澤田康幸のレビュー一覧

  • 善意で貧困はなくせるのか?――貧乏人の行動経済学

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    開発経済学に関して、数式や経済学の理論などを用いずに文章で明快に解説されていて、初学者でも読みやすい内容だった。
    日常や仕事においても考え方が応用できそうな内容ばかりだったので、困難にぶつかった時はまた読み返したい。

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    2020年08月29日
  • 善意で貧困はなくせるのか?――貧乏人の行動経済学

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    タイトルへの答えを言えば、”No”だろう。ビジネスの世界では、これから導入しようとする戦略などがどれほど有効か、効果があるのかよく吟味した上で実行されるが、開発の世界となるととにかくいいことだからやってみるということが多く、それでは本当に効果のある開発は行えないと指摘する。また、貧困国にくらす彼らも我々と同じ人間であり、マーケティングや心理学的な考え方をしなければならないということがよくわかった。新開発経済学3部作のほかの2作も読むことにする。

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    2014年04月05日
  • 善意で貧困はなくせるのか?――貧乏人の行動経済学

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    現代には国際的な援助プロジェクトがさまざまに林立していて、それぞれが支援を求めています。ただ、営利団体と違って、こういった団体・プログラムが自らに課している評価や検証は甘いケースが多いので、その援助が実際に貧困層にどのような影響を与えるのか、投資対効果はどうか、持続可能なものなのか、そういったことを精査し続ける必要性を強く訴えた1冊。

    医療の分野でよく使用されているRCT(ランダム化比較実験)の手法を用いて、支援をしたグループと何もしていないグループを比較することで効果測定します。「こうすれば、きっとこういう効果が得られるから投資しよう」という安易な”善意”ではなく、現実世界できちんと実験し

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    2013年09月08日
  • 善意で貧困はなくせるのか?――貧乏人の行動経済学

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    行動経済学の本。
    求めてい内容よりややエッセー風だったけれども、それによって行動経済学への印象が柔らかいものへと変わった。

    「善意」は貧困をなくす必要条件だけど十分条件ではないということを再認識した。

    マクロファイナンスの内容が多めなので、それの実例を知る本としては優れているかも。

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    2019年11月15日
  • 善意で貧困はなくせるのか?――貧乏人の行動経済学

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    開発における実践的な行動経済学を平易な文章で解説する。とても多くの示唆を与えてくれる。貧乏人の経済学とともにおすすめ。

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    2017年01月12日
  • 善意で貧困はなくせるのか?――貧乏人の行動経済学

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    行動経済学の見地から途上国の貧困問題を取り扱っている一般人向けの入門書。難解な式はなく、事例が豊富で分かりやすい。タイトル以上に経済学。各分野の言及もあるけど、とくにマイクロファイナンスが多かった。「人間は理性的」から出発しない行動経済学は面白そう。
    澤田教授の解説も分かりやすい。日本のODAについても触れてくれている。彼によると、日本は保健教育で寄生虫対策をしているとのこと。現場で実績があるのですね。

    全編を通して、援助の効果を測ろうと訴えている。「大事なのは貧しい人たちの役立つようになったかどうか。貧困問題で本当に前進したいのなら、定量化可能な実証済みの方法で改善し、その改善を同じ手順を

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    2016年02月05日
  • 善意で貧困はなくせるのか?――貧乏人の行動経済学

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    善意で貧困をなくせるのかー。よくユニセフの寄付募集など目にするが、貧困な人々が求めている支援、実情と支援側の思いにかなりの隔たりがあり考えさせられた。もちろん、金銭的援助によって解決することもあるが、善意で貧困をなくすことは、現実的には難しく本質的に必要なことを見極めることが大切と実感した。

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    2015年07月12日
  • 善意で貧困はなくせるのか?――貧乏人の行動経済学

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    開発経済学、という初めての分野の本でした(あとがきで初めてわかりました)

    今まで、募金とかうさんくさい、と思ってなんとなく敬遠していた節があるのですが、貧困という状況をクリアに定義し、かつその状況がいかによりよく改善されうるか、ということがとても平易に記されていました。

    この本の題名に一旦の回答を自分なりに文章にすると、No、ということになるのだと理解しました。

    善意は貧困を救うためのキーファクターであることは確かであり、必要条件である、ということでしょう。
    ただし、十分条件ではない。善意があれば貧困が解決できるわけではない、ということを腹落ちさせておくことが、より本来の意味で貧困という

