スラヴォイ・ジジェクのレビュー一覧

  • あなたの知らない「世界の新常識」(インターナショナル新書)

    Posted by ブクログ

    目を覚させられる見識や指摘が多い。
    個人的には、ジェイソン・ヒッケル氏による、資本主義の次に来るべき社会システムについての論述が最も興味深く、まさに少子高齢化の先頭ランナーとして、如何に素晴らしい国にして行くかを考える際、これまでの経済成長至上主義的なアプローチではいけない事を痛感した。

    0
    2026年06月12日
  • 戦時から目覚めよ 未来なき今、何をなすべきか

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

     奇を衒ったレトリック、飛躍と逸脱、アイロニーに貫かれたアクロバティックな論理のひとだと思っていたジジェクが驚くほどまともなことを書いていることに驚かされる。それだけこの世界が常軌を逸しているということなのか。本書後半の「テクノ・ポピュリズム」にかんする言及は、まさに日本における「チームみらい」的な政治勢力が登場する的確な説明となっている。

     表紙にスパナと麦とペンを握る3つの拳が書き込まれた赤いシャツを着て写るジジェクは、「グローバル資本主義」という真の敵を見誤ってはならない、そのためにはウクライナの嘘や間違いを果敢に批判しつつ、断固としてウクライナの側に立たなければならない、と繰り返し主

    0
    2026年04月25日
  • 「進歩」を疑う なぜ私たちは発展しながら自滅へ向かうのか

    Posted by ブクログ

    進歩主義を疑う視点を身につけられる。
    様々な思想は、良い面もあれば。欠点もある。どれだけ素晴らしいものでも、その性質があるが故に、陥る穴がある。そして、その弱点は、その思想が見落としている側面による。

    ファシズム系の展望には保守的な近代化がある。伝統的イデオロギーが出てくると厄介

    科学が環境問題を生み出しているが、科学を捨てて問題解決はない
    地球工学という考え方があるが、地球規模の協調が必要
    大文字をうたがうさいには、ソクラテスに帰れ
    右派ポピュリズムの悪循環もきりがはれるときがある
    既存の枠内では、運命が予め決まっているかのように見えるが、それでもこの枠組みを変えることはできる。
    →今の

    0
    2025年09月15日
  • 戦時から目覚めよ 未来なき今、何をなすべきか

    Posted by ブクログ

    どうしてこんな世の中になってしまったのか,それはどうして変わらないのか,であれば我々は何をすべきなのか?
    出版されたのがちょうど1年前でトランプ再選前である.世の中の動きがあまりにも早いのであるが,本書の内容に時代からずれているところは一切ない.ウクライナへの対処が極めて重要であることをよく理解した.
    自分の知識と読解力では難しいところがあるので,もう一度読み直してみよう.
    原著のタイトルは Too Late to Awaken.ちょっとこの日本語タイトルはよくないかな.

    0
    2025年05月11日
  • あなたの知らない「世界の新常識」(インターナショナル新書)

    Posted by ブクログ

    各界の知識人が考える新常識を横断的に見るというテーマですが、気候変動・核開発・AIや遺伝子工学の発展等のリスクに議論は結局収斂されますね。
    脱資本主義、ポストトランプ体制、テクノロジーと人間がいかに共存するか、これらの論点は常に我々もアップデートしなければならないと再認識しました。

    0
    2026年05月20日
  • あなたの知らない「世界の新常識」(インターナショナル新書)

    Posted by ブクログ

    これからの価値の変革について日本のメディアではほとんど取り上げられていない
    過去しかみていないコメンテーターと称する人々にとっては理解の及ばない事柄
    何が大きく変わるのか、変わろうとしているのか、これからの社会に飛び出す若者にとって必読

    0
    2026年05月02日
  • あなたの知らない「世界の新常識」(インターナショナル新書)

    Posted by ブクログ

    定期的に読みたくなる種類の新書。最新状況の確認というか、自分の認識のアップデートとしてのルーティンみたいなもの。世界の知性と言われ、リーダーたちのメンターとしても一目置かれている方々。哲学、経済学、人口学、物理学などの各分野から、社会や政治、技術がどうなっているかを解説してくれている。共通しているのは、「現代」が将来から見たときに、分岐点だったと言われる時代ではないかということ。民主主義、資本主義、宗教などの変化や、AIの台頭などで、過去100年より驚異的なスピードで格差が広がっているということ。もう一つは、フラット化しつつあるにもかかわらず多くの国々が独自の価値観をより重視し、配慮なく振る舞

