デイヴィッド・エバーショフのレビュー一覧

  • リリーのすべて

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    かなり面白かった。私が思う「純愛」に1番近い話だと思った。グレタはアイナーの事を本当に愛してた事が伝わるし、アイナーもグレタの事を信じる事で、変わっていく自分を受け入れたのだと思った。単純なトランスジェンダーの話と油断していたが、結構好みの恋愛小説で驚いた。
    読み終わった後、アイナーの名前で検索をかけたところ、「インターセックス」や「性分化疾患」という言葉を知った。これらにまつわる問題はかなり複雑で、同じと捉えられやすいLGBTとは、問題視する論点が全然違う。そのような学びもあり、読んで良かった。

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    2024年05月11日
  • リリーのすべて

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    本書は、約90年前、世界初の性別適合手術を受けたとされる画家の実話を基にした物語。
     あるできごとをきっかけに、自分の中に潜んでいた“女性”に目覚める画家のアイナー。同じく画家の妻・グレタの絵のモデル“リリー”として過ごす時間が長くなるにつれ、リリーとして生きることを切望するようになっていく。グレタ
    は戸惑いつつも夫の変容を受け止め、支える。そしてアイナーは、ついに性別適合手術を受ける…。
     2015年、エディ・レッドメイン主演により映画化された。性別を超えた人の絆を感じる作品で、グレタ役のアリシア・ヴィキャンデルともども魅力的だった。 

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    2020年01月24日
  • リリーのすべて

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    妻グレダに感情移入してしまった為かリリーへと変貌を遂げていく夫アイナーの決断に少し苛立ちを感じてしまった。しかし、リリーは心が認識している人格(性)を「ありのまま」に生きようとしただけであり、体も女性として生まれていたらその選択も身勝手に思わなかったのかなと複雑な気持ちになった。精神と肉体の齟齬に苦しむリリーに私も心が侵食されそうになった。

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    2024年05月11日
  • リリーのすべて

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    「世界で初めて女性に変身した男と、その妻の愛の物語」が2015年の映画化をきっかけに「リリーのすべて」として文庫本化。

    ネーミングセンスとしてはさて置いて、
    元の邦題のタイトルのままを文学的語っている。

    ただ、映画きっかけで読んだ私としては、
    この小説は映画「リリーのすべて」を序章とした
    大長編小説のように感じた。

    実在の人物を元に語られる物語で、
    その事実のキャッチーさが目を引くけれども、
    たっぷりとした文章で語られるのは、
    真にリリーになったアイナーと、
    アイナーの妻であったグレタの愛の軌跡。

    彼らの生き方や信念が、本当に本当に
    尊いものとして当時受け入れられていたなら、
    今の社会

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    2023年01月17日
  • リリーのすべて

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    アイナー/リリーとグレタ両人が「アイナー/リリー」の間で戸惑い揺れ動いてる様子がとても丁寧に描かれているという印象。
    グレタの庇護のもと成長したリリーという少女が、やがてはグレタから離れ、ひとりの大人の女性として独立する(そしてグレタも女性として新たに歩み出そうとする)お話かな。
    だから突き放されるようなラストが寂しい。
    グレタだけでなく、ハンス、カーライル、ヘンリクと理解者に囲まれた優しい世界のお話なんだけど、親離れ子離れのような寂しさと苦しみが切ないな。

    映画はひとを愛することに焦点が当たってるのでさらに優しい世界。泣きたいなら映画を見た方がいい。

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    2016年08月24日
  • リリーのすべて

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    ネタバレ

    映画化を知って、原作が気になり本日購入。
    映画のCM動画を公式サイトで見たうえで原作読んでいます。

    女装のきっかけは、急に来れなくなったモデルの代わりにストッキングをはいて、ドレスを当てた姿で妻のモデルになり(夫婦ともに画家です)、絵筆を走らされた体験から。この、ストッキングの描写がとってもなまめかしいです。あら、自分ってばこんなに足フェチだったかな?と興奮してしまいました。「グレタ、このことは秘密にして」という恥じらいの見せ方もそこら辺の女子に比べると格段に上です。

    異性装から始まった物語が性別違和に進み、最終的には半陰陽だったという最後まで引っ張りまくります。
    元々半陰陽だったから幼い

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    2016年03月17日
  • リリーのすべて

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    映画に感動して原作が気になり読んでみた。
    映画と異なる描写が多くて驚いた。
    グレタの、アイナーとリリーへの愛の深さに心打たれた。私だったらどうするか?
    そしてアイナーとリリーの、自分の在り方を追求する姿が印象的。当時の医療レベルを考えると、相当な勇気がいるはず。周りに合わせず自分の生き方を全うする姿勢に私自身考えさせられた。
    1つの情景•心理描写に緻密な表現方法がなされていて、より登場人物たちの心情やその風景をイメージすることができた。(人によっては読みづらいと感じるかもしれない)
    ラストの描き方が意外だった。

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    2022年09月18日
  • リリーのすべて

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    愛が相手の全てを受け入れることだとしたら、その気持ちが離れてしまうことも受け入れなくてはならないのでしょうか。

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    2017年03月02日
  • リリーのすべて

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    映画化された「リリーのすべて」の原作。夫アイナーが絵のモデルで女装した事をきっかけに、自分が女性である事に目覚め、世界初の性別適合手術に成功し女性として生きていく…。
    何が凄いって、妻グレタの夫への変わらない愛情。夫が女装して街に出ようが、そして男とキスして帰ってこようが、手術を受けて女になろうが、アイナー本人を全て受け入れ愛していく…。

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    2016年06月22日
  • リリーのすべて

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    事実と異なる創作
    と言われると事実を知りたくなる。
    どれだけ本当の自分を求めて、
    そのために何をなげうって、
    その先に何があったのか。

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    2016年05月25日