芥川也寸志のレビュー一覧

  • 音楽の基礎

    Posted by ブクログ

    音楽にかんする基本的な知識をまとめている入門書です。

    本書でとりあげられている内容は、いわゆる「楽典」と呼ばれる音楽理論の基礎の解説書とかさなるところも多いのですが、縦書きの入門書の利点を生かして、音楽にまつわる歴史的な話や、日本の伝統音楽をはじめとする民俗音楽、現代音楽などについても、ときおり叙述がおよんでいます。

    かつての新書らしい、教養としての音楽の基礎を解説している本という印象です。音楽の基礎を学びたい読者には、いまではわかりやすい楽典も多く刊行されているので、あまり本書を手にとる意味はないかもしれません。

    0
    2022年05月06日
  • 音楽の基礎

    Posted by ブクログ

    英語の取り扱い説明書のように、音楽の取り扱い説明書が本書だ。
    英語の文法を学ぶように、音の表現方法を網羅的に学べる本。
    しかし、私には難しかった。
    本書を理解できれば、楽譜が読めて音を表現する様々な技法にチャレンジできるのだと思う。
    また、何かの折に、再読しよう。

    0
    2022年04月04日
  • 音楽の基礎

    Posted by ブクログ

     作曲家で指揮者、たぶんこの世界では巨人の1人だと思われる著者(調べると芥川龍之介の三男だそうだ)による、音楽理論の教科書みたいな本。主に、音階とか調性とかリズムとか和音とか、楽典の話。あとは「現代では、ソヴィエトなどの保守的な傾向をもつ国の音楽作品をのぞいて、ふつうに使われる意味での調性、もしくは調性感というものは、すでに崩壊してしまっている。」(p.79)というくらいの時代に書かれた本であることも特徴。
     楽典の話自体が(おれには)難しいので、基礎は基礎だろうけど、やっぱり難しい。ただ平板的な、教科書的な話の中に、音楽の捉え方に関する著者の姿勢や見解が述べられている部分が面白い。「たしかに技法の上では、昔には考えられなかった複雑な技術を、現代の作曲家たちは駆使している。しかしそれをもって、昔の作曲家たちより、いまの作曲家たちのほうが『音楽』を見ぬいているなどとうぬぼれることはとうていできないであろうし(略)少くとも『音楽』を現わすことがむずかしいということを知っていた程度において、よく『音楽』を知っていた、ということがいえないだろうか。」(p.47)という部分は、なんかすごい若いピアニストの人が「弾けないと思った楽譜はないです」みたいなことを「題名のない音楽会」で言ってたのを思い出し、音楽を知るとはどういうことなのか、ということを思った。あとは日本の楽器と西洋の楽器を比べて、「音楽に限らず、日本人は古来、単純なものから複雑なものを引き出すことに熱中し、ヨーロッパの人たちは、複雑さのなかから単純なものを引き出すことに情熱を傾けた」(p.89)ということだそうだ。それから音楽の要素の中でも「リズムはあらゆる音楽の出発点であると同時に、あらゆる音楽を支配している。リズムは音楽を生み、リズムを喪失した音楽は死ぬ。この意味において、リズムは音楽の基礎であり、音楽の生命であり、音楽を超えた存在である。」(p.88)という部分が、とても力強く聞こえて、印象的だった。おれは拍子と拍の違いもイマイチよく分かってないが、「ストラヴィンスキーが一九一三年に書いた『春の祭典』Le Sacre du Printempsには、一小節ごとに頻繁な拍子の交替が見られる。」(p.102)らしいから、ぜひ聞いてみなくては。あと面白いのは、「イタリヤ・オペラに出てくるテナーのアリアなどを聞くと、高い音をえんえんとのばして、おのれの肉体が人並みはずれていることを、聴衆に誇示する場面が必ず現れる。その場面だけを残して前後を切り捨ててしまえば、これはサーカスとあまり違わない。」(p.109)とか面白い。(その後で、けどそれがないと「イタリヤ・オペラの魅力は半減してしまうであろう。」と言ってるけど。)
     音楽そのものの話では、まず音名の話で、よく音楽をやる人はドイツ語でBとかFとかいうけど、中国で使われていた音名で「黄鐘」とか「無射」とか聞いたこともないような音名がある(p.60)というのも面白かった。あとは今の長調と短調というのは、それぞれイオニア旋法、エオリア旋法、というらしい。「イオニア、エオリアの両旋法が、ヨーロッパ音楽の主流につながって存続していったのは、旋律的音楽から和声的音楽への移行にともなって、もっともそれに適した旋法であったからに他ならない。『線』の音楽から『面』の音楽への進化が、この二つの旋法に永井生命をあたえたことになる」(p.66)の部分、たぶんとても分かりやすいことを言っているんだろうけど、おれにはちんぷんかんぷん。誰かさらに基礎を説明して欲しい。音階の話は、やっぱりピアノで弾いてみないとよく分からないけど、ドビュッシーの全音音階で、ここから現代音楽の始まりと考えるそうだけど、そんなドビュッシーは、「第一次大戦中、パリ空襲のなかで死んでいった」(p.70)らしい。へえ。そして「第二次大戦後は、半音階が中心的な存在となる。」(同ということらしい。あとは、装飾音はおれが練習しているような曲でさえ出てくるけど、これにも弾き方がいくつかあるらしく、ただ楽譜を見てもおれにはよく分からない。誰かに弾いてもらわないと…。それから速度記号の話で「アレグレットを『アレグロよりもおそく、アンダンテよりもはやく』などと理解するのは間違っており、ややはやめの速度を示す語であるとともに、『アレグレットの気分で』という表情や気分をも示す語として理解すべきである(歩行にたとえれば、ゆっくりと散歩を楽しむ気分をアンダンテ、汗をかく駆け足の気分をアレグロとすれば、目的地に向って適度な、快的な速度で歩く気分をアレグレットとでもいえよう)。」(p.131)の部分はなるほどと思った。単に速度じゃない雰囲気を表してるのか、という。(そして「奇抜な表情記号」というのがあって、「その一つは『歯が痛いうぐいすのように』」(p.141)だそうだ。何でもありなのか。)それから「音楽に表情をあたえるために演奏者が行なう、わずかな部分的な速度の増減をさす言葉で、緩急法と訳されている。」(p.133)というのに「アゴーギク」という言葉があるらしい。これは色んな人の同じ曲の演奏を聴き比べる機会があって、そこでまず気づくことはこの「アゴーギク」のやり方や程度が違う、ということだった。
     正直初心者のおれにはどの程度の基礎がどの程度網羅されているのかはよく分からないが、堅実な感じがするので、楽典の授業があったとしたらそれの教科書にでもなりそうな、逆に言えばもっと基本的な解説が欲しい、そういう本だった。(21/12/18)

