小泉文夫のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
日本語を母国語に持ち、日本列島に生まれ育った自分が、音楽について考えるにあたって、限りなく視野を広げてくれた一冊。食生活や生活環境、その土地の風土、言葉など、人が生きるにあたって身の回りにあるものが音楽にどれほどの影響を、具体的に与えているのかということを示してくれる。
音楽家の伊福部昭が「民族の特殊性というものを通過して、共通の人間性に到達しなければならない」という信念を持ち、「真のインターナショナルはローカルを通してでないと到達できない」と語っていたように、人間本来の根源的な何かに触れるものをとらえようとするなら、この国の民俗性について注意深く目を向けなければならないわけで、この本はその -
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・・・・・書きかけ・・・・・
存命なら83歳、三國連太郎よりも4歳も若い小泉文夫は、1927年3月29日に東京で生まれた民族音楽学者ですが、残念ながら27年前の1983年にわずか56歳で亡くなりました。
私たちは、映画では小津安二郎や黒澤明や大島渚や宮崎駿を、世界に誇れる存在だと知っていても、音楽について武満徹や高橋悠治や小泉文夫がそれに値することをあまり認識していないのではないでしょうか。
中でも音楽の直接の創作者でも演奏家でもない小泉文夫がなぜ重要なのか?
『おたまじゃくし無用論』(1973年)や『歌謡曲の構造』(1984年)など通俗に向けた論考もユニークきわまりないのですが、 -
Posted by ブクログ
小泉文夫 「 日本の音 」民族音楽学の本。内容は「西洋模倣により 自己喪失した 日本音楽の原因と提言」このような分野の学問があることを知らなかったが、第一人者の話は引きこまれる。わらべうたなど 日本音楽の表現特徴、音楽教育の問題点、仏教音楽、能の話は 面白い
わらべうたなど 日本音楽の特徴
*西洋音楽のリズムは強弱→日本のリズムは前後
*日本音楽のリズムの強弱は 音楽の表現技法
*再創造=時代や好みによって形を変える
日本音楽の西洋化の原因と提言
*日本人が親しむ西洋音楽は その花の部分〜その元となった茎や根まで 感覚の領域は 至っていない
*日本人が日本音楽に疎遠になった理由は学校教育〜