市川寛のレビュー一覧

  • 検事失格

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    文体が気持ちいいか、文芸として優れているかと言われればそうではない。そういう方向を目指しているのではなく、ある検事の(制約内での)罪滅ぼしといった趣。身につまされる内容だった。

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    2025年06月22日
  • 検事失格

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    佐賀市農協背任事件の主任検事を務めた筆者が事件の実態を明かす。
    自分のことを「良心を捨てた検事」と表現されているが、現代の多忙な社会の中で、「良心」を失っていることを気づかない人が多い中で、検事を辞めることで、「良心」を取り戻せたと思うと、良かったと思う。

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    2014年01月26日
  • 検事失格

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    大推薦です!検察の問題点を指摘した本は多々ありますが、類書に無い特徴をいくつか挙げます。①検察官が書いているということ。例えば村木厚子さんや佐藤優さんの著作は被告人の立場から書かれています(勿論それはそれで価値があるのですが)。この本は検察官がどのような論理と感情で捜査を行ったのかが手に取るように分かるように書かれており、冤罪の起こった理由がよく分かります。②冤罪事件以外の事件の捜査についても詳しく書かれていること。これは前半ですね。冤罪事件が起こるとニュースになりますし、起きた理由もよく論じられるのですが、特殊な事例ばかり注目されている感が否めません。この本は市川さんが担当した他の事件につい

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    2013年05月23日
  • 検事失格

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    検察・検事の世界を筆者が体験したままを記したノンフィクション。

    その世界の問題点を明らかにするとともに、
    自らの行ってきたことの反省がつづられていた。

    本当にこんなことになっているのかという内容にかなりの衝撃を受けた。
    これが発表されてからも後、その世界は変わっていくことはあるのだろうか、と。

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    2012年06月22日
  • 検事失格

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    学生時代、検察官に憧れて、司法試験の勉強をしていました。正義の為に犯罪と闘う検事の姿を想像していたのですが、無実の人を犯罪者にしかねない恐ろしい可能性を秘めた怖い仕事だと実感しました。本来あるべき検察制度の確立を望みます。

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    2013年02月09日
  • 検事失格

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    著者のやったことはもちろんよくないことだが、検事も人間なんだな、ということを感じた。不祥事に限らず、検事の世界の内幕が垣間見れて興味深く読めた。

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    2012年12月16日
  • 検事失格

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    ごく普通の人が、集団に飲み込まれて良心に背くことをしてしまうのって、本当に怖い。明らかに悪い人が悪いことをするのより怖い。これを防げれば、世の中の悪いことの四分の三ぐらいはなくなるんじゃなかろうか? どんなときでも良心を保つ教育って、できないのかな?

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    2012年12月14日
  • 検事失格

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    ネタバレ

    「私はこうして冤罪を作りました」と帯にあったが,これは嘘。
    裁判所は無罪判決を出しており,冤罪にはなっていない。
    やったことは,無理筋を通しての起訴と公判の維持である。

    読んでいて,違和感がある。主に組織の所為にしているが,自分の
    感覚をあまり疑っていないように思える。
    上司と喧嘩できない人は,検察官になってはいけない,と主張したいのかもしれない。
    中には組織の所為にして,無理に筋を通す検察官もいるのですよ
    と警告したかったのかもしれない。

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    2012年05月21日
  • 検事失格

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    元検事で佐賀農協背任事件の主任検事だった人物の著作。

    自分が取調で行った暴言等について生々しく描かれています。

    組織の内部では自分の正義を貫き通すことは困難かもしれないが、信念を失って流さるままで行くと、自分だけでなく第三者にも地獄を見せる可能性があると言うのが、検事という職の怖さですね。

    警察と違って法律の専門家である以上は、一線を越えない捜査を行っているんではないかと勝手に幻想を抱いていましたが、検察に対する見方は変わりそうです。

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    2012年04月22日
  • 検事失格

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     リアルです。まぁ,普通の人ならこうなるよね,と思う。だからこそ,そうでない人はとても貴重だし,変わらずに居て欲しいと思います。
     
     

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    2012年04月13日
  • 検事失格

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    【65冊目】かなり素直なお気持ちを綴っておられるのではないか、という印象。

