山崎城二のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
●山崎城二『1日5分 ミニノート仕事術』2013
仕事の技術。テクニカルなノート本。A6ミニノートでタスクリストを管理するというシンプルなもの。7月から12月現在まで5ヶ月継続しているが、シンプルな仕組みに従って書き出すだけで脳のメモリの無駄遣いを避けられる感覚がある。ノート術の根底にある著者の仕事論。
○記憶するなんてことは手抜きしていいんです。本当に頭を使わなければならない仕事は他にあるのですから。
○嫌いなものを好きになるのは難しいことです。そんな努力は無駄です。だからそこは変えられないし、変える必要もありません。ただ、遅い仕事を早くすればいいのです。
○仕事のできない社員がハマる4つのワナ1、間違った方法2、間違った優先順位3、間違った時間配分4、してはいけない仕事 -
Posted by ブクログ
ネタバレあらすじ
「手帳を買っても使いこなせず挫折してしまう」「ToDoリストが多すぎて何から手をつけていいか分からない」というビジネスパーソンに向けて、手のひらサイズのミニノート1冊で業務効率を劇的に引き上げる手法を体系化した一冊。著者は、立派なノートをきれいに書こうとすること自体が仕事の停滞を生むと指摘する。常に携帯できるミニノートを用意し、「朝の3分で今日絶対に終わらせる最重要タスクを3つだけ絞り込む」「日中は思いついた用件や事実をその場で1行メモする」「夕方の2分で進捗を確認し、翌日へ引き継ぐ」という1日5分の運用ルールを提示。記憶力や複雑な管理ツールに依存せず、最小の手間で最大の成果を出し続ける思考の外化ノウハウを明快に解説する。
所感・深掘り
「ミニノート仕事術とは単なるメモの工夫ではなく、脳のメモリを浪費させる『何からやるべきか』という判断の迷いを先回りして遮断する『外部記憶の極小設計』である」という本質を突きつけられ、日頃のタスク管理と記録のあり方を根本から引き締め直される一冊だった。
特に深く腑に落ちたのは、「立派な手帳をきれいにまとめようとする姿勢そのものが、脳に莫大な認知的負荷を強いている」という指摘だ。形式にこだわり、管理そのものを目的にしてしまうと、思考のメモリは記録の体裁に奪われ、肝心の初動が重くなってしまう。胸ポケットに入る小さなノートを開き、客観的な事実と優先順位だけを殴り書きして頭の外へ逃がすこと。選択肢を3つに物理的に削ぎ落とし、迷う余地をなくして行動に直結させることこそが、精神的な消耗を防ぎ抜く極めて合理的なセルフマネジメントなのだと痛感した。
また、自らの頭の中をミニノートで整理し、やるべきことを簡潔な要点として手渡す姿勢は、現場を預かる指導者やリーダーにとって不可欠な利他の実践であると感じた。リーダーが指示を曖昧な口頭で済ませたり、タスクを抱え込んで方針をブレさせたりすれば、現場には推測と手戻りが蔓延し、メンバーは不安で自発的なエネルギーを奪われてしまう。指導者自らが思考のノイズを削ぎ落とし、現場が迷わず動けるシンプルな優先順位を明確な型として差し出すこと。リーダーがブレない安心感の土台となり続けるからこそ、現場の仲間は安心して自分の役割に集中でき、組織全体が淀みなく自走するのだと確信させられた。
完璧な手帳へのこだわりを捨て、1日5分のミニノートの型で思考の迷いを削ぎ落とし、明確な優先順位を現場の自走へと還元し抜くこと。
日々の雑務に追われて頭がパンクしそうな人はもちろん、タスク管理と情報伝達の解像度を極限まで研ぎ澄まし、関わるすべての人を迷いなく確かな行動と自立へと導く不動の軸を確立したいすべてのリーダーにとって、常に手元に置いて立ち返るべき実践的知的生産の教科書だ。 -
Posted by ブクログ
文庫本よりさらに一回り小さいB7サイズのミニノートに日々の ToDo を書き出して、「計画力×実行力」で決まる仕事の成果の質と量を上げていく。著者自身、これまでに500冊以上のノートを使いつぶして実績を上げてきたのだと言う。
ToDo 管理で言えば、GTD (Getting Things Done、ものごとを正しい優先順に済ませる) を始め、仕事術の分野において類書は山のように存在する。本書でも前半ではその具体的な「作法」が細かく説明されているが、ひとつ大きな違いがある。それは、「必ず手書きのノートを使う」ということと、物事を「仕組化」するという考え方だ。
なぜ紙のノートで、手書きでなければならないのか。そこには明確な理由があり、詳しくは本書を手に取って確かめて頂きたいが、私自身、日々の仕事はパソコン上の ToDo リストに頼っていて、ただ落ちて来た仕事を片っ端から順にこなし、残業前にその日のやり残しの量に一喜一憂することを往々にして繰り返している。
パソコンの画面上では「終了」のタスクはどんどん消えていくが、紙の上ではいつ、どんな仕事をやって、どれだけの時間工数をかけ、何が後回しになったかが手書きの文字として残る。定期的にセルフチェックすることで、「何に時間を費やしているか(それは本当に必要か)」「どんな作業が好きか、嫌いか」といったことが見えてくる。
本書の後半では、そこから大きく組織全体での業務の見直しに応用する内容が記されているのだが、本書は個人向けを主眼としたためか、一部に触れるにとどまっている。ここはぜひ次回作にも期待したいが、「相棒化」(上司と部下でノートを共有し、相互の方向性や優先順位の共通化を図る)仕組みなどは、特に私のような部下が成果を出せず悩んでいるときに、上司に読んでいて欲しかったと、強く思う。
成果を出すには、いかに効率よく仕事を進めるかと考えてしまいがちだが、問題はその一歩手前にある。本書では「効果的な試行錯誤の方法をいかにはやく見つけるか」という観点で、その仕組みづくりの一つとして「ミニノート術」を紹介したものである。仕事は「これという答え」が何か一つあるものではない。しかし、「答え」以前の「問い」をいかに見つけるのか。そのヒントを、ぜひ本書で見つけて頂きたい。