橘外男のレビュー一覧

  • 橘外男日本怪談集 蒲団

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    好きなホラー作家が新しくできた!
    岡本綺堂作品が好きであればこちらも好きなのでは。私は情景描写から怪異のあらわれ方がとても頭の中に映像として現れる。
    昔の話になるが、読んでいるうちに、自分が見たかのような映像が浮かんでくるほどの怪談はなかなかない。
    あと、ホラー というより怪談、の方がしっくりくる。
    蒲団 定番の怪談という感じだが、湿気の感じるような雰囲気がよい。
    逗子物語 映画を見ているようで、坊ちゃん一行の映像が浮かぶ。
    帰らぬ子 胸に迫る前半、後半の信彦に対する感情の起伏があたたかくも時にコミカルにも感じた。

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    2023年03月11日
  • 橘外男日本怪談集 蒲団

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     橘外男の日本を舞台とした怪奇小説を集めたもの。執筆は1937(昭和12)年から1957(昭和32)年。
     初めて聞く名前の作家で、全然知らなかったのだが、江戸川乱歩と生年が同じらしい。
     巻頭の『蒲団』を読んで衝撃を受けた。昭和12年の作品などとは信じられない、実に素晴らしく、傑出したホラー短編なのだ。これこそが名作というものだろう。
     感動しつつ、2つめの「棚田裁判長の怪死」を読んでみるとこちらは私には面白くなく、良くなかった。しかし他はなかなか良く、長めの「棺前結婚」「逗子物語」は面白かった。これらに出てくる幽霊は人を取り殺すような悪意の存在ではなく、「善い霊」なので、恐怖メインではない

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    2023年10月09日
  • 橘外男日本怪談集 蒲団

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    ネタバレ

    “日本怪談最恐”の一篇と名高い表題作や恐怖と哀切を湛えたマスターピース「逗子物語」の代表作2篇他、「棚田裁判長の怪死」「雨傘の女」「帰らぬ子」など虚実のあわいを描いたバラエティ豊かな怪談7篇を収録。

    ・とにかく“怖い”と有名な「蒲団」だが、実際なぜこの話はそこまで怖いのか。現れる女の幽霊の描写か、敷布団の中に隠されたものから想起する猟奇性か、はたまた因果も何も関係なくその蒲団に関わった者に祟る凄まじいまでの怨念か……恐らくはそれらが揃ったが故のこの無類の怖さ、なんだろう。
    ・先祖の受けた恨みが子孫に仇を為す体の「棚田裁判長の怪死」は不条理といえば不条理譚。ピアノ曲の演奏に合わせて尺八や風の音

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    2023年08月13日
  • 橘外男日本怪談集 蒲団

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    橘外男の怪談を集めた文庫オリジナルの短編集。
    表題作の「蒲団」は格安で手に入れた蒲団に纏わる話。よく出来た怪談ではあるが、今読むとまとまり過ぎな印象。
    印象的だったのは「棚田裁判長の怪死」と「棺前結婚」の2作。
    「棚田裁判長の怪死」ははっきりした説明も解決もない実話怪談の先駆けともいえるような話。「棺前結婚」は純愛ホラー。ホラーというより変格物?

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    2022年10月07日
  • 橘外男日本怪談集 蒲団

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    「”日本最凶”の古典怪談、ここに甦る」とオビに書かれた短編集。確かにどの短編も怪談ではありますが、訥々とした語りや、静謐な風景描写、死者と生者の気持ちの通い合いなどがなんとも心地よく、怖いとか最凶という感じは全くしませんでした。最後に収められた晩年の短編『帰らぬ子』は、なぜ著者が自作のなかに死者たちを登場させ続けてきたのか、その理由が吐露されたような作品。

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    2023年02月28日
  • 橘外男日本怪談集 蒲団

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     秘境小説の作家として名前は知っていたが、怪談も書いているということは知らなかったし、本書で初めてその作品を読んだ。

     長短あわせて7作が収録されているが、表題作の『蒲団』はアンソロジーにも良く収録されているらしいく、肯るかな、確かにベストの作品と思った。上州の古着屋の主人が東京で、縮緬の蒲団を掘り出し物で仕入れてきた。これは高く売れると喜んだのだが、なぜか商いは上手くいかず、家の中は辛気くさくなってしまった。そんなとき、腰を真っ赤にした綺麗な女が姿を現すなど、不思議が続き、とうとう……といった話。怪異を段々と語り、恐怖を盛り上げていく手際が見事。

     合理的な解決がないのが怪談とは言え、『

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    2024年10月11日
  • 橘外男日本怪談集 蒲団

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    『逗子物語』は以前『怪異十三』で読んだことがあったけど、それ以外は今回初めて読んだ。

    表題作の『蒲団』が一番良かった。
    怖さはそんなにはないけど話として面白かった。
    他の話は盛り上がるポイントがぼんやりしていたりして冗長に感じてしまった。

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    2024年01月04日