船山信次のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
副タイトルにあるように、青酸カリからギンナンまで、特別な毒から身近な毒までを事例を踏まえて解説。
とってもわかりやすい一冊。
特に食べ物の関する箇所は大変勉強になりました。
山菜など灰汁が強いものは、好物だからといって大量に食べるのは危険なのですね。
常用すると、がん発生率100%のものもあり、驚きました。
あと、花も奇麗だからといって花瓶に活けると思わぬ事故に繋がると知りました。
水道に手の届かない子供が花瓶の水を飲んで死亡した例もあるそうで、まさかそんなことが!と驚く知らなかった知識も多かったです。
これは一家に一冊あってしかるべき本だと思いました。 -
Posted by ブクログ
人間に役立つものは薬、役立たないものは毒。そんなふうに捉えてしまうが、そもそも薬も毒も表裏一体。
この本は、薬のほうに特化して、病気ごとに作用する薬をまとめてくれています。身近な植物からたくさんの薬が作られていることに驚きます。
。。。。。
キョウチクトウ、ジキタリス、オモト、スズラン、福寿草
強心剤、心不全治療薬
チドメグサ
止血剤
ハシリドコロ、チョウセンアサガオ、ベラドンナ
(アトロピンが得られる)
瞳孔を広げる、副交感神経抑制作用
ダイオウ、センナ、アロエ
ケンゴシ(朝顔の種子)、ヒマシ油(トウゴマの種子)
イヌサフラン、グロリオサ
(コルニチンが得られる)
痛風
ダイズ(イソフラボン)
ムラサキウマゴヤシ(マメ科)
骨粗しょう症
セイヨウシロヤナギ
(アスピリンが得られる)
解熱剤
コカイン
麻酔 -
Posted by ブクログ
毒草と薬草について、読み物として書かれた事典です。
序章を含め6章仕立て、植物そのものと毒や薬の基本から解説が始まり、代表的な毒草と薬草、意外な毒草と薬草、和漢薬や近代医薬に関係する毒草と薬草、よく食べる毒草と薬草、園芸植物の毒草と薬草、などが収録されています。
様々な植物が紹介されるなか、親近感を覚えてしまうのはオオムギ・ホップやコーヒーノキやチャなど嗜好品の原料となる植物でした。
普段からその薬効に頼ってしまう私は既にアルコールやカフェインに依存している自覚がありますが、やめたいと思えない点を矯正しなくては抜けられそうにありませんね。
我々の身近にたくさんの毒草や薬草があることを知ることのできる良書です。 -
Posted by ブクログ
日本薬科大学薬用植物園園長の著者が、不可思議で魅力的な毒草を紹介する一冊。
架空の植物園を園長が案内する形で展開します。
アヘン・モルヒネ・ヘロインへと変貌するケシから始まり、ヒロポンの原料マオウ、アブサンのニガヨモギ、全身麻酔薬のチョウセンアサガオ、死の頭巾トリカブト、そして身近なスズランやヒガンバナなどが終点です。
毒性よりも歴史や生態に重きを置いた説明であり、それ故に植物をそれぞれが個性を持つ生き物として見ることができました。
文章はこちらに語りかける筆致で、落ち着いた気分で植物園を巡っているような気分になりました。
挿絵も素敵で“禁断の植物園”の世界観を彩ります。 -
Posted by ブクログ
本文にふりがながついていて、小学校低学年の子がすごい集中力で読み終えました。磯の生き物がけっこう危険だと知って、もう磯に行きたくないかもと言い出したほど(笑)。親も観察会の人も何回も磯で説明したのに、イラスト本には負けるんだな!それだけコンテンツ力がすごいのでしょう。
ただ、触っただけで危ないのか、食べなければ大丈夫なのかはアイコンやページで分かれてはおらず、毎回文章をきちんと読む必要があります。また、毒ヘビも無毒な在来種との見分けがあるわけではありません。以上のことから、毒を過剰に怖がったり知ったかぶりをしたがる子が、ヘビに石を投げたり植物を踏み潰して退治しようとする事態を避けるため、「彼らも一生懸命生きているだけなのでとにかく近づかないこと」と大人が繰り返し伝えていきたいものです。これは子どもむけ毒生物本の多くに言えることです。(2023/3/27) -
Posted by ブクログ
ネタバレ体に悪いのに、人が魅了されて止まないモノ「毒」。人の歴史も毒とともに…。「毒とともに生きる」我々の人生のための毒の教養。
現代人だって、タバコ、薬、食べ物、毒と紙一重の物とつきあっている。毒から目をそらさず、正面から向き合うために読むべき一冊だと思った。
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p33 LD50
