あらすじ
【NHKドラマ化】城南大学病院は衝撃に震えた。生後三日の女児が、新生児室から連れ去られたのだ。誰が、なぜ、どうやって、産まれたばかりの児を? しかも誘拐された児は病気を持っている。救出は一刻を争う。やがて院長あてに身代金要求の電話が入るが……狡猾な犯人に翻弄され、焦慮に駆られる警察。医師たちも動揺を隠せない。だが、事件はまだほんの序の口だった。さらなる衝撃が、城南大学病院を襲ったのだ! 産科医不足問題の実態を描き、社会に大きな波紋を投げかけた『ノーフォールト』、医療改革の闇をえぐった『トライアングル』の著者が、医療最前線のさらに一歩先にある危機を描いた話題作を全面改稿。
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Posted by ブクログ
ミステリーとしては、ちょっと間延びした感じ。作者は生殖医療や遺伝子操作についての将来に対する懸念を一般の人に広く知って欲しくてコレを書いたのだろうなと思う。そこの部分の解説は詳しく分かりやすく出てくるので勉強にはなるのだが、「ミステリーが読みたい!」と思って読み始めると、ちょっとミスマッチになると思う。
Posted by ブクログ
城南大学病院教授・須佐見誠二郎は、新生児室担当の助産師から、新生児がいなくなったと告げられる。新生児は大学教授の近森博と、女子大の専任講師の肩書を持つ妻・優子の間にできた初めての子だったが、実はダウン症であった。なぜ誘拐犯はわざわざ病気の新生児を連れ去ったのか、本当に誘拐目的なのか、それとも他に何か目的があるのか?
思ったよりも話がグローバルで、捜査が海外にまでおよんでいったのは意外だった。人工授精等で、命を作り出すところまではOK、ではその命が病気だとわかっていたらどうするか、そしてもっと美人が良い、頭が良い方がいいというのは願望なのか、欲望なのか、どこまでの選別が許されるのか?倫理感、問題提起作としては良いが、ミステリとして読むとうーん?という感じ。現役の医学博士が書いたものということなので、まぁそのあたりはそれなりといった感じ。ちょっと長く感じてしまった。