レイ セレスティンのレビュー一覧
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世界レベルの新人作家というのは凄いものである。本書はCWA(英国推理作家協会)賞の最優秀新人賞受賞作であるが、ここまで凝りに凝った力作を書けるかと思うと、そのレベルの高さ、スケールの大きさに気が遠くなる。
舞台は1919年、第一次大戦後のニューオーリンズであるが、この南部にあってプチ・フランスでもある奇妙なジャズの街は、同時にこの作品の本当の主人公でもある。それほどまでに当時よりジャズが鳴り響いていたこの街の活気は、人間臭く、そしてその裏にある時代の闇は深くどす黒い。
しかもここで取り上げられた題材は、実際に1918年から1919年にかけて起こったアックスマン事件である。そして新聞に -
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ハリケーンが迫りくるニューオーリンズの街を舞台に、連続殺人鬼を追う三組の探偵役の活躍を描く長篇ミステリ。時は1918年、ジャズ発祥の地であるニューオーリンズでは、アックスマンと名のる斧を使った殺人犯による連続殺人が起き、市民は恐怖に震えていた。ジャズが好きなアックスマンは新聞社に宛てて犯行予告を送り、その時刻にジャズが演奏されている家は見逃す、と書いていた。当時、流行の兆しを見せていたこともあり、ジャズを演奏させるレストランが続出しバンド・メンバーは大忙し。怖いもの見たさで街に繰り出す酔狂な連中で街はマルディグラの狂騒状態に陥る。
アイルランド系の刑事マイクルは、アックスマン事件の捜査で指揮