野島剛のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
新型コロナウィルス感染症対策で成功を収めた台湾の施策について、5月末現在での状況をもとにまとめた本書は、非常に貴重な示唆に富んでいる。
なぜ台湾は初動の水際対策でコロナの侵入を防げたのか。まずはそこが第一のポイントであった。非常に迅速かつ適切な対策は一朝一夕でできることではない。台湾は2003年のSARS対策で失敗し、その反省から防疫体制の構築を怠らなかった。また蔡英文政権が「脱中国」を標榜する民進党政権であったことも大きかった。中国を信じない、また中国の息の掛かったWHOも信じずに独自の観点からの防疫体制を構築できたこと、これが第二のポイントであった。
そして何よりも1990年代以降、台 -
Posted by ブクログ
5月末に書き上げられた本
9月になって読むと、「どうかな?」という部分も少なくない。それほどにコロナウイルスの問題は複雑で分かっていないことがまだまだ多いと知らされる。
台湾の場合は、SARSで大きな被害を受けたことが出発点になっている。日本との大きな違い。
その経験から感染予防の体制が立ち上がり、同じ轍を踏まないためとして対応がなされてきた。国民もそれをよく理解している。同時に政府からのデジタルツールを使った情報公開が優れている。(この点は日本はかなり劣る)
台湾と日本との関係の歴史も多くページを割いて触れられておりコロナウイルス問題を超えてこのあたりはありがたいと思った。
コロナの問題はま