秋山淑子のレビュー一覧

  • コーランには本当は何が書かれていたか?

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    1年間にわたってイスラム学者からコーランについて解説してもらいながら、ジャーナリストである著者がコーランを読んでいく。その講義を通じて、「イスラム的」とされるものの多くは地域や部族の習慣に過ぎず、コーランに書かれていないことを知る。

    著者にコーランを講義するイスラム学者のアクラムは、非常に敬虔な信仰を持っている。行動だけでなく人格的にもムハンマドに倣おうと考えたアクラムは、非常に穏やかな人柄の人物でもある。「ムハンマドが教友たちに『静かに穏やかに振る舞う』よう助言した」からだ(92ページ)。

    9.11やISのおかげでイスラムにはかなり悪いイメージが付いているが、色々な本やネットの記事を読む

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    2018年02月15日
  • コーランには本当は何が書かれていたか?

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    ネタバレ

    コーランと解釈はその時代ごとに行きつ戻りつしていること、聖典の読み方は変えられても聖典の絶対性と信仰の絶対性は変えられないこと、宗教を外側から見ること。

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    2017年10月01日
  • コーランには本当は何が書かれていたか?

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    ネタバレ

    ラマダン月にイスラム教を学ぶための本を読もうという個人目標を立て、選んだ本。ちょっと期待外れのところもありましたが、総じて読み応えはありました。

    最初にちょっとした批判、というか不満。
    訳本にありがちなんですが、原題をないがしろにし過ぎ。著者がつけたタイトルは"IF THE OCEANS WERE INK - An Unlikely Friendship and a Journey to the Heart of the Quran"です。直訳すれば「たとえ海がインクだったとしても - 奇妙な友情とコーランの核心への旅」といったところでしょう。
    本書の中に「たとえ海がイン

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    2017年07月02日
  • コーランには本当は何が書かれていたか?

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    非イスラム教徒の女性ジャーナリストが、イスラム学者で聖典解釈者とコーランについて様々な議論をします。何が書いてあるかというよりは、どういう姿勢で読むのか、どうすれば預言者ムハンマドに近づけるか。西洋から見た表面的なムスリムではなく、ムハンマドが本来伝えたかった真髄に触れられたように思います。

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    2016年06月25日
  • コーランには本当は何が書かれていたか?

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    借りたもの。
    イスラーム過激派組織に関する報道でとり上げられている「コーランの一節」とされている大部分(イスラーム国家の建国とか、楽園に72人の乙女がいるとか)が、実はコーランには書かれていない!!というキャッチーな事実から始まり、読んでいてどんどん惹き込まれていった。
    勿論、報道でもそれらが「『コーラン』を歪曲した解釈である」と端的に伝えられるが、では一体『コーラン』は何が書かれているのか、何を言わんとしているのか……
    インド系イスラーム教徒のアクラム師と女性ジャーナリストのカーラ女史による、1年の講義――それは『コーラン』の一部分に対する旅のようなものだった。

    “保守派”や“原理主義”と

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    2016年07月02日
  • コーランには本当は何が書かれていたか?

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    [大海の中へ]いわゆる世俗的な家庭に生まれ、中東や南アジアの諸都市で育った著者のカーラは、イスラーム古典の卓越した研究者であり、ムスリムでもあるアクラムと出逢う。欧米で吹き荒れるイスラーム批難の声に違和感を覚えた彼女は、イスラームを理解するために、アクラムと1年間にわたって『コーラン』を読み進めるというプロジェクトに乗り出すのだが......。著者は、『ニューズウィーク』紙などに寄稿しているジャーナリストのカーラ・パワー。訳者は、東京大学で宗教を学んだ経験を持つ秋山淑子。原題は、『If the Oceans Were Ink: An Unlikely Friendship and a Jour

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    2016年04月06日
  • コーランには本当は何が書かれていたか?

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    コーランを読んだ直後に読んだこともあり、コーランに対する前提の衝撃はそこまで大きくなかったものの、自由に解釈するという意味での幅の広さ・懐の深さを感じ得るには十分だった。歴史書とも言える旧約聖書、物語とも言える新約聖書に対して特定の時代の生活様式を書いたものがコーランであるというイメージを持っていた中ではなかなか新鮮な本だった。
    適切な本を知らないが、イスラム教徒アラブ世界の慣習が切り分けられる副読本があるととても良いのだが。

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    2016年11月01日
  • コーランには本当は何が書かれていたか?

