献本でいただいた1冊となります。
何とも可愛らしい“アヒル”の表紙が印象的で。
物語の主人公は、そのアヒルとなります。
根底に流れるのは“自分が何者なのか”との命題。
ビーバーから始まり、コウモリ、ツル、フラミンゴ、狼、
カモ、トカゲ、モグラ、そしてまた、狼。
などなど、様々な動物と触れ合いな
...続きを読むがら、自分を探す物語。
どこかロードムービー的な雰囲気は、個人的には好みです。
主人公がアヒルで、登場人物たちも動物と、
なんとも寓話的な内容ですが、サラッと読めました。
ただ、後書きには子供でも大人でも楽しめるとありますが、
一人で読ませるにはちょっとフワっとし過ぎているかな、と。
大学生くらいで、児童文学の素養があればあるいは、ですが、
ある程度の人生経験を積まないと、自己に投影するのは難しそうです。
ん、子どもには御伽話として、寝しなに読み聞かせるのがいいかもですね。
ある程度は噛み砕きつつ、表現も転化させながら。
“自分が何者でもないと気づかなかったら、翼のことは思いださなかっただろう”
“幸せ”とはなんだろうと、自分らしさってなんだろうと、
そんな事をふんわりと考えさせられる、そんな一冊です。