ラファイエット夫人のレビュー一覧

  • クレーヴの奥方

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    1678年初版の宮廷恋愛小説。恋愛と結婚の二律背反に苦悩する三角関係を描き、その結末が物議を醸した名作。

    16世紀のフランス宮廷が舞台ということで、序盤はたくさんの人名が出てきて戸惑うが、いざ物語の本筋に入るとほぼ主要人物3人の話なので読みやすい。恋愛感情に伴う男女のあらゆる心の機微と、結婚という義務と責任で揺れる苦悩が生々しい。背景にこの時代の貴族社会の特殊性があるとはいえ、状況自体は舞台をどこに移してもありえそうな、というか普通によくある話ではある。この小説が特別なのは内面・心理の描写の細やかさと、ヒロインのとった決断と行動にあるのだと思う。この結末が読む人それぞれに賛否あるのは当然で、

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    2022年05月27日
  • クレーヴの奥方

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    ネタバレ

    「心理小説の祖」と言われる作品。16歳のシャルトル嬢がクレーヴ公に見初められ結婚するも、舞踏会で出会ったヌムール公に恋をする。夫の嫉妬と夫への道ならぬ恋の告白。若気の至りともいえる行動もあるが、葛藤の中で自分を律する彼女の姿は「純愛」とはかくも厳しく辛いものなのかと。強い恋心だからこそ相手の心変わりへの恐怖も相当だったかな? 一度きりの人生、自分なら……とも考えてしまった。冒頭から登場人物の説明で退屈だったが、ネット上にある相関図が細かく秀逸で読書の助けになった。終わってみれば第一部の説明が必須でした。

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    2025年10月19日
  • クレーヴの奥方

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    ネタバレ

    色恋がフランス宮廷を支配しすぎててびっくりする。宮廷なら政略結婚の要素が強いのかと思っていたが、さすが愛の国。そしてだいたいみんなうわさ好きで口が軽い。人が簡単に死んでしまうのは医療が未発達なせいなのか。
    読んでいてクレーヴ夫人の好意に気づいてからのヌムール公がだんだんうっとうしくなる一方、クレーヴ夫人本人に対しては好感が増した。

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    2023年10月27日
  • クレーヴの奥方

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    恋は時間が過ぎれば冷めるもの、まして不倫の恋愛は害あって益なしと知ってる女性の、わかっているのにも求めてしまう恋の苦しさを、これでもかこれでもかと描いています。

    はじめは少々イライラもさせられるほどで、両思いなのに結ばれない、結ばれようとしない自制心の苦しみ、そんなに苦しむなんて無駄…とか、ヒロインの拒絶行動が、恋愛をいやがうえにも盛り上げているのじゃないか、とうがった見方までしてしまう。

    今や女性自身で考える自律が普通のことですけど、17世紀の女性の作家が16世紀のフランス宮廷を背景にしての状況ですから、先駆的でもあったのですね。なるほど、不倫の恋愛の苦しみ、究極の恋愛を描いたフランス心

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    2023年01月30日
  • クレーヴの奥方

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    ・フランス恋愛文学講座で取り上げられたのをきっかけに読みました。

    めっちゃ良かった!
    クレーヴ夫人の年齢など事前にお話しを聞くことができたりして、あの時代の結婚と恋愛は今とは違う。
    マヌール公とあのような結末になったけど、そうだからこそ今に残ったのかな。

    欲しいものは手に入れたら終わりなのかも。2人とも焦がれるような気持ちでずっといられてある意味しあわせだったかも。そういうのって時効があるから。

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    2019年10月29日
  • クレーヴの奥方

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    時代を考えればとってもスキャンダラスな小説だったのだと思う。当初、著者は匿名でこれを出版したという。

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    2023年05月30日
  • クレーヴの奥方

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    道ならぬつらいしかし清い恋に悩んでいるクレーヴ公の奥方が,夫君にそれを打開けて庇護を求めたために,心に悩むものを二人生じる結果になった,悲しい純潔な恋の物語。

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    2009年10月04日