横山貞子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ナチス占領下のデンマーク時代に書かれた
11の短編集
ヘミングウェイに自分よりノーベル賞に
相応しいと言わしめた作家
絵画を彷彿とする装丁は、
内容にもよく合ってた
時に戦争時の話、
時に幻想的な話、
時に北欧神話の神々になぞらえ、
北欧の厳冬や大自然が
叙情的で詩的な表現で著されていた
慣習や支配に抗う、又は自由を求めるような
話が多かったように思えた
それは本書がナチス占領下に書かれたのにも
起因するのかもしれない
印象に残った話としては、
「女の英雄」
よくこれ、出版できたなと
ナチスは検閲しなかったのかな?
「夢を見る子」
起承転結に時の流れ、
北欧神話にキリスト教の例え、 -
Posted by ブクログ
100年ほど前のデンマークの冬は厳しかったに違いない。
厳しさに比例するかのように、冬景色にきらきらと美しい物語が紡がれている。
表紙に描かれた絵は、短編集のイメージが書かれているので、読書の途中で表紙を見ると物語の中に迷い込んだようだ。
現代のミステリー小説を読みなれた目には、物語の展開が少しゆったりと感じるかもしれない。しかし、最初のごく短い一遍で、たちまち物語の中に引き込まれてしまう。
各々の短編はそれぞれに違う世界が書かれているが、それぞれに美しい人々の、美しい物語を味わうことができる。特に『ペーターとローサ』は小説でしか表現できないだろうな、と強く思う。