佐野誠のレビュー一覧

  • 新版 「生きるに値しない命」とは誰のことか ナチス安楽死思想の原典からの考察

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    第一次世界大戦後の1920年に書かれた『解禁』の日本語訳。それに2人の著者が書く反論と解。
    僕は安楽死と能力主義に対して、反論する言葉を持ち合わせていなかった。もどかしさしか感じていなかった。
    けれど、この本の特に森下直貴氏によるコミュニケーション論は非常に刺さった。安楽死や優生思想への回答と反論でこれ以上はまだ見たことがない。もう少し他の本も読んで、安楽死や優生思想についての意見を取り入れた上で、僕自身の言葉を探していきたいと思う。
    非常に勉強になった本でした。

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    2026年03月19日
  • 新版 「生きるに値しない命」とは誰のことか ナチス安楽死思想の原典からの考察

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    前半はビンディング及びホッヘによる『解禁』の和訳。後半は『解禁』への著者の考察。どちらも平易な文章で書かれており、難解な箇所はない。

    前半部に同意するような人は現代にはほとんどいないだろうが、こと安楽死等の話題になると、ふとした会話の節々に優生思想が頭をよぎるような発言を耳にすることもあるので、無意識の優生思想は根強く現代でも残っているのだと感じる。そういう意味では、本書の後半の考察部は一読の価値がある。特に区別というものが社会集団の中で差別に変換されていくことや、コミュケーションの重要性についてはなるほど、と思った。なお、本書で言及されているコミュケーションという用語の射程は一般のものより

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    2026年09月23日
  • 新版 「生きるに値しない命」とは誰のことか ナチス安楽死思想の原典からの考察

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    前半のテクストは非常に興味深く、また、納得できる箇所が多かった。
    それを批判するのが後半であり作者の意見なわけだけど、考えや意見が合わなかったので「ふーん、そっか」程度に読んだ。

    ただ残念なのは、全体的に「生きるのが大変な病状の人」にしか前半も後半も焦点をあてていないこと。
    病気やケガの回復が見込めないひとと老人のことしか考えていない。
    現代で安楽死を語るのであれば「生きていたくない人」を「自殺させないための安楽死」について言及するべきだ。

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    2023年05月05日
  • 新版 「生きるに値しない命」とは誰のことか ナチス安楽死思想の原典からの考察

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    なぜ能力差別が間違ってるのか、しっかりと納得できる説明に出会えた。
    誰しもがいつでも差別の対象になりうるから、想像力を働かせて、みんなで差別をやめよう、という理由は納得いくものではあるけど、
    それだと「差別されたくなければ」差別しないという条件がつくのが何か腑に落ちない感じがしていた。

    この本では老人も障害者もその存在がすでに社会とのコミュニケーションの役割を果たしていると指摘されている。
    確かに自分も老いることを祖父母に学んでいる。
    誰しも、その存在自体がすでに生きる意味に直結しているということは、言われて初めて当たり前のような気がするけど、素晴らしいことだと思った。

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    2023年02月19日
  • 新版 「生きるに値しない命」とは誰のことか ナチス安楽死思想の原典からの考察

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    ナチスのT4作戦につながる障害者排除の論理が、どのような歴史的・思想的背景から正当化されていたのかがわかり、意義深かった。結局、排除する側が言ってることはいまとまったくかわらない。経済的効率性であり、「あいつらは社会のお荷物だ。いまは彼らを養う余裕がない」という考え方がベースになっている。こういうことを言う人、いまもやまほどいるもんなあ。

    なみに元の本を書いたドイツの医者は、彼の主張を具現化したT4作戦がはじまったとき、身内が犠牲になって殺害に反対している。奥さんがユダヤ人で大学も追われた。誰でも当事者になりうるということを、もっとみな真剣に考えた方がいい。

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    2021年04月08日