小酒部さやかのレビュー一覧

  • マタハラ問題

    Posted by ブクログ

    ■2013年の日本労働組合総連合会の調査ではセクハラ17%を大きく上回る25.6%がマタハラ被害を受けたとの結果が出た。2015年の調査でも20.9%と高い。
    ■マタハラはグラデーション化して広がる。
    ・違法性が明確なものを「ブラックマタハラ」
    ・直ちに違法とは言えないけれど問題視すべきものを「グレーマタハラ」
    ■マタハラの4類型
    ①昭和の価値観押しつけ型
    ②いじめ型
    ③パワハラ型
    ④追い出し型
    ■マタハラの加害者は男性上司が53.2%で最も多いが,同僚においては,男性9.1%,女性18.3%と女性からのマタハラが2倍以上
    ■人口ボーナス期
    ・働く人が大勢いて,支えられる高齢者が少ない人口構造
    ・日本の高度経済成長期がこれに当たり長時間労働が利に適っていた
    ・一つの国に一度しかなく終わると二度とこない
    ■人口オーナス期
    ・働く人の割合は減少し,支えなければならない高齢者が大勢いる状態。
    ・一人当たりの人件費が上がる
    ・少子化と長時間労働の影響で日本は急スピンでオーナス期へ突入している。
    ■人口ボーナス期からいち早く人口オーナス期の働き方にチェンジできるかどうかが企業の今後の存亡に大きく関わる。
    ■人口構造からみても企業にとって働き方の見直し(働き方改革)が必要。
    ■『赤ちゃんに厳しい国で赤ちゃんが増えるはずがない。』
    ■「マタハラドミノ倒し」
    ・マタハラ→晩婚化→晩産化
    ・マタハラ→保育園入園不可→就労不可能→日本経済への打撃
    ■赤ちゃんの27人に1人が体外受精により誕生
    ■マタハラの三つの関所
    ①妊娠を報告するとき
    ②産休・育休を取得して復帰するとき
    ③時短勤務の利用不可,降格・減給,雇用形態の変更
    ■大企業の4割でいまだに女性管理職がゼロ
    ■マタハラは働き方の違いに対する最初のハラスメントいくらでも残業ができる社員とは「異なる働き方」となり,その働き方の違いを職場が受け止めることができない,馴染ませることができないことにより発生するのがマタハラ。
    ■パタニティハラスメント(パタハラ)
    ■ケアハラスメント(ケアハラ)
    ■日本でマタハラ問題が蔓延る二つの理由
    ①性別役割分業の意識
     男性が外で働いて家事・育児は女性が担ってという家庭における夫婦の責務や役割を明確に区別する考え方。
    ②長時間労働
     長時間労働が横行している職場でマタハラが起こっている。休めない残業が当たり前の職場環境がマタハラを生む。
    ■性別役割分業と長時間労働は高度経済成長期にできた日本独特のモデルケースであり,これにより経済成長という成功体験を収めたため,このモデルケースがベストな在り方と社会全体が思い込んでいる。
    ■「性別役割分業の意識」と「長時間労働」を許容する職場風土を無視したマタハラ防止対策などあり得ない。
    ■人間らしく働き続けることができる環境の整備

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    2016年06月19日
  • マタハラ問題

    Posted by ブクログ

    著者が被害を受けた上司の無能っぷりがすごかった。

    女性は家に入るべきという人がいるかと思うが、女性が働かないと労働人口が減って日本経済が危機的状況になる、というのは至極もっとも。
    そのためにも女性に働いてもらおうと日本政府も動いているのだろうが、そのあたりをわかっていない人が多いだろう。
    でしゃばりな女が自己実現のために働きたがっている、と考える男性には、ぜひこの本を読んで欲しい。
    マタハラ問題における女性の問題とは、自己実現の問題以上に、これから女性が必然的に働かなければならなくなる日本社会において、必要不可欠な「マネジメント」の問題なのだ。
    管理職が賢く常識をアップグレードしなければ、会社および日本の将来は暗いだろう。

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    2016年01月30日
  • マタハラ問題

    Posted by ブクログ

    近年多数のハラスメント(嫌がらせ)が顕在化するようになった。
    あまりにもその数は多くて、かえって軽く見られてしまう懸念もある。
    しかし実態はそんな軽いものでは決してなく、ハラスメントの中でもある特定の場合にだけ起こりうる場合が存在する。
    その一つがマタハラだ。

    本書は著者や他の当事者の体験からどのような嫌がらせがされるのか、その何が問題で、どうして起こるのか、また今後の展望を述べる。

    第1章は著者の体験だ。
    著者は壮絶なハラスメントを受けている。
    「くるみん」認定企業においてだ。
    類型的には、「自分(嫌がらせをする側)の価値観の押し付け、うっぷんばらし」が当てはまる。
    本当にこんなことが、と目を疑った。

