鈴木敦秋のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ3つの家族の物語。
1つめは激務のより自殺した小児科医の妻と娘。
2つめは夜間に小児科医がいる病院が見つからず息子を亡くした若い夫婦。
3つ目は深夜の救急病院で、誤診と引き継ぎミスから5歳の息子を亡くした母とその家族。
そしてその三家族と対面した日本小児学会理事。
途中何度か泣きそうになりながら、理不尽さを噛み締めて読み終わった。
あまりのやるせなさと同時に、今の小児医療の改善への尽力を感じた。
2000年前半に比べれば今の環境はましになっていることは確かだと思います。
働く上での最低限の労働環境。
地方と都市部の性質の違う酷い小児医療環境。
まるでくじ引きかと思うような事態。
日本 -
Posted by ブクログ
生れつきの心臓疾患を抱えた少女は、心臓外科として世界的な
名声を獲得していた東京女子医大病院で手術を受けることに
なった。
午前中から始められる手術は簡単に終わる予定だった。午後2時
か2時半ごろには術後の少女と面会が出来る。担当医は断言した。
しかし、家族に告げられていた予定時間を過ぎても手術室の扉は
開かず、不安を抱えて病室で待つ家族の元に手術終了の連絡が
入ったのは午後5時半。予定より3時間オーバーだった。
術後、ICUに写された我が子と対面した家族は目を疑う。顔面は
晴れ上がり、目の下には鬱血痕、頬には鼻血が拭き取られた跡が
走っている。何よりも異様だったのは -
Posted by ブクログ
裁判の中でも、医療過誤裁判は特に難しいといわれます。これは「裁判」を「ノンフィクション」に置き換えても同じです。どちらも、専門的な領域を、専門知識を持たないものが裁かなければいけない、伝えなければいけない、その難しさだと思います。
本書は、その難しい作業に挑戦しました。私は、その挑戦はかなり成功したと思います。複雑な手術のポイントを、出来うる限り、丁寧にほぐし、読者に提示しています。一部、わかりづらい部分もありましたが、どこが問題なのか、ということは、私も理解することが出来ました。
登場人物も、さまざまな側面を見せます。最も印象的なのは、やはり高圧的だった医師が見せる脆弱さでしょう。そこには、