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    多くのムスリムがコーランをまともに読んでいないとは驚きだった。
    前後の文脈と歴史的背景を前提に、解釈しないと全く正反対の意味合いになるのだと理解。その意味では、この本で示されている解釈も、1つの解釈に過ぎない。
    異教徒を攻撃してよいとする部分も、その時代背景があったから出たものだとすれば、現代も同じ状況だと言えれば、現代でも認められるのではないか。
    解釈は多様であり、一般的に考えられているイスラム教の反西欧文化的な部分も、 異なる解釈をする人が少なからずいる事は認識しておく必要がある。

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    2016年10月04日
  • コーランには本当は何が書かれていたか?

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    イスラム教の歴史上、女性のイスラム学者は9000人いるという。
    モスクで礼拝することについて、原初、女性は子育て等の理由で「免除」されていたが、禁止はされていなかった。
    禁止したのはその後のアラブの習慣によるらしい。

    著者が対話するインド出身のイスラム学者の立場は明快だ。コーランは神の言葉であり、信仰は自身と神の契約であり、それ以外の何物も介在させる余地はない。
    宗教を法とするということは、法にさえ違反しなければ正しく信仰していることになるという、堕落をもたらす。自身の信仰が正しいかどうかを判断するのは神のみだ。法律を決めた高官ではない。形式もまた然り。イスラム国は真っ向から否定される。

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    2016年05月23日
  • コーランには本当は何が書かれていたか?

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    ムスリムの思考とその根源であろうコーランの内容を知りたいと思い、購入。

    米国人でジャーナリストでフェミニストで多元主義者である女性(著者)と、保守的でコーラン原理主義的なイスラム教の学者であるアクラム師との対話(ソクラテス・メソッド的なコーランの講読)の記録。
    巻末に簡単な用語集があり,役に立つ。

    アクラム師は,コーランと預言者ムハンマドの言行(ハディース)に忠実であるという意味で,極めて保守的で原理主義的。
    しかし,その原理主義の内容は,コーランやハディースの解釈に際しては,常に,前後の文脈,イスラム教の歴史(とイスラムの教えと単なる地域的な慣習との峻別)を十分に考慮するというもの。

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    2015年12月01日
  • コーランには本当は何が書かれていたか?

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    インド出身の過激な静寂主義者「アクラム」を通じた、著者によるイスラム教の解釈について記されている。
    著者は、アメリカ人でユダヤ教の家に生まれたが、熱心な信者ではなくどちらかというと無宗教という宗教観の女性。

    コーランに書かれていることには大変興味があるので、本書を読めばそれが分かるようになる、と思ったら間違いでした。
    結局、昔のアラビア語で書かれたコーランは、それをどう解釈するかにより、攻撃的にも融和的にもなりうるのだ、ということを理解出来た。

    また、この世に救いを求めないような宗教観は、まるで仏教も同じではないかと意外な共通点があるものだ、と不思議な感じである。

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    2018年02月19日
  • コーランには本当は何が書かれていたか?

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    コーランに書かれていることについて、誤謬を正す本。異文化によって生じるギャップを埋める考えも記されている。

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    2016年04月21日
  • コーランには本当は何が書かれていたか?

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    本書の主張のエッセンスとしては「現在我々がイスラム世界に対して原理主義的、異常だと思う慣習や考え方は、元々のコーラン、ムハンマドの教えには無い」ということになろうか。
    内容にムスリムの日常や自分語りが多く、彼らを理解するための背景として必要なのかもしれないが、それにしても分量が多く冗長に思える。原題を見ると、あくまで友情を通じて議論を交わした経過を綴った本ということなので仕方が無いか。

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    2016年01月09日
  • コーランには本当は何が書かれていたか?

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    マスコミの影響を受け、イスラム教について多くの誤解をしていた。コーランを都合よく援用して、様々な混乱を生じさせていることがよく分かった。

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    2016年01月06日
  • コーランには本当は何が書かれていたか?

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    この題名には少々裏切りを感じる。フェミニストのユダヤ系アメリカ人女性が、コーランの解釈を研究するインド人、オックッスフォード在住のイスラム原理学者から講義を受け、密着取材をしたもの。非常に個人的な内容で、いわゆる少数派の解釈だ。家庭において男は女を管理し、究極的には打って従わせるとの内容や、多神教徒たちを見出し次第殺す、などとの物騒な記述は確かにあるようだ。これらの文面の解釈や、その後構築されたイスラム法により進化した現代のイスラム教をどう受け止めるかで、大きな幅があるということのようです。

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    2016年01月03日