    2章においてはマタハラ類型が示される。
    「妊娠は病気ではない」が誤用され、言葉による暴力へとつながっていくのがわかる。
    その理由として、日本の性教育の遅れや性別役割分業が近代において固定化されてきたことが原因としてあげられる。

    現在日本では「女性活躍」が掲げられている。
    しかしその実態はお粗末極まりない。
    しかも、政治家は、産まないのは身勝手だ、三人以上なら表彰しよう、など一体いつの話をしているのかと思わざるをえない発言ばかり。
    思うのは勝手だが、これからの施策を考え、作っていく立場の者の発言としては不適切だ。
    結局、女は家庭、母親は自己責任という旧態依然の考えから抜け出せていないのだ。
    マタハラを生み出す「豊かな」土壌がそこにある。

    5章の「オーダーメイドなマネジメント力」は理想論ではあるだろう。
    現状では、それが適さない場合(シフト制勤務などにおいては難しいのはわかっているつもりだ)もある。
    しかし、できない理由を並べ立て、やろうとしない管理職は、人事は、企業は、自治体は、省庁は、はっきり言って、
    無能だ。

    著者がいうまたハラ問題の解決が全てを救う、というのは大げさだとは思うが、それだけ複合的な問題であるという意味では賛同できるし、ダイバーシティの推進、AI社会への対応という意味でも大いに論議し、解決されるべき問題である。

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    2018年07月01日
  • マタハラ問題

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    女性が働くと子供を産まなくなるのではと不安を述べる人がいるが、これは大きな間違い。OECD加盟24か国の女性の労働参加率と合計特殊出生率を見ると、女性の労働への参加率が上がるほど、出生率も上がっていることがよくわかる。北欧諸国、オランダのように女性の就業率が高い国は出生率も高い。逆に女性の労働参加率が低い日本は、圧倒的に合計特殊出生率が低い。また、働く女性が増えると、男性の職が奪われるのではという懸念も全くの見当はずれ。働く女性が増え世帯年収が増加し、世帯年収が増加すれば消費が活発化する。消費が活発化すれば企業収益が拡大し、賃金が上昇する。女性が働きたいと望むのなら、働き続けられるよう対応することが、いずれは企業のためになり、経済のためにもなり、ひいては、日本社会のためになる。日本の人口ボーナス期は1990年代に終わったとされる。一つの国に人口ボーナス期は一度しかなく、終わると二度とこない。経済成長し豊かになれば、学歴社会となり、少子化が生じ人口オーナス期に突入するのは必然の流れ。今やIT時代。頭脳労働の比率が高い時代で、男女どちらが働いても大差はない。IT時代は新しいアイデアが必要とされ、異なる価値観、多様な人材が必要になってくる。マタハラなどをして女性を排除している場合ではない。人口構造から見ても企業にとって働き方の見直しが必要になっている。人口ボーナス期からオーナス期へと変遷する中で、働き方をいかにチェンジするかが企業の存亡に大きく関わってくる。世界経済フォーラムが発表するジェンダーギャップ指数2014年の日本の順位は142か国中104位。経済大国にもかかわらずジェンダーギャップは発展途上国なみ。日本は、この由々しき現実から目を逸らしてきた。今もなお長時間労働が横行しマタハラ問題が蔓延している。目先にとらわれ、近視眼的に見るのではなく、大きな視野で物事を俯瞰しなければならない時期が到来している。

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    2016年03月14日
  • マタハラ問題

    Posted by ブクログ

    ひどいことをする会社だと思った。
    本書は、感情論だけではなく、経済問題にまで発展してマタハラ問題をつなげている点がよいと思った。

    第2子の保育園入所問題にしても、妊婦の補助仕事についても、ある人が既得権利を守ろうとすると、他の人に迷惑がかかってしまうという点が社会の問題なのだと思う。

    みんなが気持ちよく働き、過ごせる社会にするには、どうしたらよいのか考えさせられた。
    最後の「最初のペンギン」の話、すごくよかった。

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    2016年02月16日
  • マタハラ問題

    Posted by ブクログ

    マタハラはすべてのハラスメントに通ずる問題である、ということが本文の根底。
    これからは様々な、働く上では不都合ですらある事情を抱える社員が増加していくにあたり、自分と他人は違うんだということを理解して都度接していかないと、ひいては利益減少、イメージ悪化に繋がりかねないと警鐘している。
    妊娠も生理も、女性同士であっても理解しあえないので、制度の理解もさることながら、女性自身の自己申告も大切になってきそう。

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    2016年01月31日