三浦國雄のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
易占いくらいしか認識は無かったがその起源の古さに驚く。本書にも書いてあるが陽と陰を元に64パターンを形成していくというのはコンピュータの二進法のような考え方で先日読んだ『書経』と比較しても異色といえる。
予言というかお告げみたいな言葉が連なっておりオヤジの小言みたいだが戦争も踏まえたようなモノもあり妙なところでリアリティがある。組み合わせのメカニズムは精緻に見えるが理由づけというか理論がよく分からなかった。なのになぜこんな点数をつけているかというと解説が面白い為である。『三国志』を始めとする中国の史書(三国志については演義かもしれない)だけでなく日本人の易者学者にまで筆が及んでいる。当たってい -
Posted by ブクログ
中国人が「場」をどのように捉えていたかを探る13本の論文と対談1本。もともとは風水学(「術」ではない)の書き下ろしを企画していたそうだが、都合により旧稿を集めて一書としたとのこと。場や空間に関する考察だけでなく紀行文、書評とバラエティに富んでいるが、最終的には風水学へと収束する見事な編集となっている。
「壺中の天」のような閉じた空間の別世界を指向する一方で、「天」「宇宙」のような時間と空間の限りのない世界も同時に指向し、更にそれらを同居させようと思案するさまが興味深い。また、風水の考え方が民衆に根付いていたという指摘も面白い。本書ではさらっとしか触れていなかったが、学問としての風水が普及し