「手塚治虫ファウスト」という、マンガ2冊に続いての、活字の入門本へのステップアップとして購入しました。
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著者は、ゲーテひと筋60年という教授の先生。
高尚な人格者による、ものすごく難解な大長編の文学作品という、誤ったイメージがあるけど、そうじゃない。
退屈で苦しいだけの日々に忙殺されている庶民に、笑い転げたり、怒ったり、泣いたり、心の底から楽しんでもらいたいという一心で、ゲーテが生涯をかけて取り組んだエンターテイメント作品。
もっとガードを下げて、1人でも多くの人に気軽に楽しんでほしい。
この点を、この本の中で何回も強調しています。
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例えば……
序 -
Posted by ブクログ
ファウストが史上最高に面白いのか・ファウストをこう解釈すると面白いのか~1部:魔女の薬で20歳の若者になったファウストは14歳のマルガレーテ(グレートヒェン)に一目惚れし,眠り薬を母親に仕込んで思いを遂げるが,妊娠を兄に責められ,ファウストは逃亡し,マルガレーテは嬰児殺しの罪を負い,ファウストも救えなかった。2部:皇帝の側近になったファウストは皇帝の命で呼び出したヘレナに惚れ込み,人造人間ホムンクルムと古代ギリシアの世界に,スパルタに戻って殺されそうな所をゲルマンの騎士になりきって攫う。男児が飛び降り自殺をしてヘレナも消え,現代に戻ったファウストは戦争に荷担して海沿いの領土を得,理想郷を作って
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Posted by ブクログ
ネタバレ【人生を賭けるファウストと悪魔の劇作品】
ゲーテの「ファウスト」は、とても分厚く読みにくい印象があって、読んだことがないのですが、
この本で、ざっと設定やあらすじを楽しむことができたと思います。
ファウストは、小説ではなく、劇作なのですね、そんな形式では普段にも読んだことがないので、
この本では、そんな環境設定にも触れつつ、とても分かりやすく、それぞれのシーンを思い浮かべやすく、とても分かりやすい解説が簡潔に加えられていて、助かりました。
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ファウスト、という主人公と、メフィスト、という悪魔の間の「賭け」のお話。
本来、キリスト教だと契約、日本・仏教的だと絆や信頼、輪廻?みたいなとこ -
Posted by ブクログ
時代背景やゲーテの意図しようとしてたものが解説付きで物語が進んでいくので大変にわかりやすかった。
現代一般人の自分にとって、原作を読んでも本当の面白さはこれっぽっちも理解できないだろうし、理解するだけの知識を得る時間もそんなにない。
ファウストの物語自体が色々な含みを持っているようなので、今回はこの作者に依存した理解、これまでの手塚治虫に依存した理解でいったんファウストは読み納めてもいいかな。
今回読むことでだいぶファウストの印象は変わった。それだけ手塚治虫のファウストは脚色もしっかりされていたし、それなりに面白かった。
いつかは原文をゆっくりと紐解いていくか?いや多分時間も、紐解いて