岡井崇のレビュー一覧

  • トライアングル

    Posted by ブクログ

    世界のどこの国よりも質の高い医療が公的健康保険で受けられる日本は、それゆえ、国民医療費増加の勢いが激しく、税金投入などで保険組合や制度が破綻しないようにしている。
    だが、社会保障費全体の増加を考えると医療費の公的負担にも限度がある。そこで、高度な医療や高額の治療費などは自由診療にして、民間の医療保険を活性化してはという議論が生じる。
    本書は、そこに焦点をあて、官僚出身の院長を戴く自由診療病院、癌に関する画期的新薬を開発した製薬会社、そして、医療保険を販売する外資系保険会社がトライアングルの形でそれぞれの利益獲得を目指して過激に動く様子を描く。
    新薬投与により体に異変が生じる17歳の少女と、どう

    0
    2021年12月02日
  • デザイナーベイビー〔新版〕

    Posted by ブクログ

    ミステリーとしては、ちょっと間延びした感じ。作者は生殖医療や遺伝子操作についての将来に対する懸念を一般の人に広く知って欲しくてコレを書いたのだろうなと思う。そこの部分の解説は詳しく分かりやすく出てくるので勉強にはなるのだが、「ミステリーが読みたい!」と思って読み始めると、ちょっとミスマッチになると思う。

    0
    2025年04月12日
  • デザイナーベイビー〔新版〕

    Posted by ブクログ

     城南大学病院教授・須佐見誠二郎は、新生児室担当の助産師から、新生児がいなくなったと告げられる。新生児は大学教授の近森博と、女子大の専任講師の肩書を持つ妻・優子の間にできた初めての子だったが、実はダウン症であった。なぜ誘拐犯はわざわざ病気の新生児を連れ去ったのか、本当に誘拐目的なのか、それとも他に何か目的があるのか?

     思ったよりも話がグローバルで、捜査が海外にまでおよんでいったのは意外だった。人工授精等で、命を作り出すところまではOK、ではその命が病気だとわかっていたらどうするか、そしてもっと美人が良い、頭が良い方がいいというのは願望なのか、欲望なのか、どこまでの選別が許されるのか?倫理感

    0
    2023年09月23日