カール・シュミットのレビュー一覧

  • 陸と海 世界史的な考察

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    ネタバレ

    人間は陸に暮らす動物であり、大地の上で活動をする。古くからある大地、水、火、空気というエレメントの中でも、大地は人間の基盤、ものの見方、自己の観点といったものを最も強く規定するエレメントである。なぜなら、人間は海に住む魚でもなければ、空を飛ぶ鳥でもなく、ましてや火で構成される生物などではないからである。だが、人間は大地にのみ関連づけられた動物ではない。もし人間がその4つのエレメントによってあますところなく完全に規定されているのであれば、人間は魚であったり、鳥であったり、またはこれらのエレメントの規定から生まれた奇妙な混合物であるはずだからだ。当然人間はそんなことはなく、人間はその四囲の世界に解

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    2019年11月21日
  • 陸と海 世界史的な考察

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    人類の歴史を意識のレベルでの変化に注目して振り返った本。なかなか面白かった。原著ではユダヤ人の思想として記述されたところなどが、後から削除されたなどの注も興味深い。
    17世紀以降のヨーロッパにとって新大陸の与えた影響は計り知れない。不必要に贅沢になっていく。

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    2018年12月18日
  • 陸と海 世界史的な考察

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    地政学とはどういうものなんだろうと思い読んでみた。二度の空間革命により、世界の秩序が大きく変化してきた経緯など、視点として興味深い。個別の出来事がマクロな視座でみたとき、しっかりとしたストーリーが見えてくるのが面白くて、世界史をもう一回勉強しようかなとか思ってしまう。

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    2018年09月03日
  • 政治神学 主権の学説についての四章(日経BPクラシックス)

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     「主権者とは、例外状態について決定を下す者のことである。」
     非常に印象的な一文から本書は始まる。「例外状況とは、現行の法律では規定されていない状況であり、極端な緊急状況とか、国家の存立が危ぶまれる状況などとして示すことができるだけであ」る(14頁)として、正にそのような例外状況に国家の本質が示されるとして、以下、主権の問題について、これまでの主要学説を紹介しながら論じていく。
     
     ケルゼンくらいは主要著作を何冊か読んだことはあるのだが、ケルゼンのほか、クラッベ、ヴォルツェンドルフ、カウフマン、メルクルなどの説とそれに対する著者の考えが説かれている第二章「法の形式および決定の問題としての主

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    2024年03月03日
  • 陸と海 世界史的な考察

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    学生の頃に読んだ「陸と海と」の大幅改訳版。懐かしくて落手。生硬なな訳よりは理解しやすいのは良いが、意訳や評価の定まった用語などが使われていないところは残念だ。例えばp.243〜244にある、『歴史における海の権力の影響』などは、マハンによる地政学の名著である『海上権力史論』と訳すべきだ。他にもこういうの箇所が散見されるものの、かつて学生時代にはタブー視されていた学問が、広く一般に出回ることのメリットは計り知れないとも思う。

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    2018年11月25日