水川隆夫のレビュー一覧

  • 夏目漱石と戦争

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    ネタバレ

    近代文学ってつい歴史物みたいな感覚で読んでしまうけど、書かれた当時は「現代」だったんだよな~としみじみ実感。
    漱石作品にこんなに日露戦争の影があるとは全く意識していなかった。書かれた時代を知らないと作品の意図は読みとれないんですね。

    戦争の時代に生きるということは、生活に、思想に、大きな影響を与えるんだなぁ…。

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    2018年03月21日
  • 夏目漱石と戦争

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    ネタバレ

    夏目漱石の作品と戦争の歴史とを照らし合わせて、どんな主義や主張があったかを読み解いていく作業が楽しかった。日記や、誰かに宛てた手紙などの情報もあり興味深かった。これらを踏まえてまた作品を読み直すと新しい発見があるかもしれない。
    年表を見ると、戦争と共に生きるしかなかった時代なのだと改めて思った。
    戦争がなく検閲がもし無ければ、書く内容もまた変わったのだろうか。書かないことで身を守った場合だってあっただろうし、それが作品にどう影響していたのかは読者が想像するしかないのだと思うと切ない。

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    2025年08月20日
  • 夏目漱石と戦争

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    漱石は日清、日露、第一次世界大戦の時代に生きていたのを確認した。言論統制が厳しくなり、想うこと・考えたことをそのまま表現するのが困難な状況にあったことにもあらためて気付いた。このようなことを意識して、漱石の作品を読み返したい。また作品を読む歓びが一つ増えたと思う。

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    2011年03月12日
  • 夏目漱石「こゝろ」を読みなおす

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    『こゝろ』を読んだのは高校2年生の頃だった。『こゝろ』だけでなく、漱石の小説は高校生の時分に1年7箇月かけて全て読破した。私の骨髄の奥には漱石がある。 30年経ち、いまこの評論を読んでまた改めて『こゝろ』を読んでみたくなった。「私」よりも寧ろ「先生」に近い齢となった今、受け留める印象もまた変わっているだろう。

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    2010年10月30日
  • 夏目漱石「こゝろ」を読みなおす

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    自分が読んでて気付かなかった見解や新しい見方などができて面白かった。
    「こころ」はいいなあ。

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    2009年10月04日
  • 夏目漱石「こゝろ」を読みなおす

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    夏目漱石「こヽろ」について、成立と構造を述べたのち上・中・下の展開に沿って論。新書版なので持ち運びがしやすく、なおかつすっきりとしている。

    上における「私」と「先生」について、鎌倉の海でバシャバシャと泳ぐ私/ぷかりと仰向けに浮かぶ先生などから、「私」と「先生」のあいだにあるずれのようなものを探る。
    また、中の「私」と父にスポットを当て「私」の物の見方に対して父の対応が丁寧に拾われている印象があった。
    下についてはお嬢さん・おかみさんと先生、Kと先生それぞれにスポット。お嬢さん・おかみさんの計算高さについてはある程度認めながらも自然になされるものと見、Kとの関係については儒教的道徳心と文明開化

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    2013年07月28日
  • 夏目漱石と戦争

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    [ 内容 ]
    若い頃から晩年まで、漱石の戦争に関わる言説を網羅的に収集して変遷を辿り、その特質に迫る。
    かつてはメディアや「国家主義」への“囚われ”から不適切な判断や表現をしてしまった漱石はその後、内なる「国家主義」をどのように克服し、戦争の悲惨への、独自の認識を深め得たのか?
    「国家主義」から「個人主義」へ―近代知識人の、戦争との“闘い”の軌跡を追う。

    [ 目次 ]
    漱石と日清戦争
    漱石と義和団事件・南アフリカ戦争
    漱石と日露開戦
    『吾輩は猫である』(一)「幻影の盾」と日露戦争
    『吾輩は猫である』(二)「趣味の遺伝」と日露戦争
    漱石と日露戦後
    漱石と第一次世界大戦
    結びに代えて―漱石の戦争

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    2011年05月30日