カエサルのレビュー一覧
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カエサルは、ローマ史に燦然と輝く名将の一人であるばかりか、ローマの将来を見通す慧眼の持ち主でもあり、さらにはローマ最大の弁護士とも称されるキケロにも並ぶ雄弁家であり、その上タキトゥスにも劣らぬ希代の名文家である。また、女性関係ではゴシップに事欠かない軟派男であり、借金王でもあった。そんな破天荒な天才の著作の中でも最も重要なのが、本書「ガリア戦記」である。ガリア戦記にはいくつかの邦訳があるが、おそらく一番読みやすいのは、近年出版された講談社学術文庫版であろう。それでも、訳文につきものの堅苦しさとぎこちなさはいかんともしがたいが、カエサルの明晰な思考と、そこはかとないユーモアのセンスを感じるには十
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ガリア戦記
著:カエサル,G.J.
訳:國原 吉之助
講談社学術文庫 1127
難読書、地名、人名ともなじみがないので、カエサルが率いている軍団がどのように動いているのか、イメージがしにくい。本書後ろに座標が入った地図と、その後ろに地名辞典とその座標が載っているのでそれを頼りにするしかない。ガリア(=フランス)領内をローマの大軍がくるくると回っているのである
ガリア=ほぼフランス(+ベルギ全土、+オランダ一部、+スイス一部、+ドイツ一部、+イタリア一部)、つまり、ガリア戦記とは、ローマ人カエサルから見た、フランス討伐記なのである
ゲルマニア=ドイツ、ブリタンニア=ブリタニア=UK、
ロー -
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ローマ人の物語を読んだときからいつか読もうと思っていた本。
2000年前の話が生々しく伝わってくる。幾つもの惨殺すら記述するのだから。勝者の弁と言う当たり前の事を抜いても、それ程多くない人数で、戦いを勝ち抜いてきた所、特に、事前の情報収集を元に作戦を立て、実行に移し、相手の降伏の交渉においては、武器を一箇所に集めさせ、大量の捕虜を取ると言った一連の組み立て以外に、兵士の昼夜分かたずの力戦、設営なども興味深い。
解説の年表にある、25歳の時に、「修辞学を学ぶ」と言う箇所は、この戦記だけでは無く、カエサルの政治家、軍人としてのベースになったんだなと。 -
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ネタバレユリウス・カエサルによって書かれたガリア遠征記。
カエサルの文章はキケロと並んで、ラテン語の名文といわれていますが、2000年以上前に書かれたものとは思えないほど、簡潔にして要点を得た文章。9年に亘ったガリア・ブリタニア遠征の全貌がつかめます。この遠征によってライン川がローマ帝国とゲルマン民族との国境が確定し、その後のローマ帝国の繁栄にもつながります。4~5万人の軍団でガリア全体を征服したカエサルの戦略的・戦術的な天才性ばかり目立ちますが、結果的に100万人以上の死者を出したといわれるガリア側から見ればいい迷惑なんでしょうが。 -
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講談社「ガリア戦記」、何気に解説がよかった。あと、やっぱりカエサルが書いていない”第八巻”があるのもいい。第八巻を書いたヒルティウスによると、カエサルは、自己の考えを正確に明瞭に述べる技量を備えていた、とのこと。確かにその通りと思う。ちなみに、やっぱり第八巻はなんとなく爽快さに欠ける。カエサルとヒルティウスの違いなのだろう。
改めて「ガリア戦記」について。カエサルは、こんな感じ?
・自分が指導者であると自覚して、判断・行動をしている。・部下を叱りはしても、自信を持たせるような配慮を必ずしている。・人を見抜く洞察力もあり、状況把握力を持っていたのだろう。・戦わずして勝つ手段として、技術力を全面的 -
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塩野七生を読んでいないと、かなり理解が難しかったように思う。添付の民族の地図を拡大コピーして、照らし合わせて読んだ。かなりあっさりとした文体。塩野七生であんなに盛り上がった”アレシアの戦い”もあっさりと書かれていた。一貫して思ったのは、カエサルは指揮官としての意識を強く持っていて、部下への指示も、また部下の行動に対する評価も、指揮官の目線で客観的に行っていること。なによりも、客観的事実に基づいて何事も判断していて、私情が一切、出ていないところがすばらしい。また、途中、カエサルが、ガリア人やゲルマニア人の文化や生活習慣、さらに生息している動物について説明しているのが、とても興味深い。
岩波の近山