宗教への信仰を持たないアメリカ人女性ジャーナリストが、
友人のイスラム教の指導者とともに、コーランを実際に読む。
・女性はベールやヒジャーブで身体を覆い、肌を見せてはいけない。
・女性に教育を受けさせてはいけない。女性を打擲するのが夫の務めだ。
・ムハンマドが9歳の妻を娶っていたことは小児性愛の肯定だ。
・ジハードで死ぬと楽園の72人の乙女という報酬を約束されている。
コーランには、実はそんなことは一言も書かれていない!
子ども時代をイスラム圏で暮らし、今はジャーナリストとして「ニューズウィーク」や「タイム」などに多くの記事を寄稿しているカーラ・パワー。
彼女はある日、17年間のキャリアの中で、編集者から一度も「コーランについて書いてほしい」と言われたことがなかったと気がつく。
メディアが求めるのは、いつも「イスラム教から生まれた政治」であり、イスラム教そのものではない――。
そう感じた彼女は、かつてオックスフォード大学イスラム研究センターで同僚だったイスラム学者のアクラムとともに、1年間にわたってイスラム教の原点、コーランを読み解くことを決意する。
女性の権利、ジハード、小児性愛、夫の暴力、イエス・キリスト、そして死後の世界……。
コーランの真髄に触れる旅の中で、知られざるイスラム教本来の姿が明らかになる。
Posted by ブクログ 2018年02月15日
1年間にわたってイスラム学者からコーランについて解説してもらいながら、ジャーナリストである著者がコーランを読んでいく。その講義を通じて、「イスラム的」とされるものの多くは地域や部族の習慣に過ぎず、コーランに書かれていないことを知る。
著者にコーランを講義するイスラム学者のアクラムは、非常に敬虔な信...続きを読む
Posted by ブクログ 2016年07月02日
借りたもの。
イスラーム過激派組織に関する報道でとり上げられている「コーランの一節」とされている大部分(イスラーム国家の建国とか、楽園に72人の乙女がいるとか)が、実はコーランには書かれていない!!というキャッチーな事実から始まり、読んでいてどんどん惹き込まれていった。
勿論、報道でもそれらが「『コ...続きを読む
Posted by ブクログ 2016年04月06日
[大海の中へ]いわゆる世俗的な家庭に生まれ、中東や南アジアの諸都市で育った著者のカーラは、イスラーム古典の卓越した研究者であり、ムスリムでもあるアクラムと出逢う。欧米で吹き荒れるイスラーム批難の声に違和感を覚えた彼女は、イスラームを理解するために、アクラムと1年間にわたって『コーラン』を読み進めると...続きを読む
Posted by ブクログ 2016年11月01日
コーランを読んだ直後に読んだこともあり、コーランに対する前提の衝撃はそこまで大きくなかったものの、自由に解釈するという意味での幅の広さ・懐の深さを感じ得るには十分だった。歴史書とも言える旧約聖書、物語とも言える新約聖書に対して特定の時代の生活様式を書いたものがコーランであるというイメージを持っていた...続きを読む
Posted by ブクログ 2016年10月04日
多くのムスリムがコーランをまともに読んでいないとは驚きだった。
前後の文脈と歴史的背景を前提に、解釈しないと全く正反対の意味合いになるのだと理解。その意味では、この本で示されている解釈も、1つの解釈に過ぎない。
異教徒を攻撃してよいとする部分も、その時代背景があったから出たものだとすれば、現代も同じ...続きを読む
Posted by ブクログ 2016年05月23日
イスラム教の歴史上、女性のイスラム学者は9000人いるという。
モスクで礼拝することについて、原初、女性は子育て等の理由で「免除」されていたが、禁止はされていなかった。
禁止したのはその後のアラブの習慣によるらしい。
著者が対話するインド出身のイスラム学者の立場は明快だ。コーランは神の言葉であり、...続きを読む
Posted by ブクログ 2015年12月01日
ムスリムの思考とその根源であろうコーランの内容を知りたいと思い、購入。
米国人でジャーナリストでフェミニストで多元主義者である女性(著者)と、保守的でコーラン原理主義的なイスラム教の学者であるアクラム師との対話(ソクラテス・メソッド的なコーランの講読)の記録。
巻末に簡単な用語集があり,役に立つ。...続きを読む
Posted by ブクログ 2018年02月19日
インド出身の過激な静寂主義者「アクラム」を通じた、著者によるイスラム教の解釈について記されている。
著者は、アメリカ人でユダヤ教の家に生まれたが、熱心な信者ではなくどちらかというと無宗教という宗教観の女性。
コーランに書かれていることには大変興味があるので、本書を読めばそれが分かるようになる、と思...続きを読む