山中恒のレビュー一覧

  • おれがあいつであいつがおれで(角川つばさ文庫)

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    ▼大昔に観た映画「転校生」の原作、という認識でした。「転校生」は大林宜彦監督、尾美としのりさん、小林聡美さん主演で、尾道で撮られた素敵な映画でした。一九八三年作品でしょうかね。

    ▼映画と違って、原作は小学6年生が主人公。腕白男子と元気な女子が、ひょんなことから入れ替わってしまう。びっくりで、仰天で、えらいこっちゃ。

    ▼男子の一人称で語られる。性格がざっくりしているので、あまり暗くはならないのですが、さすがに長期戦になるとめげてくる。最終的にはまたひょんなことでもとにもどれて、どっとはらい。

    ▼この騒動をめぐって、物凄く乱雑なレベルで根源的なジェンダーの問題が触れられるのがちょっと面白い。

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    2024年03月24日
  • おれがあいつであいつがおれで

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    児童文学っぽい感じでありながらも、男と女のジェンダーをメインに取り扱っていて、軽く読めるのに考えさせられる本です! 元の自分の性別の時には許されていた振る舞いが、入れ替わってしまった後の性別ではそぐわないとされ批判の対象になってしまうということが「男らしさ、女らしさ」とは何かという問いを投げかけてきます。 一夫と一美が慣れない相手の身体に苦労しながらも、相手を思いやる様にはじーんとくるものがありました!

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    2025年12月21日
  • ぼくがぼくであること(角川つばさ文庫)

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    ネタバレ

    1976年の作品らしい内容。学生運動で捕まったり、学校で立たされたりしている。母親もここまでヒドイ人いるかな?と思うくらい徹底してヒドイ。山中恒らしいとんでもない内容でおもしろいけれど、今の子が読んでどう思うのか気になった。

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    2023年05月06日
  • ぼくがぼくであること(角川つばさ文庫)

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    ネタバレ

    表紙は今どきの絵柄ですが40年以上前の作品です。

    これは…母親の立場で読むと辛いです…
    こんなに嫌われないように気をつけないと…

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    2023年04月03日
  • ぼくがぼくであること

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    昭和44年の作品ということだったが、展開が始まってからは(最初の主人公がどういう少年かというくだりがやや長い)どんどん話が繰り出されていき、面白く読めた。ただ、女は家事、男は稼ぎみたいな昔のテンプレート的な設定や会話は多く、そのあたりを今の子がどう受け止めるかは不明。
    五人兄弟(!)の下から二番目、小六の秀一は名前はりっぱだが、成績などイマイチ振るわず、兄弟姉妹の中でいつも駄目だと母親に言われ続けている。他の兄弟は皆、良くできる。
    あまりにも怒られるので、夏休みに家出を試みる秀一。もちろん計画性もなにもない(アホなので)。このへんまでは読んでいてもあまり楽しくない。
    しかし、飛び乗ったトラック

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    2022年08月30日
  • おれがあいつであいつがおれで(角川つばさ文庫)

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    1979年に書かれた、TS入れ替えモノの古典。
    この分野に興味がある人は押さえておきたい作品。

    主人公は小6男女。
    リーダビリティは高く、エピソードやキャラ造形は秀逸。
    児童文学ゆえ、葛藤や苦悩はあっさりめな、スラップスティック調。

    また、価値観が昭和。
    古いジェンダー観だし、親や教師が子どもにガンガン暴力をふるう。
    でも、昭和ってそういう時代だった。

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    2021年10月05日
  • ぼくがぼくであること

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    夏休みのある日、小学校六年生の秀一が突然家出をした。その波紋は、静かに深く広がって激しく家庭をゆさぶった。家出先で出くわしたさまざまな出来事−−−ひきにげ殺人事件の目撃、武田信玄の隠し財宝の秘密、発行の少女夏代との出会いなど−−−が微妙に絡みあって、教育ママの母親や優等生の兄妹の重圧から彼を解放する。
    家庭が持つ強さともろさの二面性を児童文学の中にみごとに描き、読み物としても抜群におもしろい話題作。

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    夏代のキャラクター、特に最後の祖父との会話がグー。

    過去ではなく今が大事(リアル)という夏代のセリフがいい。さすが山中恒、子どもにこういうことを言わせてしまうところがとてもいい。模

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    2018年10月15日
  • あばれはっちゃく ‐ワンぱく編‐

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    今読んでもまるで古びていない。長男に読ませたら絶対気に入るはずだけど、せっかくだから、まずもう少し年少者向けのものから薦めてみることにした。それにしても、山中恒を読んでいて一番強く感じるのは、でてくる大人が子どもとちゃんと戦っていること。子どもの気持ちを包容力をもって受け止めるとかいうのではなく、迷惑だと思いつつも、無視するのでもなく、おなじ土俵で戦っている。ラストのひとみちゃんのセリフ、「いじわるなおとなになりたい」っていうのは、そういう大人と子どもの葛藤をライフテーマで描いてきた山中恒、一流のメッセージなんだなあとあらためて感じた。

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    2015年04月03日
  • ぼくがぼくであること

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    親と子達の物語。
     母親を嫌うようになった子供たちの様子が描かれいるけどこんな小学生いるか?と思ったが境遇によってはいるのかもしれない。作者が子供の時に体験した事を文章にしたらこうなるのか...言葉が大人ぽっくて小学生に思えなかったが、作品の時代背景や戦国時代についてふれている関係なのかな。

    家出をモチーフに親と子の関係をうまく物語りに取り込んでいました。さすが児童文学の最高傑作で考えさせられました。そして正直に面白かったです。

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    2014年04月20日
  • おれがあいつであいつがおれで

