浜辺祐一のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
本書は看護婦さん向けの月刊誌に連載されたもの。
重体患者を扱う救命センターでの小さな人間ドラマが普遍的な生き様を考えさせ、そして心を温めてくれる。
生死に直面すると人間の本音がでるもの。それを主治医、看護婦の目線で捉えることによって、どう心に収めていくのか、どう教訓としていくのか、著されている。
以下引用~
・おもしろいものだ。相談するとは言っても、人は他人の意見に従うことはない。自分で既に結論を持っているから相談する。その結論が正しいことを確認したくて人に相談する。だが、その結論が正しいのか、間違っているのか、誰にもわかりはしない。自分自身にすらわからない。だからこそ、自分の思っていること -
Posted by ブクログ
「ハイ、救命センターの当直です」「24歳の女性なんですが、眠剤を多量に飲んで意識がないんです」「わかりました。すぐ搬送してください」消防署からの依頼である。救命救急センターの電話は、途切れることがない。死ぬか生きるか24時間態勢で取り組む救命救急センターの若き青年医師と、看護婦、そして患者が織りなす、心温まるドキュメンタリー。
(裏表紙紹介文より)
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約20年前の話ということで古さを感じる部分はあったけれど、医療や看護の精神は変わってないんだろうと感じました。
不謹慎な部分もあったけれど、常に“他人の生死や人生”に関わらなければならない医療従事者からすれば、軽口や愚痴を吐き出さなけ -
Posted by ブクログ
ネタバレ救命センターであったであろう医師と看護師、患者のやりとり。たまに看護学生。小話3ページくらいのが集まった文庫本。
看護師新人の時に理解できなかった諦めるまたは死を待つという決断が少し腑に落ちた。
時々出会う、この著者のような医師は人間味にあふれて熱いけど冷静だと思う。冷静な判断が時に冷たく感じてしまっていた昔の自分の思いと重ねながら読め、まだ若かったあの頃いた現場を思い出した。
医師も看護師も人間で患者も人間。当たり前のことなのに忙しい毎日でそれを忘れていってしまってる、または疲れ果てて仕事の魅力を失いかけてる医師看護師さんに読んでもらいたい。
あと看護学生。リアルだけどさらっと書かれてる -
Posted by ブクログ
「こちら救命センター」は多分新刊時にハードカバーで読んでいる。当時現場のドクターだった浜辺先生も今や救命センターの部長。現場からの生なましい手紙…と言うよりは、朝の引継ぎミーティングや医局での研修医・担当医・そして部長を交えての風景。新生児・ホームレス・九十歳を超えたご老体、本人に生きる気持ちが無いかもしれない患者。疑問のある患者であろうと、救命センターに搬送されたからには全力で処置しなくてはならない。社会問題に大上段から振りかぶるのではなく、あくまでも現場からのレポートという形での軽い投げかけ。TVドラマの脚本家さんは、このエピソードを元に話を膨らませてください。