河村小百合のレビュー一覧
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本書のキモは最後の第5部「財政再建アラカルト あなたは何を選びますか?」、特に262ページからの歳入と歳出のアラカルトになる。
そこで関心を持った項目を第1部から第4部に遡って読んでいけばいいのではないか。
こういったアラカルトは少なくとも与党と野党第1党はもっと全面に出して財政論議を進めて行かなければならないし、野党第2党以下は現状の立場ではワンイシューを唱えていればいいが、仮にも与党や野党第1党になりたいという気概があるのなら、財政再建案を常に腹案として持って置かなければならないと思う。
日本国民がいつまでも日本国債を買い支えられると考えるのは、先の大戦での破滅から何も学んでいないお花畑的な盲執に思えてならない。
ジュンク堂書店近鉄あべのハルカス店にて購入。 -
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ネタバレ財政破綻を日銀の財務諸表の観点から解説。
①日銀券を大量発行してインフレになると、誰が損をするのか?(率で課税している税金は増えるが預金は実質目減りするから国民が損をする)、
②低利率の国債を大量に保有する中、その量がBS上日銀券発行高をゆうに超え、超過準備が大量になることが許されている日本で、金利をあげると逆鞘が生じ日銀の財務運営が死亡→誰が補填?
③無利子国債→政府には一瞬メリットがあるように見えるけど②の問題が残る。
欧米は金融政策の面でもしっかりと縛りがありできる限度や条件がある。財政の面でも国債の償還ルールなどが日本ほどにはゆるくなく身の丈にあった長期国債の発行が行われてる(日本は短期債の借り換えで繋いでいるので低金利だが、綱渡りの財政運営。)。
財政破綻した場合、国外調整として債務免除をして解決できない日本は国内調整するほかない。その時、無理やり国民の資産を目減りさせる財産権の侵害を行うか、増税で徴税を行なって債務を返すか、社会サービスを切るか、、といった選択肢を迫られる。
日銀の財務運営の点は恥ずかしながらよく理解してなかったので勉強になった。新刊も出たので復習も兼ねて読みたい。 -
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黒田さんの「黒田バズーカ」はアベノミクスと相まって、その当初は日本の経済を復興させ押し上げるものとの期待が高かったが、結局は10年経っても成果を出さず、かえってあまりにも自己の政策に固執したがために日本を未曾有の危機に晒し、その実験は壮大な失敗に終ろうとしているように思える。
本書はその金融政策と財政が絡み合ったリスクを、分かりやすくときほどき説明してくれている。
本書を読んでいると能天気な政治家とマスコミに何をやっているのかと喝を入れたくなる。不勉強な我々もいけないのだが。
平たく言えば、借りたものは返さなきゃいけないんですよね。もう後世の世代にツケを残すのはいい加減にやめねば。
筆者が第八章でまとめているが、今この危機にしっかり向き合い、出来る事をやらねば大変なことになる。もっとも私には手遅れのようにも思えるが・・
個人の防衛策としては、少ない資産ではあるが一部でもいいので、金に変えとけばいいのだろうが、市場最高値となっている今では遅きに失する気がする。
ドルに変えとくしかないのかな・・? -
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ネタバレ日本銀行 我が国に迫る危機
日銀によるゼロ金利政策が転換し金利のある通常の世界が戻ってきつつありますが、日銀はまだ国債を買い続けるとのこと。
本書の内容を裏付ける施策かと。
本書には日銀の資産は国債が多く、金利が上昇すると利払いにより債務超過に陥る可能性が高いということが記されています。
アベノミクスの中の3本の矢のなかで財政は放漫を極め、規制緩和などの次の成長戦略はほとんど手付かずで、金融政策だけが大盤振る舞いを続けて来たという事実があるなかで、誰もアベノミクスが失敗でありどのようなネガティブインパクトを日本に残したのかが議論されることはほとんどありません。今後数年で起こる可能性がある日銀の財政破綻の予兆が目に見えてきてから多分犯人探しが始まるのでしょう。
そんな大混乱をどのように収拾させるのかは、アルゼンチンの破綻の例などを見ても悲惨を極めることになると思います。
何年後かに「アベノミクスが日本の転換点だった」と語られることがないと良いのですが・・・
これから起こるかもしれない大惨事は、決してブラックスワンではなく灰色のサイであったことを頭に入れておくための良書だと思います。
竹蔵 -
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日本の財政が危機的な状況であることをデータで客観的に解説し、30兆円の収支改善のための具体的な選択肢を数値を添えて提言する内容です。
冒頭、他国の財政見通しデータに比べて内閣府のデータが不自然なことを明らかにした点が印象的でした。
