横山貞子のレビュー一覧

  • 冬の物語

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    「冬の物語」というタイトルがぴったりな11の物語の短編集。装丁も綺麗。
    「バベットの晩餐会」繋がりで購入。
    気に入った作家さんは一通りの作品を読むスタイル。

    デンマークの景色を想像しながら読んだ。
    出てくる固有名詞も異国情緒を誘う。

    すんなり読めなかった短編もあったので、またしばらくしたら再読したい。

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    2021年11月10日
  • 冬の物語

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    「冬の物語」(イサク・ディネセン : 横山貞子 訳)を読んだ。
    しみじみと味わい深い短編集です。
    物語の揺らぎに身を委ね、ゆっくりと深く深く言葉の大海に沈んでいく快感に身悶える。
    北欧のひんやりと透き通った空気の匂いが漂ってくるのは翻訳の横山貞子さんの技に依るのでしょうか。

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    2019年09月24日
  • 冬の物語

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    ネタバレ

    11話からなる短編集。

    どの話も印象深くて好み。「少年水夫の話」がすごく良かった。
    危険を顧みずハヤブサを助けた少年は数年後、はずみから殺人を犯してしまう。小さな恋に満足し、このまま死んでもいいとさえ思った少年の元に、いつかのハヤブサが恩を返しにやってきた。

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    2016年01月25日
  • 冬の物語

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    ナチス占領下のデンマーク時代に書かれた
    11の短編集

    ヘミングウェイに自分よりノーベル賞に
    相応しいと言わしめた作家

    絵画を彷彿とする装丁は、
    内容にもよく合ってた

    時に戦争時の話、
    時に幻想的な話、
    時に北欧神話の神々になぞらえ、
    北欧の厳冬や大自然が
    叙情的で詩的な表現で著されていた

    慣習や支配に抗う、又は自由を求めるような
    話が多かったように思えた
    それは本書がナチス占領下に書かれたのにも
    起因するのかもしれない

    印象に残った話としては、
    「女の英雄」
    よくこれ、出版できたなと
    ナチスは検閲しなかったのかな?

    「夢を見る子」
    起承転結に時の流れ、
    北欧神話にキリスト教の例え、

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    2025年12月03日
  • 冬の物語

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    静けさの中にゾクリとした破片が散りばめられていて、うっかり通り過ぎ、引き返して確かめる(二度読み)。それは雪に埋もれた何かの死体のようであり、触れた瞬間に毒素と臭気に取り囲まれ、既に以前の自分ではなくなっている。あら、別に恐ろしい話ばかりでないわよ。おとぎ話のように普通に奇跡が起こって、なにくわぬ顔で皆受け入れてるわよ。その静かさ、重さがオリジナルな感じ。デンマークの人で、結婚して農園やってて辞めてから執筆開始したらしく、硬貨になってるそうだ。また読んでみたい。男性名だが女性という、捜しにくそうだけども。

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    2020年12月26日
  • 冬の物語

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    ネタバレ

    大人が味わうおとぎ話のような印象をもちました。北欧の冬はきっと厳しいのでしょう。「ペーターとローサ」の結末はおそらくそうなるだろうなと想いながら読んでいたのですが、本当にそのとおりになったので、驚いてしまいました。悲しい結末です。

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    2017年04月16日
  • 冬の物語

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    100年ほど前のデンマークの冬は厳しかったに違いない。
    厳しさに比例するかのように、冬景色にきらきらと美しい物語が紡がれている。
    表紙に描かれた絵は、短編集のイメージが書かれているので、読書の途中で表紙を見ると物語の中に迷い込んだようだ。

    現代のミステリー小説を読みなれた目には、物語の展開が少しゆったりと感じるかもしれない。しかし、最初のごく短い一遍で、たちまち物語の中に引き込まれてしまう。
    各々の短編はそれぞれに違う世界が書かれているが、それぞれに美しい人々の、美しい物語を味わうことができる。特に『ペーターとローサ』は小説でしか表現できないだろうな、と強く思う。

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    2016年02月14日