    0
    2021年12月18日
  • 音楽の基礎

    Posted by ブクログ

    人間の営みのひとつ音楽を俎上に載せ論じるならこうなるのでしょう。
    他の人もレビューで言っているように、音楽が存する為の、静寂に関しての洞察が真っ先に語られているのは面白いです。
    クラシックやオーケストラに明るい人、経験者なら時々出てくる楽曲例や作曲家のエピソードが一層楽しめるでしょう。

    でも庶民にはハードルが高いなあ。
    中盤からちんぷんかんぷんになる虞が大いにあります。
    クラシック、和声、楽典を少々齧った程度の私がそう思うので、そういうのを何も知らずすらすら通読しようにも辛い部分があるかと。
    全部が全部読まなくても、興味の持てそうなところ、ついていけるところをつまんで読めば良かろうと思います。
    楽譜が読めるようになりたいならそのような本、音楽史が知りたいならそのような本、楽器が弾きたいならそのような本を別に求めましょう。

    「音楽の基礎」を手堅く十分適当に書いた本です。
    内容の薄い新書も増えましたが充実の良書。

    0
    2015年02月01日
  • 音楽の基礎

    Posted by ブクログ

    著者は芥川龍之介の息子さんだそうです。
    基礎、とタイトルにはあるものの、自分のような駆け出しアマチュアピアニストにはちょっと難しいかもしれません。
    これから本格的に音楽理論を勉強したい、という人にはオススメできますが、楽譜が読めないと辛いと思います。

    0
    2012年05月15日
  • 音楽の基礎

    Posted by ブクログ

    タイトルのごとく音楽を構成する基礎の基礎から話は始まりますが、図表が多く使われていて割と分かりやすくホイホイと読めます。
    ただし音楽のほぼすべての構成要素に触れていくので、深いところには全くつっこまないし、難しい話をさらりと説明だけして終わるので身になった気はあまりしません。
    また、著者の音楽に関する考え方も文章中に散見されるのですが、同意できるところもあれば明らかに間違っていると思われるものもあり、あまり参考にはなりませんでした。

    0
    2011年06月27日
  • 音楽の基礎

    Posted by ブクログ

    ブーレーズのハルサイ分析に批判的な感じですね。
    私はブーレーズのハルサイが自演より好きなので、それは同意しかねる。

    しかしとりあえずは、体系的にまとまってて面白く読めました。

    0
    2010年01月23日
  • 音楽の基礎

    Posted by ブクログ

    クラッシクから現代音楽、邦楽にいたるまで、音楽の素材(静寂・音)、音楽の原則、音楽の形成、音楽の構成とミクロからマクロに展開する。俗説に対しては心理学の実験などをひいて、かなり説得的に展開している。第二章からは、記譜・音名・音階・調性(原則)、リズム・旋律・テンポ(形成)、音程・和声・対位法・形式(構成)という構成で、教科書的な基礎がしっかり学べる。しかし、第4章の音程と和声は難解で、ピアノかシンセサイザーで試してみないとよく分からない。譜例が100以上もあり実際の音楽に触れながら学べるのはよい点である。

    0
    2009年10月07日
  • 音楽の基礎

    Posted by ブクログ

    やっぱり基礎は勉強しておかねばな、と思って読んだものの…後半、難しいです…


    2017年8月再読
    以前よりは理解できる部分が増えてきたけど、最後のあたりはやっぱり難しかった。もっとたくさんの曲を聴いて、たくさん楽譜を読めばわかることが増えそうな気がする。

    0
    2017年08月28日