    0
    2026年04月29日
  • 「進歩」を疑う なぜ私たちは発展しながら自滅へ向かうのか

    Posted by ブクログ

    ジジェクの時事的な文章を集めたもの。アジテーション的な文章のため、訳者も言及しているようにところどころ危うい解釈も入り混じる。特にいまさら量子力学的な解釈に寄りかかって比喩的に使う必要なんてないだろうに。まあそんなことは委細構わず突き進む強さがジジェクの文章にはあり、稀代のアジテーターだけあるという感じ。特に最終章の否認の概念には共感できるところがあり、ダメかもしれないと思いつつも変えるべく動くという考え方はいま求められている思想なんだと思う。
    その他、多くの新しい思想にも言及されていてその意味でもいい紹介になっている。

    0
    2025年09月15日
  • 「進歩」を疑う なぜ私たちは発展しながら自滅へ向かうのか

    Posted by ブクログ

    イアン・ブルマと並行して読んでいると、ジジェクの言う「メビウスの輪」というのが実感できる。植民地主義への批判は真っ当だが、ポストコロニアルの現地の政府が横暴な専制、暴政を行う。「悪手かより悪い手か(前門の虎、後門の狼)という選択しかないように見える」。なるほど。惨事の脅威に立ち向かうよう求められている現代、同時に「管理された世界の一見正常な構造やリズムこそが究極の惨事であるという点を念頭に置く必要もある」と。

    人類が目指しうる唯一の疑いなき「進歩的」目標は単純な生存なのだ、というのは深く納得。
    ソクラテス革命が必要。詭弁家(ソフィスト)たちが演じる空虚な詐術がポリス(都市国家)の伝統をもっと

    0
    2025年09月01日
  • 戦時から目覚めよ 未来なき今、何をなすべきか

    Posted by ブクログ

    ロシアのウクライナ侵攻、イスラエルのヨルダン川西岸に対する姿勢に対する、西側諸国の欺瞞。抗議しているように見せかけて、内心現状肯定、現状を存続させることを願っているというウォークネスの偽善的態度を喝破している。
    アメリカやヨーロッパの新右派がウクライナ支持を躊躇、これがロシアの姿勢を反映しているように見えるのは不思議ではない、両者はグローバル文化戦争の同じ側、二つのバージョンだという説明も分かりやすい。だからこれを機に、軍事行動だけでなく、生態系破壊の危機を防ぐような暮らし方に切り替え、旧植民地諸国に借りがあることを認めるべきだ、と。
    アサンジは、自由を脅かす最も危険な脅威は公の公権力からもた

    0
    2024年08月05日
  • あなたの知らない「世界の新常識」(インターナショナル新書)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    難しいテーマは丸々1冊だと読み切れないけど、インタビュー形式で読みやすい。
    人口動態が変わっていわゆる白人中心・優位な時代が終わりつつあり、多極化やトランプ政権など国際政治の状況も様変わりで、価値観や政治が不安定化している、という現状分析が多かったかと。世界がどこにどう向かうのか、帯の「「常識」の時代は終わった。「力が正義」の時代が始まる」は暗澹とするけど、ある程度ニューノーマルとして現実を認識する必要はあるのだろうな。

    興味深かったのは、ジョセフ・ヘンリック(人類学者)のパート。
    ・WEIRD(西洋の、教育水準の高い、工業化された、裕福な、民主主義の)な特性(個人主義、他人への信頼、傾向性

    0
    2026年05月25日
  • 「進歩」を疑う なぜ私たちは発展しながら自滅へ向かうのか

    Posted by ブクログ

    訳者によるとジジェク思想は次の3つの要素を柱としている。
    1.哲学~ヘーゲルとラカンを筆頭に、カント、ハイデガー、マルクス、フロイトからの概念群が用いられる。西洋哲学の古典や近代哲学、ポストモダニズム思想の各潮流にも頻繁に言及がある。
    2.時事~原稿執筆当時から1年以内くらいの範囲で起こった出来事が分析される。
    3.文化~映画や音楽、小説や美術に加え、ジョークや政治、宗教や歴史を含む広義の文化が参照される。加えて、近年では量子物理学や進化生物学のような、自然科学の分野への言及、そして西洋以外(特にアジア)の文化や宗教への言及も増えてきた。
    感想としては以下の通り。
    ・ヘーゲルやラカンに言及する

    0
    2025年09月09日
  • 戦時から目覚めよ 未来なき今、何をなすべきか

    Posted by ブクログ

    世界の危機的現象「四騎士」(疫病・戦争・飢餓・死)により世界は壊滅へと動き出している、と言う。ロシアvsウクライナも双方に「平和維持の為の戦争」と言う理屈から多くの国民の死を伴っても未だ解決しない。それは「非合理的な欲望」が混載された状況で「権威主義」を捨てることができない国家が増えてきている所為でもある、と言う。スパイ行為、情報漏洩事件としてスノーデン、アサンジは国家の監視体制(我々全員が監視されている状況)を世の中に告発した例であり、歪められた「情報の透明性」は極めて難しい事と世に蔓延る怠慢な政治家が言う「真理・真実」とは真に受け入れがたい。その為には国民が「何もしない傍観者」ではなく、目

    0
    2025年05月31日