最後に、財政破綻の危機を乗り越えた他国の対応を引き合いに、日本の将来に対する政治の、そして、政治家を選ぶ国民の責任ある行動を求めています。
近年は、しっかりとしたエビデンスと予測に基づき国家の将来構想を語る政治家は少なくなり、選挙受けする場当たり的な政策を打ち出したり、支援者の要望の実現を役所に委ねたり、国会質問のシーンがテレビ中継されたことで役割を果たしていると勘違いしている政治家がとても多い気がします。
しかし、この状況を招いた責任はひとりひとりの有権者にあります。
本書をきっかけに、政治家が日本の深刻な財政危機回避のためにどう考え、行動しているか、注目していこうと思いました。 -
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客観的かつ中立的な前提に基づいて試算したとき、我が国の財政運営はこの先、このままではどういう事態に見舞われることになるのか、また、そうした事態を回避するには、どの程度の財政再建、財政収支赤字の改善が必要になるのかを明らかにし、財政再建のために、主要な歳出の各分野において、また、税制の面でどのような改革改革の選択肢があるのかを提示している。
我が国において財政破綻に切迫性があることの説明は不十分に感じ、また、財政均衡主義に過ぎる感はあったが、我が国の財政への危機認識には共感するところ大であり、示された処方箋も、厳しいものもあるが、おおむね妥当なものだと感じた。 -
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20250915-25 我が国の財政は財政規律を失っており、先進国中でも最悪の財政赤字を毎年生み出している。バブル経済崩壊後(って1990年代だよ!)からずっと財政改革の必要性は認識されているはずなのに、景気対策やデフレ対策のための超金融緩和(量的緩和)が長く続いたせいもあって、国民の危機意識は薄いといえよう。そのような状況下で、本書は我が国財政の現状について、丁寧にわかりやすく解説し、最終章ではその処方箋をいくつか提示している。文章は読みやすくとても丁寧だが、ところどころ筆者の焦燥感が湧き出ているような気がする。
個人的には、為替相場は円高傾向に持っていくべきだし、何よりふるさと納税は即刻廃止(本当にわけわからない税制だ。)もしくは「ふるさと寄付優遇税制」に替えるべきだと思う。2025年9月現在、日銀はETF売却に動き、おそらく利上げも続けていくだろう。給付付き税額控除についてもようやく導入に向けた議論が本格化しそうではある。これらは即効性はないかもしれないが、あるべき税制(簡素・中立・公平)への第一歩と言えよう。 -
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日銀を経て日本総研の研究員となった河村氏と、大学教授の藤井氏による共著。日本の財政の現実と、国債に頼らない施策を数々のデータを元に提言している。
数字の数々を追いかけると結構難解だが、大枠で読んでいても『どうなっているのか、どうすれば良いのか』は分かりやすく解説している。そしてどんな政策を採るにしても痛みは伴い、利害関係の調整にエネルギーを割かれることもわかる。
国民の総意として大枠(総論)は概ね一致していると思う。しかし現実の痛み(各論)になると尻すぼみしてしまい、結局意識も何も変えられないまま、経済成長が止まってしまった40年をこの国は過ごしてきてしまったということか。
本書で述べられた施策が全て正しいとは限らないが、本当の所は財政改善の答えはあるのではないか。それを実行するのは政治であり、政治を選ぶ国民一人一人。あと、メディアの役割も大きいはずだ。 -
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世界最悪な財政状況の日本
日本は国内で借金しているから、破綻することはないと前までは考えていましたが、積み重なる財政赤字を考えたり、円安による資産の目減りを考えたら、劇的な変化は困る気もしますが、プライマリーバランスの均等化は必要な気もしました。
少子化による日本の衰退や、選挙の度に国民への大盤振る舞いや、年収の壁の財源の捻り出しについての議論ははとんど、なかった気もする。
結局、20年以上前から言われ続けている議論だけど、少子化も含めて今だにら解決しない所をみると、財政破綻するまで、誰も手をつけない気がしてしまいます。
痛みに耐えた先に、成果があるなら、若い人は考えるかもしれないけど、有権者の大多数である高齢者が成果が出る頃には、この世にいないと考えると、選挙権にも年齢制限を設けないといけないのかなと思います。 -
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前半部分の日本の財政状況の説明と黒田異次元緩和の説明が、とても分かりやすくて具体的。
FRBやECB等との違いの比較もあって、いかに日本の財政が異次元の危機的状況にあるのかが具体的示されていて本当に恐ろしい。
勉強になるけどやっぱり難しい...
