桜井弘のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
金属が生命の誕生と存続のためにこれだけ深く関わっているなんて…という感動を覚えさせてくれる本です。カンブリア大爆発はスノーボールアースが溶けた時に、大量の金属成分が海に流れ込んだことにより始まったという。そのことは、約11億年前の地層の上に5億年前の地層覆っている場所が世界に11ヶ所もあることからもその当時の土砂が長雨や風により海洋に流されていたことを示す。金属の微量元素が細胞を形成することに大きく関わったというのは確かなことである。ダイナミックな地球の歴史を化学の眼から見るとその変化した原因がわかる。
前半はとても興味深いのだが、後半は私にとっては少し細かすぎると感じたが、素晴らしい本であ -
Posted by ブクログ
人体における「鉄分」というと馴染み深いが、それ以外にも身体には微量な金属を含まれている。亜鉛や銅、セレン、モリブデン、マンガンやクロム、コバルトまで。何で?という何のために?とどのような経緯で?という疑問が湧き起こる。
そこに関係しているのが「酸素」だ。昔の海には鉄がたくさん溶けていた。シアノバクテリアの光合成による酸素と鉄が反応して、鉄は海底に沈んだ(縞状鉄鉱)。他の金属(モリブデンなど)が海に残った。
生物は酸素分子を用いて大きなエネルギーを得る一方、体内で活性酸素種が発生する危険を冒してまで、酸素分子を利用する方向での進化を遂げる道を選んだ。しかしそれは、酸素のもつ強い毒性を甘んじて -
Posted by ブクログ
生命にとって金属とはなにか、というタイトルのそのままの内容。文系のぼくには内容は意外に高度で理解が十分でないが、面白く読めた。
特に、「カンブリア大爆発」と金属元素について。大陸運動や火山の噴火熱による岩石や土の溶解、氷の融解にともなって大量の岩石や土砂が海洋へと流れ込み、海水中に多種多様な元素、特に金属元素が流入し、それが海洋中の植物や生物の体内に取り込まれ生体内で機能変化をもたらした。これにより、新しい生物の誕生と繋がったという仮説が面白い。
元素の周期表。これはロシアの化学者、メンデレーフが1869年に発見した。メンデレーフの凄いところは、周期表により未発見の元素を予言したこと。そして