中村白葉のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
「イワンのばか」の他に八篇の物語がおさめられている。どれも、ぇ、小学生向き?と思ってしまう。解説から拾いあげると「明快、単純、簡潔、平易かつ簡素な言葉、わかり易く、面白い」まさに!でもその底には「トルストイ自身の血みどろな精神的苦闘を経て体得した愛の副音が説かれている」ぅむ。だれでも読めるわかる民話の中に、人としての生き方を奥底深く心をえぐるように・・・うっ〜、我が胸に突き刺さる。ぉ〜、レフ・トルストイ恐るべし、すっかり虜になってしまいそうだ。次は「人はなんで生きるか」を読もう。
でも、数ヶ月たったら他にどんな話があったのか忘れてしまった。(2013年1月5日記す)再読してみたいな。 -
Posted by ブクログ
ネタバレトルストイがロシア各地に伝わる民話伝承を、いわば改作して書き上げた民話集。トルストイと言えば「戦争と平和」だけれど、あちらが私には今ひとつピンと来なかったのと対照的に、こちらはとても楽しく読むことができた。色々な諷刺や教訓、「生き方」論、あるいはトルストイの芸術論を引き出すことも可能なだけれど、とても透明感のあるこの物語を前にすると、そういう小難しいことを考えるよりも、水を飲むようにただただこの中に流れるものを自分のものにできたらなぁと思う。
非常に宗教的な「善きものへ向かっていこうとする」物語群、と言うと、宗教という言葉にアレルギーを持つ人々に毛嫌いされそうだが、ここにあるのは、信仰とい -
Posted by ブクログ
インパクトのあるタイトルなのに、子供時代を含めた何故か読んだ記憶がなかったので読んでみた。
表題作は、愚直さも極めれば偉大である、ということか。全ての民族はそれぞれの流儀で偉大である、と思うが、ロシアは特に独特と思えてくる。
19世紀のロシア文学は、ひたすら、ウォッカと(これは今もか)、決闘と、不倫と、ロシアンルーレットのイメージだが、本作は民話だけあって、お酒が少々出てくるくらいで、キリストと悪魔の登場が多い。
「三人の隠者」は、「人は何で生きるのか」の中の「二老人」と同じテイストで面白かった。宗教的権威が意図せず堕ちる様が心地よい。