毒の強さを表す有名な単位。半致死量(Lethal Dose)の意味でこれを与えられた動物の半数が死ぬと想定された量。これが小さいほど毒素が強い。
p48 毒の種類
Poison=全ての毒に対する意味、Toxin=生物由来の毒素の意味、ポイズンより一段階狭義、Venom=動物由来の毒素のうち、蛇やサソリなどの刺咬毒の意味。一番狭義
p56 トリカブトは生薬になる
トリカブトの根は毒矢の毒薬になるが、加熱処理すれば「附子」と呼ばれる漢方の生薬になる。
p61 アルカロイド
アルカリ性を司る化合物。毒素はこのアルカロイドに分類されるものが多い。
p65 マリリンモンローは最期もセクシー
マリリンモンローは直腸に睡眠薬を浣腸して自殺したといわれている。マニアック・セクシー
p65 青酸カリはガスがヤバい
青酸カリの毒薬を飲んで、胃酸で発生した青酸ガスを吸い込んで死に至るらしい。
p79 藤原薬子も毒で死んだ
早良親王の祟りを恐れて嵯峨天皇に譲位し上皇になった平城上皇が、寵愛した愛妾:藤原薬子に煽られ天皇復帰を図って嵯峨天皇と対立した「薬子の変」で有名なあの薬子。嵯峨天皇に追い詰められ、平城上皇は出家し、薬子は毒を仰いで死んだ。ちなむに薬子は毒見役の役職名らしい。薬子が毒で死ぬとはなんか皮肉。
p87 華岡青洲の麻酔薬
一時期NHKのドラマで有名になった華岡青洲。『華岡青洲の妻』に詳しい。必読
p90 シーボルト事件
シーボルトが帰国する際に土生玄硯が送った葵の紋服や高橋景保の送った『大日本沿海輿地全図』(伊能忠敬)が不正輸出されるところだったと検閲で見つかり、土生や高橋は処罰され、シーボルトも国外追放になった。
この一連の事件は、シーボルトが土生にベラドンナという毒草(人の瞳孔を開く薬の原料となる薬草)を分けたお礼に葵の紋服をもらい、それが見つかったということ。ここにも毒(薬)が関わっている。
p96 賢者は歴史に学び、愚者は経験に学ぶ
化学兵器、原爆、人の科学は危険とともに進化してきた。この毒の知識も歴史に学ぶか、経験に学ぶか、
p98 覚せい剤「ヒロポン」
かつてヒロポンという名前で合法覚せい剤として日本でも売っていた。しかし、1951年に覚せい剤取締法で禁止された。現代ではSとかSpeed何て名前を変えている。
ちなみにヒロポンは「疲労にポン!」ではなく、「philopons」という仕事を好むというギリシア語の意味である。
p115 フグ毒には人工呼吸
フグ毒の救命で最も大事なのは、呼吸の確保である。人工呼吸をしっかりやれば致死率は6%程度になるらしい。
p119 銀杏は歳の数まで
言い伝えで「銀杏は歳の数まで」といわれる。銀杏を食べすぎると、GABAと呼ばれる鎮静作用のある脳内物質の分泌を抑え過剰興奮状態になる。度が過ぎて痙攣状態になる。
p124 umami
味覚の旨味(L-グルタミン酸ナトリウムなど)は日本人が発見した。だから海外でも旨味はumamiである。
p124 苦みと年齢
酸味は果実の未成熟や腐敗、苦みはアルカロイド系の味、つまり毒素を意味する味覚と言える。だから子供は苦いものや酸っぱいものを嫌うのかもしれない。歳とれば耐性がつくから好むようになるのかな。
p127 猫にアワビ
言い伝えで猫にアワビを与えると耳が落ちるという。アワビには餌の海藻に含まれるピロフェオフォルバイドaが含まれており、これを猫が食べて日光浴すると化学反応が起きて皮膚炎を起こす。食べ過ぎるとついには耳を落としていうということだろう。
p147 ドライアイス
400gのドライアイスは室温1時間で200㍑のCo2になる。室内が2000㍑の車内でこの量のドライアイスを溶かして、一時間締め切っていると中毒を起こす。
p180 ブルガリアの事件カッケー
ブルガリアから西側世界に亡命したブルガリア人作家の暗殺がすごい。1978年、バスを待っているところでこうもり傘に仕込まれたガス銃で毒針を飛ばされて死亡した。この時の毒はリシンだった。
p197 日本もアヘン戦争をやっていた
1931年の満州事変の時期に関東軍は満州と華北でアヘンを流行らせていた。関東軍は極秘に芥子を栽培して麻薬を製造していたようだ。アヘンで人民を骨抜きにして、さらに外貨も巻きあげた。
p199 兵隊病
クリミア戦争、アメリカ南北戦争、普仏戦争で医師はこの頃から使われ始めたモルヒネを使いまくった。その結果、戦傷者にモルヒネ依存症が多数出た。これを「兵隊病」といった。
p231 葛根湯
葛根湯には生薬のマオウが含まれており、そのエフェドリンはドーピングにひっかかる。
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毒は教養である。