カエサルのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ガリア戦記
著:カエサル,G.J.
訳:國原 吉之助
講談社学術文庫 1127
難読書、地名、人名ともなじみがないので、カエサルが率いている軍団がどのように動いているのか、イメージがしにくい。本書後ろに座標が入った地図と、その後ろに地名辞典とその座標が載っているのでそれを頼りにするしかない。ガリア(=フランス)領内をローマの大軍がくるくると回っているのである
ガリア=ほぼフランス(+ベルギ全土、+オランダ一部、+スイス一部、+ドイツ一部、+イタリア一部)、つまり、ガリア戦記とは、ローマ人カエサルから見た、フランス討伐記なのである
ゲルマニア=ドイツ、ブリタンニア=ブリタニア=UK、
ローマ帝国から見ると、ゲルマニア人の来襲にて、その通り道となる、ガリアと、イタリアのすぐ南にそびえるアルプスの向うに広がるガリアの地は、軍事上の緩衝地帯、非武装中立地帯として安全保障上の重要地域なのである。カエサルでなくとも、ローマの属州として、ローマの僚友として取り込んでおきたくなるだろう。
そして、カエサルは、その部族間の要請にしたがって出兵したり、レヌス川(=ライン川)と対峙しているゲルマニア人と戦闘する
いずれにせよ、この時代は、アルプスの街道が整備され、大兵団が何度も、行き来している。
スキピオと、ハンニバルのように、アルプスを越えた部隊に強襲されることはなくなっていたのである
<難解な地名と、部族名(抄)>
ガリア
ベルガエ人 (アクィタニ人とは、ガルンナ川)
(ケルタエ人とは、マトロナ川)
(ゲルマニア人とはレヌス川
アクィタニ人 (ベルガエ人とは、ガルンナ川)
ガルンナ川に始まり、ピュレネー山脈に及び、ヒスパニアの大西洋岸に達する
ケルタエ人(ベルガエ人とは、マトロナ川)
ロダヌス川、ガルンナ川と大西洋とベルガエ人の領土
ゲルマニア人 (レヌス川の北岸にすんでいる民族)=ドイツ人
当時、ガリア人(=フランス国家)という概念はなく、部族が合同と、離散を繰り返していた
ヘルウェティイ族 47 7E(ケルタエ人の部族、勇猛)
★オルゲトリクス
セクアニ族 47 5E レヌス川下流、ケルタエ人の北東(元老院よりローマ国民の友)
★カタマンタロエディスの息子、カスティクス
ハエドゥイ族 47 4E
★ドゥムノリクス ディウィキアクスの弟」
ラウラキ族 48 7E
トゥリンギ族 48 8E
ラトビキ族 48 7E
ポポイ族 47 2E
アッロプロゲス族 45 5E
都市:ゲナウァ
サントニ族 46 2W
トロサテス族 44 1E
アルプスの部族
ケウトロネス族 46 6E
グライヨケリ族 45 6E
カトゥリゲス族 45 6E などなど、たくさんあって、しかも狭い地域に集中している場合もあり
目次
第1巻 1年目の戦争(BC58)
第2巻 2年目の戦争(BC57)
第3巻 3年目の戦争(BC56)
第4巻 4年目の戦争(BC55)
第5巻 5年目の戦争(BC54)
第6巻 6年目の戦争(BC53)
第7巻 7年目の戦争(BC52)
第8巻 8年目と9年目の戦争(BC51,BC50)
解説
専門語略解
地図
部族名・地名索引
人名索引
ISBN:9784061591271
出版社:講談社
判型:文庫
ページ数:442ページ
定価:1300円(本体)
1994年05月10日第1刷
2012年10月30日第38刷 -
Posted by ブクログ
ローマ人の物語を読んだときからいつか読もうと思っていた本。
2000年前の話が生々しく伝わってくる。幾つもの惨殺すら記述するのだから。勝者の弁と言う当たり前の事を抜いても、それ程多くない人数で、戦いを勝ち抜いてきた所、特に、事前の情報収集を元に作戦を立て、実行に移し、相手の降伏の交渉においては、武器を一箇所に集めさせ、大量の捕虜を取ると言った一連の組み立て以外に、兵士の昼夜分かたずの力戦、設営なども興味深い。
解説の年表にある、25歳の時に、「修辞学を学ぶ」と言う箇所は、この戦記だけでは無く、カエサルの政治家、軍人としてのベースになったんだなと。 -
Posted by ブクログ
ネタバレユリウス・カエサルによって書かれたガリア遠征記。
カエサルの文章はキケロと並んで、ラテン語の名文といわれていますが、2000年以上前に書かれたものとは思えないほど、簡潔にして要点を得た文章。9年に亘ったガリア・ブリタニア遠征の全貌がつかめます。この遠征によってライン川がローマ帝国とゲルマン民族との国境が確定し、その後のローマ帝国の繁栄にもつながります。4~5万人の軍団でガリア全体を征服したカエサルの戦略的・戦術的な天才性ばかり目立ちますが、結果的に100万人以上の死者を出したといわれるガリア側から見ればいい迷惑なんでしょうが。 -
Posted by ブクログ
講談社「ガリア戦記」、何気に解説がよかった。あと、やっぱりカエサルが書いていない”第八巻”があるのもいい。第八巻を書いたヒルティウスによると、カエサルは、自己の考えを正確に明瞭に述べる技量を備えていた、とのこと。確かにその通りと思う。ちなみに、やっぱり第八巻はなんとなく爽快さに欠ける。カエサルとヒルティウスの違いなのだろう。
改めて「ガリア戦記」について。カエサルは、こんな感じ?
・自分が指導者であると自覚して、判断・行動をしている。・部下を叱りはしても、自信を持たせるような配慮を必ずしている。・人を見抜く洞察力もあり、状況把握力を持っていたのだろう。・戦わずして勝つ手段として、技術力を全面的に出している。・適当なところは超適当。
「ガリア戦記」、ナポレオンも読んでいたらしい。歴史上の人物(カエサル)が書いた本というのもすごいけど、歴史上の人物(ナポレオン)と同じ本が読めるというのもすごい。