町田徹のレビュー一覧
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購入済み
一つの業態を深く知ること
内容は経済や企業の財務状況に対して知識がないと難しく感じられるところが多かったが、一つの業態がこれだけ複雑なのかと勉強になった。株式投資をするにあたりよく分からないものは買ってはいけないと言われるが、よく分かっているというのはこのレベルを言うのかと参考になった。
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Posted by ブクログ
JALが、なぜ破綻したのか?
という 質問に対して 明快な 切り口で 書かれている。
1章 隠れ破綻→近似値的粉飾決算
いろいろな 破綻の原因 がある中で、
貸借対照表と損益計算書から読み砕いて、
「隠れ破綻」→簿外負債や年金積み立て不足から、
実質的債務超過であると指摘をしたことに、先見の明がある。
機材関連報償額;買った機体の リベートを営業利益にいれる。
ありえないような 航空業界の慣例的会計処理。
粉飾決算に近い症状で、公認会計士が認めるとはなにごとや。
2章 都バスでかよう西松社長
財務畑で、財務を知り抜いているが、経営者らしいとは言えない。
都バスで通い、社員食堂で食べ、年収カッ -
Posted by ブクログ
経営破綻から2年8ヶ月という異例のスピードで再上場を果たしたJALを追い続けたジャーナリストによる、経営再建までを追った一冊。
最大の見所は経営破綻寸前のJALが、民主党政権下でいかに政治の玩具として弄ばれ、スピーディーな再建策の実施に移れなかったかを暴いた点にある。国土交通大臣だった前原誠司という人間のエゴがなければ、赤字幅が更に膨らむ前に手を打てていた可能性は高い点において、民主党政権のいい加減さを示す1つの具体的事例と言える。
もっとも、JALの場合は京セラの稲盛和夫氏の徹底したコスト管理を行う「アメーバ経営」指導の甲斐もあり(本部長クラスに、「予算と実績に1万円以上の差異が発生した -
Posted by ブクログ
ネタバレ再上場を果たしたJALの真相に興味を持って購入。
銀行団が送り込んだアリックス(企業再生専門の支援会社)、JAL再生タスクフォース、稲盛さんのアメーバ経営等は興味深かった。
<備忘録メモ>
「頑固者で一直線。昔ながらの経理部長タイプ」(部長時代の西松氏)
「機材関連報酬額」→営業外利益で計上
電車通勤(都バス)、役員報酬カット、役員用個室廃止
上下分離案(機材保有会社とオペレーション会社に上下分離、旧・国鉄)
財務相の思惑?(政策投資銀行の完全民営化の遅延)
DBJの追加融資の8割に政府保証(P107)
再生タスクフォース→7社・81人+5行・8人分
タスクフォースの2つの弱点 ~強制力とお -
Posted by ブクログ
行人坂は、目黒駅から目黒川に向かって歩くと通る、物凄い傾斜の坂です。
主なプレイヤーは、みずほ銀行とハゲタカファンドローンスターと目黒雅叙園です。
内容は江戸時代まで遡ってその土地にまつわる取引の歴史が書かれてますけど、現在進行形なのはみずほの融資についてです。ちなみに本書出版後に森トラストがこの土地と建物を1300億で取得したらしく、この取引にも色々な裏話がありそうです。
要約すると、ハゲタカファンドのローンスターが目黒雅叙園の経営に参画して、その債権をみずほが購入したけど、それが回収できそうにない取引額で、一体どうしたんだ?という内容です。
著者はジャーナリストなので、緻密な調査 -
Posted by ブクログ
タイトルや帯の宣伝文句からは、
ハゲタカファンドとみずほ銀行の凶行に関するルポであり、
筆者の目的とするところも、そこにあるかと思いますが…、
むしろ、
起では、江戸~明治~大正期の目黒行人坂に纏わる歴史を、
承では、昭和期の目黒雅叙園の成立~最盛~衰退の歴史を、
転では、バブル崩壊後のハゲタカファンドの凶行の数々を、
結では、平成期のハゲタカファンドとみずほ銀行の迷走を、
ルポルタージュらしく、わかりやすく簡潔に描いており…、
近代日本経済の闇に迫る実録大河小説として読んでみると、
非常に興味深く、とても面白ぃ内容でした…。
まさしく、「事実は小説より奇なり」といぅことでそぅ…。
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Posted by ブクログ
JALがどのように転落し再生を果たしたか?
実際は、転落したのではなく国策会社から抜け出せないままの「民間企業」だったこと、再生をめぐり迷走を続けたこと、再生が本物、というにはまだ判断を下せる時期に無いこと、が詳細に書かれています。
特に、政府主導の再生が二転三転したことの罪は重い。自民党政権下の有識者会議でほぼ再生の道筋がついていたところに民主党への政権交代。
前原国交相の「自民党案の白紙撤回」「タスクフォースの設置」。
一方、タスクフォースは法的な裏打ちのない組織で実力を出せず、それを補う形で引き入れた企業再生機構に追い出される形で解散。最終的には機構主導で会社更生法へ進みます。
民主党政 -
Posted by ブクログ
JALはずいぶんと政府の支援を受けてきたという新聞の論調を鵜呑みにしていたが、前原大臣の迷走ぶりなど、一筋縄では行かなかった状況を把握することができました。
また国策会社として出発してから民間会社に移行した歴史があるJALですが、破綻原因として政府の責任もあるのかなとも。
JRにしろ電力会社にしろ政策絡みの企業は、政府という最大の制約を踏まえながら、今の環境変化を睨みながらの経営を舵取りすることの難しさを感じます。真の経営状況を隠匿しようとする組織体質など。
個人的には、稲盛会長のV字回復のための具体的なアメーバ経営の手法を期待していましたが、本書であまり触れていなく、その点のみが残念でした。