大谷正のレビュー一覧
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日清戦争と言えば、日露戦争の遠因。台湾ゲット。賠償金位しか印象が無かったので手軽な新書で通史を読めるのは良いなと思って買ったのだが、まさかこんな酷いとは思わなかった(書籍がでは無く、日清戦争が)
開戦する必然性が無い。日清共に無い。にもかかわらず国内政治の行き詰まりから開戦せざるを得なくなってしまう。条約改正の行き詰まった外務大臣、強硬策を主張する民党により、政策選択の幅を失う伊藤内閣。
開戦直前に王宮を襲撃する現地派遣軍。
開戦後も暴走に次ぐ暴走の現地軍。
不正規戦に対応できず虐殺してしまう現地軍。
終戦に向けた外交を行えず、三国干渉を招く過大な要求をしてしまうとか、
そもそも講和全権使節へ -
Posted by ブクログ
日清戦争の概説。過去の類書としては、古典的存在の藤村道生『日清戦争』(岩波書店、1973年)や最近では原田敬一『日清戦争』(吉川弘文館、2008年)などの好著があるが、本書は近年の政治史・社会史・民衆運動史・軍事史の研究成果を広範に取り入れ、現時点での日清戦争研究の集大成的な内容となっている(ただし経済史的視点は落ちている)。外交・軍事の叙述が基本だが、従来の類書に比べて朝鮮の東学農民戦争の弾圧過程や旅順虐殺事件の分析に紙幅を割いていること、従軍記者・従軍画家らの戦争報道や戦記の日本社会への影響、兵事事務、義勇兵運動、戦没者追悼などを通した戦争と地域社会の関係に言及していること、特に著者が研
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Posted by ブクログ
兵への評価として明治天皇のお言葉、「その代わり随分ぎょし難し」が全て。兵ではなく実は「民」なのかも。
各々の利益、感情から「木を見て森を見ず」勝手に動く姿は、後の大戦含めて変わらない日本人像が見えてくる。
組織論として、人的資源に限りがある以上決定したことを枝葉まで徹頭徹尾遂行することは効率的に正しい。しかし、この場合コインの表裏で頭(現場を知らない)と四肢(考えない)の分断を呼び起こさないか?
どちらかといえば、四肢に否定的な著者であるが、全体的な目的を示し切れず、徹頭徹尾を導けなかった「頭」に対しての評価が逆に甘くないか?
陸奥への評価が辛い。
陸奥の失態が何を指すかわからなかった。