    自分の理想が組織の論理に飲み込まれていく経験は、社会人ならば多かれ少なかれあると思うので、共感をもって読めるのではないだろうか。
    というか、これはそういう風に読んでほしい。「検察」という自分とは関係ない世界の話ではなく、自分が所属する組織の話として。

    あと、著者のように「不起訴」をやることがやりがいだったという検事がいたことに、少し安心。

    それから、起訴の判断って、きっとユニークなものなんだろうなぁと読んでいて思った。それは可否の判断と当為の判断がつながる世界。

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    2012年04月07日
  • 検事失格

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    人間は過ちを犯しても、それを懺悔して前に進むことができる。
    作者はとても勇気のある、尊敬することができる人間だと思った。

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    2012年03月26日
  • 検事失格

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    著者は勇気を持って本書を執筆しただろうと推測できるが、検察庁にたたきつける挑戦状…とまでは読めなかった。それだけ、組織が怖いのだろうが、あの事件はこういう訳だったんです…という同僚や世間への1冊分の言い訳ともとれる本だった。

    構成が「夢を持って職に臨んだが夢が破れ離職、新たな夢を見つけて頑張る」というのも違和感。期待していた内容とは少し違った物でした。

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    2013年02月16日
  • 検事失格

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    すべて国民は、冤罪事件の被害者となる可能性を有する。元暴言検事と呼ばれた筆者(現弁護士)が、正義を信じてなりたいと願った検事という仕事就き、そして、検察という組織の中でどのようにその正義が歪められ、事件を創作し、被疑者の自白調書という名の作文に署名させるようになったか、その経緯を告白している。
    本書で書かれていることが、真実かどうかの判断は、それぞれの読者に任せるが、昨今報道されている冤罪事件をみると、真実が書かれているのだと私は思った。
    一度冤罪事件に巻き込まれてしまったら、個人にとってはその影響はものすごく大きいと思う。それは、筆者もいまになって十分認識しており、そして冤罪事件と闘う弁護士

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    2013年01月04日
  • 検事失格

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    真面目な、真面目な男で、それゆえ不器用にすぎる生き方をしているように思う。
    検察に求められる巨悪に鉄槌を受けさせる役割は、しかしながらこのようなまじめな人物こそそれを委ねるに相応しい。
    とまれ、その真面目さに弁護士としての今後に一抹の不安を禁じ得ない。 やはり検察庁の中から組織を変えてほしかったところであるし、本書でも言及されている検察不祥事による批判的な世論も、それを後押しし得たとも思う。
    それゆえ、一回ないし複数回、被疑者に暴言を吐き、その責任をとらざるを得ず検察庁を去ったことは、やはり残念に過ぎる。

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    2012年09月29日
  • 検事失格

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     取り調べで被疑者に「ぶっ殺すぞ」と暴言を吐き,それを正直に法廷で告白したため組織に切られた不器用な元検事の弁明の書。刑訴法の理念を追求するという理想に燃えて任官した著者が,ダメになっていく様が痛々しい。
     組織のメンツにこだわって,捜査を進める以上「割れ!」(自白を引き出せ),「立てろ!」(起訴しろ)とまくしたてる雰囲気が検察には蔓延しているという。それに内部から抗うのは難しいだろう。特に,後輩検事にまで「検事やめたらどうですか」と言われてしまう著者のような弱い人間には厳しい。
     辞職のきっかけとなった捜査は,佐賀地検時代の農協背任事件。主任である著者は蚊帳の外で,権力欲の強い上司が実質的に

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    2012年08月28日
  • 検事失格

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    検察に限らず組織運営の難しさを示す一冊。巨大で大きな力を持つ組織が所属する人間を歪め暴走させる過程がよく見える。著者の行いはこのような事情をもって正当化することはできないが、同じ問題に対処するためには、組織の論理に穴をあける仕組みが必要だと思う。法曹を目指すなら読んでみて欲しい。

    以上は1年半前の感想。今改めて考えてみると、当時の組織の問題も大きかったように思うが、著者固有の問題も相当に大きいと見るべきだったようにも感じる。評価が難しい。

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    2013年12月05日