古山和男のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
[ 内容 ]
ベートーヴェンが「不滅の恋人よ」と呼びかける三通の「ラヴレター」は、いまだに、誰に宛てて書かれたのか、決定的な証拠はない。
この音楽史最大のミステリーに、新説が登場!
実はこの手紙は、1812年の夏、全ヨーロッパを巻き込んだ大事件の中で、楽聖が「政治的危機」を友人に伝える「暗号」だったというのだ。
果たして真説か。
3通の手紙から壮大なスケールに広がる歴史絵巻、ここに開幕。
[ 目次 ]
第1章 “不滅の恋人”への手紙とは
第2章 ナポレオンの大陸制度
第3章 ベートーヴェンとブレンターノ家の人々
第4章 一八一二年七月、テプリッツ
第5章 「手紙」の再検証
第6章 大崩壊
第 -
Posted by ブクログ
大胆な想像でベートーヴェンを映像化するなら、個人的にはこちらも、2本立てで見たいです!
こちらの配役はちょっとカッコいい寄りでおねがいします、とはいえシュッとしすぎると嘘くさくなるのでほどほどがよろしいかと…
ベートーヴェンが残したものに「不滅の恋人」にあてて書かれた3通の恋文がある。宛名どころかイニシャルも愛称もない。郵便馬車の時間を気にかけながら、短い間隔で熱烈な言葉を書き連ね、一刻も早く届けたい、逢いたいと衝き動かされるような手紙。それなのに相手に届くことはなかったのか、死後ベートーヴェンの元で発見された。
一体誰に宛てたものなのか、数々の女性が候補に挙がったけれど誰も決定には至らな -
Posted by ブクログ
タイトルで「トンデモ本かな?」と思ったけど、そうじゃなかった。でも誤解を生まないかこのタイトル…本の内容を的確に言い表しているとはとても思えないんだが。
ベートーベンが書いた、「不滅の恋人」への手紙にまつわる謎についてがこの本の主題である。ベートーベンにまつわる、常識を覆すような説などもちょこちょこ出てきて飽きない。当時の情勢がとても面白く頭に入り、世界史の勉強にも役立つのではないかと思える。
論旨にはところどころ「ん?」と思える運びもあったが、結論は説得力があるように感じた。ていうか他の説よく知らんけどこっちの方が素敵なんだもーん。決定的な論理破綻は無いしさ。ロマンがあって、かっこいい -
Posted by ブクログ
タイトルからして痛快なトンデモ本かと思ったら、意外な説得力に戸惑いを覚える。
ベートーヴェンに「不滅の恋人への手紙」というのがあるが、誰宛なのかが分からず議論になっているという。これ、実は敵対する重要人物の動静を伝える、一種の暗号の手紙だったと解く本なのである。ナポレオンの支持勢力(ベートーヴェンはこっちに属する)と敵対勢力の権謀術数の話が絡む。
諜報員と言っても、スパイ活劇の登場人物的な話ではなく、この時代の著名人は大なり小なりこういう役割を担っていたんじゃないのかな。
ナポレオンやエステルハージ(ハイドンのパトロンの息子)といった名前、プラハ、カルルスバードなどヨーロッパの地勢関係な