第6章に、戦後の中央銀行の巨額債務とハイパーインフレの事例が書かれているが、単なる昔話とは思えず、これまた怖い。
資産税の徴収、政府による債務放棄、新札発行からの預金封鎖...
これを断行した時の大蔵大臣である渋沢敬三大臣は、新札の顔である渋沢栄一の子っていうのは、現政府からのアラートメッセージなのか?などと下衆な勘ぐりをしたくなってしまった。
最近の円安進行と度重なる為替介入による火消しの感じを見ていると、いよいよ来るところまで来たか?とも思えて怖くなった。
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この本で明示的に批判されているのは黒田東彦・前日銀総裁と安部政権だが、本書を突きつけて黒田日銀を責めても暖簾に腕押しだろう。なぜなら彼らは市場参加者の期待、すなわち将来の物価予測を人為的にプラスに形成せんがために「無責任な中央銀行」をわざと演じてきたからだ(中央銀行は将来の物価上昇局面で金利を上げるだろうと市場参加者が予測してしまうと、現在の利下げの効果が薄くなってしまうので)。つまり彼らはいわば確信犯なので、説明不足で無責任だとの批判には冷笑で答えるのみだろう。その日銀の姿勢を奇貨として最も利益を享受したのは安部政権だが、彼らに対する批判も当を失したものとなるに違いない。何せ特に安部元首相本人は、おそらく金融政策というものを殆ど理解していなかったように思えるからだ。およそ理解しようとする意思すら無い者との議論ほど不毛極まり無いものはない。
著者が真に糾弾の対象としたいのは、我々国民の不勉強と「いずれ国が何とかしてくれる」という乞食根性だろう。何せこの放漫財政と野放図な金融政策を(消極的にせよ)選択したのは我々自身だ。「財政政策・金融政策とは何か、通貨とは何か、国家に対する信任とは何か」を考えることを放棄して、耳に心地よいだけの近視眼的な弥縫策に票を投じ続けた結果、日本はここまで来てしまった。
確かに金融政策は理解するのが難しい。しかし本書で述べられているように、他国の国民には「フリーランチなどあり得ない」「人間は近視眼的な生き物なので制度面で制御する必要がある」という知恵があり、これを政策に反映させている。ポピュリズムの嵐吹き荒れる米国ですら、デットシーリングや「債券自警団」の機能を停止しようという議論は生まれていないのだ。西欧の「ノブレス・オブリージュ」の精神が我が国に根付いていれば、政治家や官僚の主導のもと、制度内に属人的ではないオートマティックな制御装置が備えられたはずなのだが、残念ながらそうはならなかった。ファイナンスの知識を教育に取り入れるべき、という議論が盛り上がるのもさもありなん、という気がする。 -
Posted by ブクログ
ある方に勧められたこともあり、読んでみました。
日本の財政の状態について、日本銀行のあり方を中心に、これまでの日本の状態の推移や外国の状態との比較を通じて、丁寧に説明した本だと思います。
とくに、日本の債務残高がここまで膨らむことが可能だった(膨らむことを可能にした)理由については、とても納得できましたし、日本の財政が危機的な状態にあることが理解できたと思います。
また、前の日銀総裁の黒田さんのやり方でよくなかった点も、ある程度理解できたと思います。
それにしても、日本の学校教育では、政治や財政について学んだり考えたりする機会が少ないですよね。
政治や財政については、いろいろと経験を積まないと理解しづらい部分も多いとは思いますが、もう少し広くかつ深く学校で学べるようにした方がよいと思います。
日本(日本国民)のレベルを上げるためにも、また、日銀や政治家、官僚の暴走を防ぐためにも。