ハンナ・ジェイミスンのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
通称セヴンの石田清美を主人公にしたノワール小説。家族を惨殺され、日本に替えることを胸に秘めながら、ロンドンに生きるセヴンが少しずつ暗黒の渦に巻き込まていく。
セヴンの目の前に現れた殺し屋マークが探偵役を務め、セヴンの家族を惨殺した犯人を突き止め、復讐を手伝うストーリーだと思ったのだが、そんな単純な物語ではなかった。
予想もしなかったセヴンの豹変と暴力描写。すっきりしない結末は続編へのプロローグなのか。
ジム・トンプスンの圧倒的なノワールとも違うし、ボストン・テランの重苦しい空気が漂う詩的なノワールとも違う。強いて言えば、深町秋生の桐咲マヤシリーズが近いだろうか。 -
Posted by ブクログ
日本人の父とイギリス人の母の間に生まれたハーフ・石田清美。しかし、イギリスで暮らしている10代の終わりに、家に帰ってくると両親が何者かに惨殺されていた。
それから数年、彼女はロンドンの酒場でオーナーの愛人として、「セブン」という名前で働いていた。
怪しげな店には、両親を殺した犯人を探そうと申し出てくる殺し屋や、ロシアンマフィアの手先などが彼女に接近してくる。
ロンドンの底辺から抜け出して、日本に帰りたい!
その思いを遂げるために、セブンは危ない橋を駆け抜けようとする…
女性が書いた、女子のノワール。セブンはまだ20代になったばかりの、行動に幼さも残る女子だが、その幼さが時には先を読まない暴走