新井円侍のレビュー一覧
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冤罪により逮捕された主人公の連れ行かれた先は
薄暗い共同墓地。
墓地という場所のため、出てくる人物は
主人公と、そこにいた老人と、何故かいる少女
それに怪しげな少年。
逃げられないように、と教育された犬がいますが
どうやってここまで教育したのか。
そちらの方が気になります。
逃げようと考える主人公と、何もしらない少女。
ただの気味が悪い老人かと思いきや…という
なかなか悪知恵が働いています。
薄暗い場所で、土を掘り、暗がりにて語る。
静かに、というより、静かな淡々とした話。
そのせいか、最後の光がまぶしかったです。
しかし冤罪…。
犯人、誰だったのでしょう? -
Posted by ブクログ
上官殺害の罪を着せられた元少年兵・ムオルが囚人として送り込まれたのは、森の中にある奇妙な共同墓地だった。墓地の穴掘りとして暮らし始めるムオルだったが、掘らされている墓穴は人のものにしては大きすぎる。一体なにを埋めるための墓穴なのだろうか?
夜の墓地で出会う墓守の少女・メリアや、昼間に現れる「カラス」の口からムオルは墓穴に埋められるものの正体を知る。それの名前は、人類の天敵、ザ・ダークと呼ばれていた。
少年ムオルが恋心を抱いた少女のために人類の天敵と戦うストーリーかと思いきや、むしろザ・ダークやメリアなどが持っている謎を解きほぐしてゆくのが秀。事実、ザ・ダークに対しての対抗手段はほとんどなく、 -
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“「おまえは誰だ?」
立ち上がりながら、少年は訊ねた。
フードの少女は相変わらず、不思議そうな視線で少年を見ていた。騒いだり怖がったりするようなことはないものの、彼女の心の中には戸惑いと興味が混在しているようだった。まるで道を歩いている最中、卵から雛が孵るところに出くわしたみたいに。
彼女は不自然なほど間を置いて、それこそ言葉が通じなかったのではないかと思うくらいの沈黙のあと......
「メリア・マス・グレイブ<共通墓地のメリア>」
と、言った。
その単語の連なりが少女の名前だと理解できるまで、しばらくかかった。
「......メリア?」
確かめるように繰り返すと、彼女は小さくうなずいた。
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Posted by ブクログ
物語はライトノベルというには少々固い文体で綴られる。だが、それは作品を通して感じられる暗い雰囲気に合っている。
舞台は墓地であり、基本的な登場人物はごくわずかである。
昼と夜の場面に分けられており、昼はカラスと名乗る少年と、夜は墓守りである少女メリアとの交流が描かれる。主人公は卑屈ないわゆる典型的なラノベ的少年ではなく、冤罪に反発し、労働を強いられる環境から脱出しようとする、外に向かう自我を持つ積極的な少年である。
作中には、囚人をオリッド、歩兵をモグラとルビ振りをする等の設定が見受けられ、舞台は動かないものの、取り巻く世界観を窺い知る用語には事欠かない。主人公が元々は従軍していたことから、文 -
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雑誌のビジュアルに惹かれて買いました。本屋で購入、そこんとこ、ちゃんと貢献いたしてます。
感想としては、読んで損はなかった程度には面白かった。
そんな感じです。
けして、駄作というわけではないです。
ただ、前半の三分の二の進み具合がえらくゆっくりなので、タイトルのダークさをあんまり感じることができなかったかなと。
ただ、終盤、ラスト前。
ヒロインのために決断する所は、良かったと思います。
惜しいなと思うのは、主人公にあまり感情移入できなかったこと。
感情移入するには、ちょっと情報が少なすぎる。あと、文章が微妙に読みづらい。
ただ、もっと、これから書いて行けば、面白い物がでてくるんではないか