山中恒のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ本書は学研「小学六年の学習」で昭和42年に連載された作品がベースとなった児童文学作品です。主人公は夏休みに家出した小学6年生の成長ぶりをリアルな親子の関係性を軸に綴られていく、およそ児童文学らしくない硬派な内容が特徴です。
5人兄弟の中で唯一無気力で要領の悪い秀一は、事ある毎に母親から叱られる。2人の兄と姉は優等生で、妹は毎度母親に告げ口のご注進。そんな秀一がプチ家出をきっかけに少しづつ大人になっていき、一見平和だった家庭に亀裂が…。
解説の尾崎秀樹氏「作者は本書で、現代の家庭教育のあり方を批判すると同時に、子供が子供であることの意味を探り、その問題を読者に投げかけている」
出来れば、親子で -
Posted by ブクログ
転校してきた女の子一美は、主人公の一夫の幼なじみ。その二人がふとしたことで、体と心がいれかわってしまう。男が女になり、女が男になったときに世間がどう変わるかを考えただけでも面白いが、それが自分のよく知っている相手だとさらになにが生まれるのか。原作は1979年、今から30年も前の作品、作者はなんとあの『ボクラ小国民』の山中恒である。当時はまだ今のようにジェンダー論が盛んでなかったろうから、男と女の役割のようなものを、入れ替わった二人が感じることになるのだが、今だと、もっと違ったものになったかもしれない。その意味で、この作品をリメイクした映画『転校生』第二弾はちょっとレトロ調でもの足りない部分も