山口敬之のレビュー一覧
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野党は無策で、自民党内にもポスト安倍はいない。もはや国内では敵無しとなった安倍長期政権の次の目標は外交だ。
本書は外務省に頼らない、総理自らが直接指示する安倍外交の分析に多くのページを費やしている。そして、安倍外交の最重要ターゲットがトランプ大統領だ。
トランプの大統領就任前にいち早く面会し、良好な関係を築き上げた安倍総理は在日米軍問題や対北朝鮮問題の解決を狙う。これぞ、安倍総理が保守政治家として期待されていることだが、その結果、親安倍派はますます安倍総理を応援し、反安倍派はますます攻撃を強める。
安倍総理としては、自身の評価が2極化することを覚悟の上で、政権の総決算に挑んでいる。その最 -
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衆議院が解散されたことをきっかけに、暫く積ん読だった本書を手に取った。政治家の当時の判断や発言、その場の雰囲気が書かれており、非常に面白かった!
特に印象に残ったのは、これからの宰相には、国家運営の主要分野を網羅した、矛盾やごまかしのない国家の形を絵に描いて見せる能力が必要である、という指摘だ。
この主張には大いに賛成だ。これまで単一の問題にYESかNOで答える質問が選挙の争点になる度に、争点にするべきは本当にそれだけなの?都合のいいところだけを切り取ってないか?と疑念を持っていた。通常のビジネスの場では、賛否を聞かれた際に、それぞれの選択肢のメリット・デメリットは何か?、争点はそれだけか他に -
ネタバレ 購入済み
今となっては・・・。
2023年7月読了。
ずっと積ん読状態だったので、この際と思い一気に読了。
安倍さんへの敬意とその功績を讃えたい。
それにしても、故人も「回顧録」で話しておられたが、日本の外務省と云うのは、「真に日本の国益」を考えているとは到底思えない。財務省や厚労省等と同様、「任期が来たら居なくなる様な政治家等に聞く耳は持たず、自分達の省益のを追い求める」だけの集団であり、正に「税金泥棒」ではないかと、本当に腹が立った。
安倍さんのように、それを承知で各省と闘いながら政治を進めて行けるだけの強い意志を持った政治家が、今後表れるのかどうか、薄~く期待して待つしかないだろう。
少なくとも、現在の岸田首相 -
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ネタバレ4
安倍政権を巡る人間模様や決断の内情、政局記者のジャーナリズムの在り方について問う一冊。安倍、麻生、管の結び付きややり取りの一場面がよくわかり面白い。海上保安庁長官の生抜き登用など、官僚の抵抗具合の計算も含めた根回し・準備といった管の人事術。安倍と麻生の共通点。楽天的で逆境に強い。安倍の国家観「誇りを持てる国づくり」。安倍の最も肝に銘じていること「人事において情に流されないこと」。政権人事や増税の際の記者を介してのやり取りは興味深い。安倍達に原稿も見せてないし書いていいかも訊いてないことを踏まえれば、肉薄と不適切の境界については結局バランスのとれる記者のみが携わるべきなのだろう。
本書の第 -
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前作「総理」に続く、安倍首相の言動を傍から描いたものである。前作は自ら見聞きした場面が多かったが、今回は必ずしもそうではないように読める。
今回は、トランプ大統領誕生の2016年秋からの話で、トランプ大統領との関係、外務省との関係、プーチン大統領との交渉など、外交が中心である。
安倍首相に関しての記事は、悪口や難癖しか見当たらず、政治の現場の実態が全く分からないのが現状である。本書のような裏話は、同時進行でなくても、新聞や雑誌での解説記事なりで読みたいと思う。それが出てこないのは、マスコミの記者の取材力や考察力不足なのか、思い込みでしか書けないからなのだろうか。
他には期待できないので -
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「総理」に次ぐ山口敬之さんの2作目、
変わらずの高クオリティ、圧巻のルポルタージュ
トランプが泡沫候補と蔑まれていた2016年早春からトランプ陣営へのアプローチしていた経緯が
端的に記させている
佐々江大使、森局長、河井補佐官のレンガを積むような地道な事前活動、
そうして得た ウィルバー・ソロス、マイケル・フリン、ピーター・ナヴァロとの直パス!
就任前のトランプとの面談は、一朝一夕でやったものじゃなくて 総理の国家観に基づく緻密な事前準備が成し得たもの
外務省との暗闘ヒストリーも息をのむ程で、
米朝韓におもねて国益よりも省益を優先した外務官僚の面々、
河野談話を主導した谷野作太郎、
北交渉 -
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前作「総理」に続く山口敬之氏の政治ノンフィクション。今回は外交を中心に安倍総理の影なる戦いを描く。
トランプ大統領との関係性構築の為に動いた裏方の人物、プーチン大統領との会談における実質的な成果、外務省との内なる戦い、韓国との付き合い方などなど。新聞やテレビだけでは知れない闘いがリアリティを持って描かれている。
曲者揃いの海外リーダーと渡り合って行くには今の所安倍総理しか居ないんじゃないかと思わざるを得ない。
野党も大阪の小学校の問題で責めるばかりじゃなくて、将来の日本の姿を語ってほしい。今政権取って日本をどうしたいかが全然見えない。
しばらくは安倍政権に頑張ってもらわないと、思わせる本であっ