デイヴィッド・フィンケルのレビュー一覧

  • 帰還兵はなぜ自殺するのか

    Posted by ブクログ

    軍隊における医療は、一般の医療とは性格が異なる。
    なぜなら、一般の医療の目的は病気や怪我をした人を、治療し、元の生活に戻すことが目標なのに対して、軍隊の医療の目的は、傷ついた兵隊を、また戦えるように整備し、戦闘に投入することだから。

    本書には、主にイラク戦争で戦い、肉体的、或いは精神的に負傷した兵士とその家族が、どのような日々を過ごすことになったか、兵士はどんな風に破壊されてしまったのかという記録が書かれている。

    全ての兵士が戦争に行くことによって、破壊されるわけではない。
    しかし、たまたま激しい戦闘の中に送り込まれた兵士のうちかなり多くのものは、肉体的、精神的に破壊される。
    その、破滅的

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    2016年04月30日
  • 帰還兵はなぜ自殺するのか

    Posted by ブクログ

    戦場の過酷さと共に、雄々しくあらねばという考えも、帰還兵を苦しめているように思える。助けを求めることを不名誉と思い、苦しい思いを抱えることは自分の弱さと考え、何に苦しんでいるのか語ることができない。戦争は戦場にだけあるのではないということを、ただただ兵士たちの帰還後を辿ることで突きつけてくる。
    こうやって苦しんでいるのは、アメリカ兵だけではないだろう。相対して戦ったアフガニスタンやイラクにも、今のシリアなどにも、過酷なものを抱えている人たちがたくさんいるのだろう。私たちはどうすれば、戦わずにすむのだろうか。

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    2015年12月03日
  • 帰還兵はなぜ自殺するのか

    Posted by ブクログ

    アフガン・イラクに派兵された米兵士200万人中50万人がPTSDとTBIに苦しんでおり、毎年240以上が自殺している。5人の帰還兵とその家族の日常を描写することで見えてくる、本人だけでなく家族も苦しめる障害、経済的苦境。

    タイトルと中身がちょっと違うなと思いましたが、翻訳で変えたんですね。後遺症の現状、社会的負担の大きさを知ると、次に、何故と思いますが、それを科学的に説明している本ではないので。

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    2016年05月07日
  • 帰還兵はなぜ自殺するのか

    Posted by ブクログ

    数人の帰還兵が更生する過程を描いたレポート。実際には全てが更生するわけではないが。邦題のように、なぜ〜なのかというものへの明確な答えが示されているわけではないので、どちらかというとエピソード的、だがその分リアリティに富んでおり、凄惨さが伝わってくる。

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    2015年05月24日