小坂井敏晶のレビュー一覧

  • 増補 民族という虚構
    個人ー集合を連続させるものとして、人間という生きものの思考や認識の仕方そのものなどから、「虚構」といういわばシステムを洗い出し、ひとつずつ紐解いてゆく論著に感じた。人間存在の目は生まれつき脳によって「事実と異なってもその前後と連続する記憶」と事実をすり替えやすい構造を待ち、さらには育った集合によって...続きを読む
  • 答えのない世界を生きる
    自分の頭で考え自分の言葉で話すこと、価値観の崩壊を恐れないこと、多面的にものごとを捉えるようにすること
    人生を考え直す良いきっかけとなりました
    人とたくさん議論を交わせるようにしていきたいです
  • 社会心理学講義 ──<閉ざされた社会>と<開かれた社会>
    同一性と変化という観点を通して人間とは何かという問いについて考察される書とのこと。いくつかの書籍で引用されており、前から気になっていた本。
    社会、人間についての理解を深め、今後の人生に活かすべく読書。

    メモ
    ・客観性の追求は主観性の絶え間ない相対化の努力に支えられる。

    ・自分がしなくても他の人が...続きを読む
  • 答えのない世界を生きる
    第一章に記された「自分の頭で考えるためには、どうしたらよいか。専門用語を避けて平易な言葉で語る。これが第一歩だ。」という一文、
    また第二章の「思考枠を感情が変える」の内容全体、
    これらが、日常の忙しさにかまけて、早く(安易に)回答を知りたがる自分にとって、とても印象深いメッセージになりました。「うむ...続きを読む
  • 答えのない世界を生きる
    根本論の話であり、非常に興味深く面白い一冊。

    メモ
    ・勉強は知識の蓄積ではなく、壊すことの方が大切。慣れた思考枠を見直す。
    ・異質なぶつかり合いを通して矛盾に気づく。矛盾との格闘から新しい着想が生まれる。矛盾や対立がなければ常識を見直す躍動は起きない。
    ☆他人との比較で考えている時点で、そもそも独...続きを読む
  • 増補 責任という虚構
    べき論も倫理も道徳も「人間の現実から目を背けて祈りを捧げているだけ」の「雨乞いの踊り」にすぎない

    ブラックボックスの最後の扉を開けたとき、内部ではなく外部につながる逆転の位相幾何学
    虚構の物語

    近代における神の代役
    個人の内部に宿る「とされる」自由意志
  • 増補 民族という虚構
    全て飲み込めてないが、ひとまず
    私の卒論の結論と、重なるところがあって、運命だーと思って、引用するー
    私たぶんこの方の本好きそう。面白い!
  • 増補 責任という虚構
    正直長いし、読むのに時間をかけすぎた。むしろ尾崎さんの解説が端的にまとめられていてわかりやすかった。ナチスの実験はなかなかに興味深かった。
    責任が分散化されると所在が曖昧になる、というのは今も便利に使用されている。
    線を引きながら読んだので、時間をあけてから再読したい。
  • 増補 責任という虚構
    責任を根拠付ける自由意志は存在するのか、虚構とは何を意味するのか。著者は実証科学の知見に従いながら、丹念に規範論に挑戦していく。文庫版に補考が加筆され、著者の問題意識がより明確に示されたのは、本作全体を理解する上で大変助けになった。
  • 社会心理学講義 ──<閉ざされた社会>と<開かれた社会>
    私の貧相なボキャブラリーでは、すごい本としかいえない。
    また、今年中に読みたい。
    以下、気になったことば。

    常識を、理論に1人歩きさせる余裕が大切。
    大切なのは答えよりも問い。
    異質性多様性を受けてめる訓練が人文学。
    理論から始める、事実からではなく。
    社会が個人の選択を誘導する。
    結果があり、そ...続きを読む
  • 神の亡霊 近代という物語
    2020年度の東京大学の入試問題で取り上げられた文章が入っている本。骨のある文章だが、上級生にとっては物足りないと感じる本かもしれない。著者とは異なる専門領域を学ぶ筆者でこうなのだから、哲学や政治学等を学んでいる上級生にとっては簡単すぎる内容だと推測される。大学2年生までに読んでおくのがいい。
  • 増補 民族という虚構
    民族紛争や平和構築の分野に興味があり、そもそも民族とは何なのか、といったところから手に取った書籍。

    民族とは主観的範疇であり、また、民族への同一性は「自らの中心部分を守っている感覚」であるという論旨は興味深く、勉強になった。
    一つの都市に二つの民族が同居し生活区域から学校まで別々である地域に訪ねた...続きを読む
  • 答えのない世界を生きる
    『責任という虚構』を読み、小坂井氏の考えに強く惹かれて読むに至った、2冊目。

    『責任という虚構』に比べると論旨は散逸しているが、第二部、小坂井氏のアルジェリアやフランスでの悩みや苦労話は、彼の考えを理解するにあたって大変興味深かった。
    自分も海外での生活及び留学を経験したことがあるため、小坂井氏の...続きを読む
  • 答えのない世界を生きる
    良著。

    第六章は「何がしたいのか、何ができるのか、何をすべきか」。
    割と頻繁に頭をかすめる問題。
    全く考えがまとまることなく、そのままにしてしまって日々を過ごしてしまっているが。
    著者は、どうそこに向かい合ってきたか、ということを記している。

    終章は「異邦人のまなざし」。
    具体的にどうした属性が...続きを読む
  • 答えのない世界を生きる
    p3 世界から答えが消え去った。〜<正しさ>を定める源泉は、もはや失われた。
    p4 遠くから眺めるか近づいて凝視するかによって、世界は異なる姿を現す。しかし〜異邦人という位置〜遠くにあると同時に近いところ〜境界的視野に現れる世界
    p8 「答えのない世界に生きる」これは、混沌とする社会に生きながらも答...続きを読む
  • 社会心理学講義 ──<閉ざされた社会>と<開かれた社会>
    悪とは何か?
    その根拠を永遠に辿っていくと、不変で普遍的な答えがないことに気付く。人間の行動に科学的な考察を施し普遍的な法則を求める社会心理学。その現状を示す。

    何故か最近哲学っぽい書籍を偶然にも続けて読んでいる。合理的だけでは人間社会は成り立たない。虚構性があるからこそ人間社会は成り立っている。...続きを読む
  • 答えのない世界を生きる
    どうして自分にとってという志向・思考がそこまで重要になるのかがわかるように書いてくれるとありがたいんだが。こりゃ生きずらい話になりそうで、しんどい。
  • 社会心理学講義 ──<閉ざされた社会>と<開かれた社会>
    ライフネット生命の出口会長のお薦めの書。社会心理学講義と言いながら、著者は、「本書は社会心理学を俯瞰する教科書ではありません。人間を理解するためには、どのような角度からアプローチすべきか。それを示唆するのが本書の目的です。」と言っている。哲学・社会学・心理学・文化人類学・経済学・大脳生理学・進化論な...続きを読む
  • 社会心理学講義 ──<閉ざされた社会>と<開かれた社会>
    あまりに学会よりに読めてしまい、面白くはない。が、例示や引用の幅広さや解説の快刀乱麻のごときは爽快。飛ばし読みだったので購入候補。
  • 社会心理学講義 ──<閉ざされた社会>と<開かれた社会>
    出口さんが絶賛していたので、読んでみたが、次から次へとモヤモヤ続き。まさに講義という言葉が当てはまる。読みながら、考えさせられた。差別が異質性からではなく、同質性から生まれるという話は、目から鱗。