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    男と女が入れ替わる。そんなこと現実に起きたらすごいですね。とてもゆかいで面白い話でした。一つ言いたいことは、下品な言葉が他の本の何倍かあったことかな?想像の中の世界で思い切り楽しめました。

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    2014年03月26日
  • おれがあいつであいつがおれで

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    男女入れ替わりモノの元祖ということで読んでみた。少年少女のキャラクターに昭和の限界は感じるけれども、テンポよく品よく児童小説の王道を行くストーリー展開だった。

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    2014年02月14日
  • おれがあいつであいつがおれで

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    とても面白かった。児童文学なのだが、児童を過ぎた年齢でも楽しめる。
    ことの始まりは、転入生の女の子が主人公の男の子にやたらと絡んできたこと。主人公と一緒に「こいつうざい」と思ってたが、身体が入れ替わってからは本当に大変。親は自分のことを親だと分かってくれない、怒鳴って怖い顔して家から追い出す。男の子と女の子の違いもある。誰も理解してくれない。相手を思いやる心を根底に描いた良作。筆者の他作品も読もう。

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    2013年11月10日
  • おれがあいつであいつがおれで(角川つばさ文庫)

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    5・6年生の好きそうな言葉が転がっていて、良かった。
    ジェンダーフリーのご時世、一美のお母さんが大袈裟な気もしたけど...。

    面白かった!

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    2013年02月01日
  • ぼくがぼくであること

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    なんとなく手にとって読んでみたら、主人公は小6の男子。
    ちょっと反抗期。
    うるさい母親。

    なんとも自分の境遇に似ている・・・。

    読めば読むほど、母親が鬱陶しい。

    私が読み終わった後、小6の息子が読み始めたので、
    「この母親、ママとかぶる?」と聞いてみたら、やはり「すごーくかぶる」とのことで。

    普段の自分を大いに反省するきっかけとなった良い1冊でした。
    すごく前の作品とは思えない今読んで共感できる本でした。

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    2012年09月01日
  • おれがあいつであいつがおれで

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    小学生の頃に初めて読んだ。
    少しエッチな場面にドキドキしたりしながら読んだ事を覚えている。

    この本が書かれた当時は、男女の区別が今よりもハッキリしていたのだろうなと思う。
    女の子なら母親の家事を手伝うもの、とか、
    話し言葉が男っぽいと怒られたりとか。

    それに比べて、男の子が女の子ぽい事に対しては、
    今のあまり変わらない気もする。
    ある程度は許容されているんだろうけど、
    イジメの対象になりやすいという点は、あまり変わらないんじゃないかなぁ。

    小学6年生で、思春期の始まりのような微妙な時期。
    恋愛感情が芽生え始める時期。
    大人と子供に狭間のような時期。

    女の子の方が少し大人で、
    男の子の方

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    2012年04月16日
  • ぼくがぼくであること

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    ネタバレ

    子供向けの読み物と思って油断した。

    兄弟の中で、ひとり、出来が悪いと母に毎日小言を言われる主人公、秀一。兄の良一、優一、姉の稔美、妹のマユミ。ほかの兄弟は、成績もよく、母の小言を言われる事がない為、秀一だけが一人、母の小言を受ける事になる。

    この本が書かれた当時の時代背景が、今とは違うから、「全学連」などという耳慣れない言葉も出てきて、少々分かりづらい部分もあるけれど、この本の世界に引き込まれる。

    妹のマユミの告げ口から、母との言いあいになり、軽い気持ちでした家出が大きな事件になり…。

    ここまでめちゃくちゃな母親はないだろう、と思いながらも、これに近い母親はきっといるだろうと思う。

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    2012年03月30日
  • ぼくがぼくであること

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    ネタバレ

    すごい。これが児童文学か?小6の子供が主人公なだけで、ただの児童向け読み物とは思えず。「常識や慣習といった束縛にとらわれず、自分の頭で考えてみよう。そのために、外の世界に目を向けよう」という思いがある。
    ラスト、自分の家が燃えたのにも関わらず感じてしまうすがすがしさは、やはり今までの束縛が壊れだしたからだろう。結局のところ、何も問題は解決していない(解決しそうな気配はあるけれど)。それでも前向きな気持ちになるのは、自分の頭で考えだした人が行動を始め、今までの束縛から逃れだしたからだ。

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    2012年01月22日
  • おれがあいつであいつがおれで

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    「あれ、神社の階段から転げ落ちるんじゃないんだ!?」
    ・・・と思ってしまいました。原作はちがうんですね^^;

    正直なところ、あまり物語には期待していなかったのですが
    意外に(失礼)おもしろい!

    読み進めていくうちに主人公の一夫がどんどん頼もしく成長していき、
    一美をなぐさめたり守ろうとしたりする姿はすごく微笑ましく感じました。

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    2011年10月04日
  • ぼくがぼくであること

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    最初は文章が古臭いし、主人公の魅力ゼロで読むのをやめようかと思ったほど。でも、公園で寝ていた男のトラックの荷台に潜り込んで家出してから急に物語が生き生きと動き出した。殺人事件、世話になった家の秘密、武田信玄の財宝と、結局最後まで読んでしまった(笑)

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    2011年07月08日
  • フランケンシュタイン

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    児童向けなようで字が大きくて読みやすいです。
    第一部は著者のオリジナルストーリーが勧められており、
    第二部から原作のストーリーが始まります。
    ただ、フランケンシュタインのモンスターの話が
    第一部で抜粋(正確には本書の主人公の台詞として出)されており、
    第二部でその部分が重複するのを避けるためにか要約しかなく、
    物語の最中もオリジナルストーリーの描写が入ったりと
    純粋に原作を読みたい人には不向きかもしれません。
    それがブレイクになって休み休み読めるのは利点かも。
    オリジナルストーリーも子供が入りやすいものだと思います。

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    2010年05月06日