兒嶋みなこのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ面白かった。読んでいるうちに深夜になってしまって中断したものの気になってなかなか寝付けなかった。
翻訳物は文章のリズムや言葉選びの感覚が翻訳者の方と合わないと読みづらいのだけど、するすると水のように入ってきて自分に合っていたし、なにより作品の雰囲気が軽快で、特に緊迫したシーンからそれぞれ解放されたあとのキティとラドクリフのやり取りには本当にドキドキした。
キティとジェインの年齢差、ラドクリフとアメリアの年齢差が同じで、キティとラドクリフは性別も立場も背負うものはそれぞれに異なれど、兄弟・姉妹の一番上というのは下から見れば親よりも近い親代わりのようで、19世紀のイングランドではより顕著だっただろうなと思う。
それぞれ登場人物がとても表情豊かで面白い。が、中でも5人姉妹の父は一番子どもだったのでは?
駆け落ちして5人も子どもがいるのに元の世界を忘れられずに借金をこさえ、酒の過ちで娘の婚約者家族に妻の素性をもらし、あげく自分はさっさと旅立ってしまうって…20年近くあったどこかで親になるタイミングなかったの?言い出すとお話が始まらないけども。
キティとラドクリフのその後、アーチーが大人になれるのか、ドロシーとミスター・フレッチャーの結婚生活は、そしてセシーとロード・モンタギューの恋の行方(モンタギュー家と見ると違う悲恋が浮かんでしまう)などなど、しばらく余韻にひたれる素敵な作品だった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ面白かったー!
止まらなくなって食事も後回し、生活に支障をきたした。
表紙やタイトルの可愛らしさから、主人公のキャラやストーリーもお茶目な感じを想像したら…「現実、食べてくのはそんな甘くないんだよ!」と、すぐに平手打ちを喰らった気分に。
ロマンス小説だから、ラドクリフと結ばれるだろうと予想しながら、え、でもこの取り返しつかない険悪さからどうそうなるの…??ってなった。
キティが弱味を握ったラドクリフを「心配することなく率直に話せるただひとりの相手」としたのが見事で、口論を通して違いを認め合って信頼するまでの自然な流れと説得力、リアルさがすごい。
あーラドクリフ格好いい。伝わる。
見なくても分かるやつ。 -
Posted by ブクログ
冒頭で婚約破棄される展開はなろう系だけど、『高慢と偏見』の本格オマージュ作品。
婚約破棄される展開のその後の行動が素晴らしく機転が利き、家族のために形振りかわまず上流階級に乗り込むキティの不屈の物語。
彼女の大胆さや強さも爽快でした。
とにかく主人公キティの家族愛と婚活への自己犠牲と葛藤、意欲と有言実行能力の高さに惚れ惚れする作品。
キティの能力と度胸も凄いし、ヒーローのラドクリフ伯も嫌味なく男前で、キティに振り回されている姿は可愛くすらあって楽しめました。
読書垢で絶賛されていた作品で、確かに良質な読書体験時間を提供してくれました。
オススメです! -
帯の文句に惹かれて
オースティン、大好きなので、まんまと紙書籍を即買いw
作者さん、熱烈なオースティンファンなんでしょうね、見事な本歌取り?オマージュ?でした!
現代風に、難しいことは取っ払って、誰でも読みやすいようにアレンジした感じです。
ヒーローだけでなく、ヒロインも大活躍しちゃうのも、とても今風w
結末はわかりきっていても、そこまでのこの過程こそが醍醐味。
あぁ...TVドラマor映画化されないかしら...
思いっ切り現実逃避出来ました!
さて、お気に入りのシーンを、また読み直しましょ♪ -
Posted by ブクログ
ネタバレロンドンの上流社会に斬り込んでいくキティの様がとにかく痛快だった。一方で家族をひたすらに愛しているが故の苦悩だったり、自分自身の犠牲だったりの心情も繊細に描かれていた。
最悪の形で出会った伯爵、味方になる人、去っていく人々…どの登場人物との会話も鮮やかに繰り広げられていた。テンポの良いやり取りをずっと見ていたい気持ちになった。愛すべき登場人物が沢山出てくるので、一人ひとりがこれからどうなっていくのかも、とても気になる。
ロンドンの上流社会は見たことも無いけれど、物語の世界に引き込まれて、ページを読み進める手が止まらず、あっという間に読み終わった。読書の楽しさを改めて感じた1冊だった! -
Posted by ブクログ
ネタバレ面白かった。高慢と偏見大好き、ジェイン・オースティンは最高!と考える人間だったので、これも楽しめた。
キティのどこまでも計算高い合理性と感情を抑制する理性に感服する。財産目当てだけど、内情が切実。まあ、贅沢したいから、ではないだけ良いけど、そんな事情はみんな抱えてるとすげなくされてたらどうするんだろう。ラドクリフ伯爵良いやつだな。
アーチーのうぶさは心配になるけど、こんなもんか?こんなもんか。みんなこれは真実の愛だと思いたいもんな。
ジェイン・オースティンは人間描写が巧みだけど、これもなかなか。
ハッピーエンドに至るまで楽しませてもらった。
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Posted by ブクログ
原題は"A LADY'S GUIDE TO FORTUNE-HUNTING"、初出は2022年。兒島みなこ訳。
ちょ、ちょっとー!!??
