ささきすばるのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
全ページカラーの贅沢な文庫。
森博嗣の奥様のささきすばる氏がイラストを担当。もう、それだけでひとつの世界が創りあげられていて、涙が出そうです。
一度読んだら消えてしまうお話、というのが、とてもロマンチック。でも、ただ甘いだけじゃない、ただロマンチックなだけじゃない。
非現実的でいてとても自分に近いような、自分の側にいるひとが一番遠く感じるような。相対するはずのものを含有した世界観は、森博嗣独特のものなのかなと思う。
ひとつのレーベルに甘んじることのない、複雑そうにみえて、「ただそのままで在る」というとてもシンプルな佇まいは、文章から香ってきそう。
楽しい時間を過ごせます。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ最初みたとき絵本かと思った。
薄いし挿絵もたくさん載っていたから。
だけど読んでみると詩集だということがわかる。
森博嗣の詩はどれも深いものばかりだった。
その中でもピンッときたものだけ書いておく。
『僕は一生懸命走った』
弱虫ペダルに変換して読んだけど少し悲しくなる最後だった。
「もう走っていないことが、少し寂しいんじゃないかな。」
大人になって年をとって、走れなくなった時、みんなはこう思うんじゃないかな?
『練習』
面白いと思ったし深いとも思った。
人生で練習なんてできない。一度間違えればもうそこで終わりじゃないか!と思った。
『汚染』
自殺をしようとしている男が先生と呼ぶ人に向けて送った -
Posted by ブクログ
最近読書をするテンションになれない為、そのリハビリになるような何かをと探していた時に偶然目にした作品です。まずそのタイトルに釘づけ。王子と猫て!きんきちゃんファンとして避けては通れなかったのさ。ご覧の通り装丁の素敵さも気に入り、我が家へと連れ帰りました。
短編集・・・と言うよりは散文集や詩集って言った方がしっくりくるかも。無邪気で残酷な文章が多数綴られているのですが、わたし個人としましては文章よりも寧ろそのイラストが印象的な作品です。どれもこれも甲乙つけがたい程に素敵。色彩豊かであるにもかかわらず、決して毒々しくなく、恐いくらいに静かな印象を受けました。ささきすばるさんは森博嗣さんの奥様だそう -
Posted by ブクログ
"一度しか読むことができない物語を旅する悪戯王子と猫。彼らが出逢う20の物語は、ときには優しくときには残酷、ロマンティックでしかもリアリスティック。無垢と頽廃を同時に内在する、ささきすばるのイラストと、詩的な森博嗣の文章とが呼応し、次々と展開するイメージ。観念の世界を揺蕩う大人のための絵本。"
森博嗣・ささきすばる夫妻の初コラボレート作品。絵本というよりは、小説と詩の中間の文章に挿絵がついているといった印象です。文章とイラストが絶妙にマッチしており、2者が作品世界をより崇高なものにしています。物語の内容は哀愁を感じるものからクスッとくるものまで幅広くありますが、全体的に儚い