深井国のレビュー一覧
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カナリア恋唄 お狂言師歌吉うきよ暦
by 杉本章子、深井国
「同じ組内と申すが、話をおまえといっしょにしてはならぬ。おまえはお扶持の多い家へ嫁ぎ、由乃殿はその逆なのじゃ。そこのところを忘れるな」
縁談の相手は、お徒衆 大竹 理 左衛門 の次女由乃で、今年二十四という。だいぶ 薹 が立っているのは、二十で嫁ぐはずだった 許婚 が婚礼の半年前に急死したからだそうだ。
許婚の死に 様 は、由乃にも影を落とした。以来かんばしい縁談もなく、たまに良縁と思われる話がきても、後妻の口だったり、相手が四十男だったりした。 由乃の下には妹がいて、その娘も 嫁 けなければならず、親は焦りに焦っていたところへ -
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お狂言師歌吉うきよ暦 シリーズ4 にして最終編
歌吉こと、お吉は、三代目水木歌仙の弟子で、お狂言師となった後も、厳しく仕込まれている。
お吉には、裏の顔として、お小人目付の日向新吾と岡本才次郎の手駒として、様々な事件に関わっていた。
手駒となり、6年。
お吉と、日向は、想い想われの仲になったが、
お吉は、相弟子の嫉妬から、一生治らない傷を顔に受けた過去がある。
「そんなお吉の支えとなっている踊りを捨て、気を張り詰めどおしの暮らしの中に引き込みたくない」と、日向は、姉の勧める娘と、祝言を挙げた。
稽古にも身が入らないお吉。
それでも、自分を励まし、お狂言師歌吉として、立ち上がる覚悟をする -
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ネタバレ(ネタバレ)
「お狂言師歌吉うきよ暦」シリーズ。
まさかの、遺作とはな。。。未完のまま、おわってしまうのか、、
この事件も、解決しないんだな。杉本さんの頭のなかには、あったようだけれど、でも、重い結末が予定されていたようだ。。
いっときでも、日向とお吉が堂々と、陽のもとで寄り添って暮らせる日がみたかったな。目前だったのにな。
歌仙まで手駒に加わって、これから面白くなりそうだったのになあ。煮え切らない身勝手な日向にイラっとしながらも、なにげに好きだったのになあこの物語。ざんねん。
どなたか、ファンが予想の最終回を仕上げてくれないかなあ。同人誌ででも読みたい。この、芸事の世界の女性たちの台詞まわし