こ、こ、これはすごい!!面白い!!震えた。
途中から胸キュン止まらん展開になるし、仕事中も続き読みたくてそわそわしちゃうし、世界の全女子、年齢問わず心は永遠の乙女に超おすすめです!!!(男子禁制)
1818年、イングランド。
父母を亡くし、四人の妹と暮らすキティは、ある日突然、地元卿士の婚約者から婚約破棄を言い渡される。
死んだ父には莫大な借金があった。4ヶ月後までに返済しなければ姉妹の家はとられ、路頭に迷ってしまう。キティは一大決心をする。ロンドンへ狩りへ─、ロンドンの社交界に打って出て、裕福な紳士を射止めて6月までに結婚する!と。
キティは妹のセシリーを連れて、母の親友を頼りにロンドンに赴き、持ち前の美しさと知恵と大胆さでもって上流社会に乗り込みをかける。最初に求愛を受けるのに成功したのは名門伯爵系の次男アーチーだったけれど、その兄であるラドクリフ伯爵は、キティの打算まみれの正体を暴いてしまい…。
5人姉妹、お金持ちの婿探しというあたりは言わずと知れたジェイン・オースティンの名作『高慢と偏見』のオマージュ的な作品なのだが、何たって読みやすいし清々しいし、何よりも主人公らのキャラが良き。
『高慢と偏見』は大好きで、英文学が好きになるきっかけともなった作品。でも、この時代のそこそこの身分の女性にとって、結婚以外に生活の途はほとんどなかったのに、エリザベスが打算なく、いとも簡単にコリンズやダーシーの求婚を断るところ、かっこいいと思うと同時に、本当にいいの?とも思っちゃうよね。まぁ結果オーライなのだけども、「男は金じゃない」とか「愛情や信頼あってこそ」とは、家を追い出され、落ちぶれてしまってからはたぶん言えないから。娘の結婚やら相手の財産にばかり気を揉んでいる母にも実は一理あるし、愛情よりも実利をとってさっさとコリンズの求婚を受け入れる友人シャーロットの強かさもすごく大事だったんじゃないかとも思う。
対して本作の主人公キティは、愛も尊敬も二の次、あるのは打算のみ。紳士たちの財産をかぎ分け、計算づくで近づき、求婚までのプロセスも掌中にある。
唯一の敵はラドクリフ。家族の秘密を暴かれ、アーチーからは身を引く約束をするけれど、反対にラドクリフにも条件を突きつけるキティ。互いに本音勝負だったから、キティもラドクリフも、他の人には隠していた胸中を明かし、だんだん気の置けない戦友のようになっていく。キティの狩り(婚活)のピンチを絶妙なタイミングで助けたり、助けてしまった自分の胸の痛みに気づいたり…。
ラドクリフの心境の変化には大注目ですよー!
ここより後半の引用になりますのでご注意を。
"「むしろ」ゆっくり言う。「ぼくの返事はまったく違うものになるだろう。もしきみがいま、ぼくをダンスに誘ったなら、ミス・タルボット」"
ここな!ここ!ここ!(マロニーちゃん!じゃなくて)
最高に良きー!
やっぱりね、「最っ低!!!」な印象からの「この人実は…?」と互いに相手を知り、思いを深めていき、何かのきっかけで気持ちがこぼれるという王道な展開は好きですね。王道は王道たる理由があると思う。
本作、なんと作者のデビュー作なんだとか!
兒島みなこさんの訳もこなれていて会話が素敵だったし、是非次作も出していただきたいです、プリーズ!
追いかけたい作家さんが増えて幸せ。
こんな19世紀イギリスを舞台とした恋愛小説の頭のてっぺんからつま先まで楽しめるとか、私もだいぶレディが板についてきたなぁ♡(ギャ、石が飛んできた)