現代アートだなぁ。
増田セバスチャンというアーティストのノンフィクションなのだが、なぜここまで身を削るのかと緊張する。
しかしながら、己のトラウマが代償行為で解決すると思っていると、誰かにそのトラウマを引き継いでしまう。負の遺産のスパイラルになるのだろうな、と感じる。
ただ、子孫を残さないとしても、本人の生き方で他者に引き継がれるものがあるわけで、アーティストは自覚的ではないと怖いものなんだな、と思った。
あと、文庫版のあとがきに、元々の本を出した後、離れていった人がいるというけれども、当たり前である。血を吐くような本。