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    2013年03月05日
  • 善意で貧困はなくせるのか?――貧乏人の行動経済学

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    ネタバレ

    行動経済学ってこういう感じなのか。

    う~~ん。

    なんか、結論としてはよく言われる能力の輪の範疇でお金を儲けて、それを寄付するのがよきってないようだったね。

    人の行動が変わらんのは、惰性とかサンクコスト的な部分で新しいことをしないからってのはよくわかった。

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    2019年09月08日
  • 善意で貧困はなくせるのか?――貧乏人の行動経済学

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    タイトルが格好良すぎ。間違いなくこの分野は行動経済学が必要である。
    解説によると、開発経済学の一般向け入門書、新三部作として紹介している。
    この分野ではグラミン銀行創始者のユヌス氏が有名だが、本文中でのユヌス氏の言への反論が本書の主張を代表している。
    ユヌス氏は以下の通り言ったという。
    「私は、すべての人は生まれながらのスキルを持っていると固く信じている。私はそれを生き残るためのスキルと呼ぶ。貧しい人たちがいま生きていることが、彼らの能力をはっきりと証明している。彼らは私たちから生き残る方法を教わる必要などない。もう知っているのだ。だから私たちは、彼らに新しいスキルを教えようとして時間を無駄に

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    2021年08月08日
  • 善意で貧困はなくせるのか?――貧乏人の行動経済学

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    ネタバレ

    表紙に、貧乏人の行動経済学とあるが、内容は著者の実証実験のまとめ。
    途上国の子供に制服を無償で付与すると、登校率は上がるのか?(まともな服を持っていない家庭の子供ならば有効な施策らしい)
    学校に来ると現金給付金という意味で親にお金を渡すと登校率は上がるのか?(一定の効果あり)
    こういった実証実験を紹介してくれている。

    惰性。現状維持が持つ抗いがたい力。禁煙然り、貯金然り。
    この力が貧しさ脱却の妨げになっているというのは面白い見方だった。
    祖先から代々引き継いできた農業方法を今も同じ方法で行っているのは、惰性であると。
    鋤や鍬を使い労働力を以て生産する方法が惰性であるならば、村の有力者に現代の

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    2017年01月07日
  • 善意で貧困はなくせるのか?――貧乏人の行動経済学

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    ネタバレ

    ぉー、これも完全に登録忘れてた。

    もっと援助哲学的な話かと思ったら…このタイトルの意味は、もっとプロジェクトの効果の検証をしっかりしなさい、RCTは素晴らしい、というものでした。想定外でちょっと拍子抜け。しかも、何やら開発世界に関係のない人向けに書かれた本なので、開発学の、特に研究や評価などに慣れ親しんだ人にはちょっと物足りないのかも。

    だけど、その分さくっと読めて、具体例を知ることはできるので、良いかな。
    例えば、マイクロファイナンスはもてはやされているけれども、よくよく検証すると、マイクロファイナンス自体よりもそもそも貯金の方が効果があるかもしれないという示唆があったり。グループ連帯責

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    2017年01月12日
  • 善意で貧困はなくせるのか?――貧乏人の行動経済学

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    ややタイトル詐欺。善意はあんまり関係ない。
    途上国、貧困層に対する援助やその評価方法に行動経済学といわれる関わり方が変革をもたらしている。そんな状況を解説している本。

    貧困層の行動原理はどのようになっているか。それは変えるべきか。どうすれば変えられるか。もっと効率の良い方法は。
    実際に現場で活動してきた著者達だけあって理屈が通ってるだけで満足せずやってみよう観測してみようというという態度が一貫している。
    「なにがうまくいって、なにがだめなのか」を社会実験ではっきり実証している点が単なる援助と一線を画している。

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    2013年07月06日
  • 善意で貧困はなくせるのか?――貧乏人の行動経済学

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    開発経済学の分野は急速に発展し、今や、経済学のトップフィールドになっている、という。
    M.I.T.やハーヴァードやイエールなどでも、経済学博士課程の学生の中で最も人気のある研究分野のひとつになってるんだって。
    知らなかった・・・・。

    この分野が人気を集める理由としては
    社会実験による科学的証拠(エビデンス)に基づいた政策形成という大きな潮流が経済学全体に出現したことによる。
    その中核をなす分析の手法は
    医療分野の臨床治験の考え方を応用したランダム化比較試験と呼ばれる厳密な社会実験の手法。p315

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    2013年05月03日