松山博美のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
”国民ID”、今までに幾度となく議論にあがり、その度に頓挫してきた制度です。
曰く「監視社会への道筋」、曰く「国民総背番号に基づく管理社会化」、曰く。。
本書では、”消えた年金問題”や”東日本大震災時の行政不全”を題材に、
また、諸外国での運用状況も交えながら、問題点と対策を丁寧にわかりやすくまとめています。
個人的には、見られて困るものもないですし、国民ID化は賛成です。
今は身分証明書といえば、運転免許書や健康保険証ですが、万民が持っているわけでもないですし。
本文でも指摘されていますが、明確に”自分”が定義されると困る”既得権益者”、
その勢力の見えない抵抗が強いのでしょう、、脱税 -
Posted by ブクログ
近年、何度か紙面でもテーマとなることがある国民ID制度を知るために手に取った本。
第一章では、2010年7月29日にミイラ化した死体が発見された事例(同年八月に再び同様の例があった)を挙げ、国民の実在を確認するための戸籍制度・住民登録制度・国勢調査が行われているのにも関わらず、世帯単位ではなく個人ごとに情報を把握する仕組みが必要な時勢もあり、正確な情報を把握出来ていないと説明し、身分証明書のIT化が進んでいれば、戸籍・住民票と組み合わせて「国民の実在確認」も容易に行え、個人情報が不正に引き出されること(熊本県人吉市福祉課の例)も防げたであろうし、漢字の異字体・外字による「消えた年金問題」 -
Posted by ブクログ
ネタバレ国民IDの必要性を説いた本。自分自身も人口減少社会の中で如何に生産性を向上させ、生活を維持していくかという問題意識を持っていたため、共感する部分が多かった。
国民IDの有用性だけではなく、危険性、反対意見、課題を解決するための手法も整理されており、大変参考になった。
国民IDというシステム論だけではなく、国の家族単位で国民を把握する制度設計に時代が即していないため、「世帯」から「個人」へと変革が求められるなどと、システムだけではなく、制度自体も変えていかなければならないというところが国民IDを導入するための一つのハードルであることがわかり、システム整備以上に考え方も変えなければならないことを本